共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問1 (物理基礎(第1問) 問1)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問1(物理基礎(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

放射線に関する次の文a〜dのうちから正しいものを二つ選んだ記号の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

a  放射線の影響は、放射線源から離れること、遮蔽(しゃへい)物を置くこと、浴びる時間を短くすることで、減らすことができる。
b  放射線は、医療、工業、農業に利用されることがある。
c  放射線とは、ウランやラジウムなどの不安定な原子核のことである。
d  放射線のうち、中性子線はβ線に比べて透過力が弱い。
  • aとb
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd
  • cとd

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は「aとb」です。

 

各選択肢を見てみましょう。

 

a  放射線の影響は、放射線源から離れること、遮蔽(しゃへい)物を置くこと、浴びる時間を短くすることで、減らすことができる。

正しい記述です。

 

aの記述のような特性があるからこそ、原子力発電所を含む事故や災害では、被災地からの避難や原発を覆うドームの建設が行われました。

より詳しく知りたい場合は「チェルノブイリ」や「東日本大震災」について調べてみましょう。

 


b  放射線は、医療、工業、農業に利用されることがある。

正しい記述です。

 

それぞれ、CTやX線造影、滅菌や計量、品種改良や害虫の駆除に利用されています。

 


c  放射線とは、ウランやラジウムなどの不安定な原子核のことである。

誤った記述です。

 

放射線とは、ウランやラジウムなどの不安定な原子が安定しようとした際に放出する粒子や電磁波のことであり、「ウランやラジウムの原子核そのもの」ではありません。

 

 

d  放射線のうち、中性子線はβ線に比べて透過力が弱い。

誤った記述です。

 

放射線の透過力は、弱い順にα波<β波<γ波<中性子線となります。

これはそれぞれの線の「大きさ」と「電荷」によるためです。

以下で特徴を確認しておきましょう。

 

α波:ヘリウムの原子核

陽子と中性子で構成された原子核そのものであり、粒子は大きく、正に帯電しています。

そのため周囲の電子を奪ってエネルギーを失いやすく、また周囲の負の物質に引っ張られやすい性質もあります。

紙1枚で遮れるほど、透過力は弱いです。

 

β波:電子の粒子1つだけ

原子核よりもかなり小さな粒子で、負に帯電しています。

そのため周囲の物質とぶつかってエネルギーを失いやすく、また周囲の正の物質に引っ張られやすい性質もあります。

アルミホイルなどの薄い金属1枚で遮れるほど、透過力は弱いです。

 

γ波:波長の短い電磁波

光の一種と考えることもできます。

粒子ではないため周囲の物質とぶつかってエネルギーを失うことはあまりありません。

電荷もないため、電気的に引っ張られることもありません。

ただし、周囲の原子とぶつかって光電反応を起こし、より内殻(特にK殻)にいる電子を励起させるエネルギーに変換されやすい性質をもちます。

分厚い鉛の壁などで遮らないといけないほど、透過力は高いです。

 

中性子線:中性子の粒子1つだけ

めちゃくちゃ小さな粒子そのものであり、正にも負にも帯電していません。

電気的に引っ張られることもなく、粒子が小さすぎるあまり、周囲の物質とぶつかってもエネルギーを失うこともありません。

唯一、自身と同じような物質にぶつかったときのみ大きく弾かれて失速します。

ピンポン玉を思い浮かべて、周りの壁にぶつかっても跳ね続けるのを想像してください。

ただし、ピンポン玉同士がぶつかると、大きく弾かれて軌道を変え、失速していきます。

似た理屈で、「自身と同じような物質」としてよく水素イオンを用いられるため、大きな水槽を通してでなければ透過するほど透過力が高いとされています。

 

 

以上のことより、正しい記述として適当なのは「aとb」となります。

選択肢1. aとb

この選択肢が適当となります。

まとめ

放射線についての幅広い知識を問うている問題です。

 

放射線については、各放射線の特徴以外にも「放射線」「放射能」など、言葉の使い方についても正誤問題が出題されることがあります。

復習して各用語を整理しておきましょう。

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02

正しい選択肢はaとbです。

 

a 正しい

放射線源から離れたり、障害物を置くことで放射線の影響を減らすことができます。

 

b 正しい

レントゲンや品種改良で医療、工業、農業に利用されています。

 

c 誤り

放射線の正体は

α線はヘリウム原子核、β線は電子、γ線は電磁波です。

 

d 誤り

透過力は弱い順でα線、β線、γ線、中性子線の順です。

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03

解答 aとb

 

解説

選択肢を1つずつ確認してみましょう。

a  放射線の影響は、放射線源から離れること、遮蔽(しゃへい)物を置くこと、

浴びる時間を短くすることで、減らすことができる。
→正しいです。放射線から身を守る方法として、

遮蔽・距離・時間の3点を押さえておきましょう。

 

b  放射線は、医療、工業、農業に利用されることがある。

→正しいです。がん治療、非破壊検査、品種改良などに用いられています。


c  放射線とは、ウランやラジウムなどの不安定な原子核のことである。

→誤りです。ウランやラジウムなどの不安定な原子核は放射性物質であり、

放射線は放射性物質から放射される粒子の流れや波長の短い電磁波です。

つまりウランやラジウム自体ではなく、そこから飛び出すものが放射線です。


d  放射線のうち、中性子線はβ線に比べて透過力が弱い。

→誤りです。

中性子線がβ線に比べて弱いのは電離作用であって、

透過力については中性子線の方が強いです。

β線の正体は電子であり、電気を帯びているので物体中の

陽子に近づいたときにブレーキがかかりやすい一方で、

中性子は電気的に中性であるがゆえに物体中で減速しにくいためです。

 

よって答えは aとb となります。

 

【参考】

中性子は水を使うことで効果的に遮蔽することができます。

水には豊富に水素原子核(つまり陽子)が含まれるからです。

中性子と陽子は質量がほぼ同じで、質量が等しい粒子どうしが

ぶつかると速度が交換されるため、

静止した陽子に中性子がぶつかると中性子の方が静止します。

選択肢1. aとb

この選択肢が正解となります。

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