共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問15 (物理基礎(第3問) 問6)
問題文
比熱(比熱容量)の測定に関する、次の問いに答えよ。
次の文章中の空欄オ・カに入れる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
前問 では、抵抗で発生した熱がすべて液体の温度上昇に使われるものとしたが、実際には熱の一部は、容器、抵抗、撹拌棒などの温度上昇にも使われる。このことを無視しているために、前問で求めた比熱cの値は、正しい値よりも( オ )。この差は、液体の量を( カ )。
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問題
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共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問15(物理基礎(第3問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
比熱(比熱容量)の測定に関する、次の問いに答えよ。
次の文章中の空欄オ・カに入れる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
前問 では、抵抗で発生した熱がすべて液体の温度上昇に使われるものとしたが、実際には熱の一部は、容器、抵抗、撹拌棒などの温度上昇にも使われる。このことを無視しているために、前問で求めた比熱cの値は、正しい値よりも( オ )。この差は、液体の量を( カ )。
- オ:大きい カ:増やせば小さくなる
- オ:大きい カ:減らせば小さくなる
- オ:大きい カ:変えても変わらない
- オ:小さい カ:増やせば小さくなる
- オ:小さい カ:減らせば小さくなる
- オ:小さい カ:変えても変わらない
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は「オ:大きい カ:増やせば小さくなる」となります。
前問で使用した「Q=mcΔT」は理想値であり、前問の設定もすべて理想値に近づけるための設定です。
ところが実際には、熱は液体以外のものの温度上昇にも使われることから、比熱をc実際、αを液体以外へ逃げる熱量として、以下のように表せます。
Q=mc実際ΔT+α
すなわち、以下が成り立っています。
mcΔT=mc実際ΔT+α
mΔT>0より、両辺をmΔTで割ると以下となります。
c=c実際+α/mΔT
α/mΔT>0のため、以下となります。
c>c実際
問題文の「正しい値」とは液体以外の温度上昇も加味した「c実際」のことを指します。
そのため、前問の比熱cは正しい値c実際よりも大きくなります。
また、液体の質量mについて着目すると、式(1)より
c=c実際+α/mΔT
であることから、mを大きくするとα/mΔTは小さくなり、徐々に
c≒c実際
とみなせるようになるとわかります。
これは、抵抗、容器、撹拌棒の温度上昇が無視できるほど大量の液体を温める場合であれば、実測値(c実際)と理想値cがほぼ同一とみなせることを表しています。
たとえば、100mlビーカー1杯の水と25mプール1杯の水があります。
熱を発する抵抗、撹拌棒はビーカーに入る大きさです。
100mlビーカーと25mプールを、どちらも同じ器具(抵抗、攪拌棒、容器の大きさはことなるが材質の比熱はほぼ同じとする)を用いて、温度が1℃上がるまで熱を加えます。
このとき、ビーカーでは早めに温度は上がるものの、使用した器具にもそこそこ熱が伝わっていると想像できます。
一方でプールでは、水に熱を伝えるので精一杯で、なかなか水の温度は上がらず、相当抵抗が頑張ってはじめて温度が1℃上がる、と想像できます。
そのとき、プールの水1杯に渡した膨大な熱の量と、器具に伝わってしまった熱の量を考えてみてください。
プールの水に渡した熱に比べれば、器具に伝わってしまった熱の量などわずかだと考えられます。
こうした「比較」が問われているのが、当問です。
この選択肢が適当です。
物理ではしばしば「無視できるものとする」や「理想気体」「なめらか」など、物体に影響する些細な力を0とみなして計算することが多々あります。
それは、その物体への力に対して、他の値が無視できるほど小さいためにできることです。
当問は、その「無視するための条件」を問うていました。
「無視できるから考えない」ではなく「無視できるということは…」と条件を考えてみる練習をしましょう。
そうすれば、当問のような文章には引っかからずに、また時間ロスなく進めます。
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02
オ:大きい カ:増やせば小さくなる
が答えとなります。
比熱はその物質1gを1℃温度変化させるために必要な熱量ととらえることができます。
熱が液体以外の温度上昇に使われているなら、
その分より多くの熱量を与える必要があります。
したがって、
比熱cの値は、正しい値よりも( 大きい )です。
オ:大きい
液体の量を多くすればするほど温度上昇する物質のうち、
液体の占める割合は大きくなります。
つまり、
熱の大部分が液体の温度上昇に使われ、
発生した熱がすべて液体の温度上昇に使われる状況に
近づいていきます。
したがって、
液体の量を増やせば理想的な比熱の値との差は小さくなります。
カ:増やせば小さくなる
まとめると、
オ:大きい カ:増やせば小さくなる
が答えとなります。
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03
解答 オ:大きい カ:増やせば小さくなる
解説
発生したジュール熱をQ、液体が得た熱量をQ'とします。
Q' = mcΔTより、 c実際 =Q'/mΔT です。
前問ではQ'=Qとしていたので c前問 = Q/mΔT であり、
実際はQ'<Qなので c実際 < c前問 となります。
よって オ: 大きい となります。
また、
c前問 − c実際 = (Q−Q')/mΔT
であり、この値を小さくするにはmを大きくすればよいとわかります。
つまり液体の量を増やします。
よって カ: 増やせば小さくなる となります。
この選択肢が正解となります。
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