共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問147 (生物(第5問) 問5)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問147(生物(第5問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生物の進化と個体群に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

生物は、形態や(a)DNAの塩基配列などの類似と相違によって分類されている。この類似と相違をもとに、(b)系統関係を表す系統樹を作成できる。
キリンやシカを含む分類群(鯨偶蹄(ぐうてい)目)には、頭部に角を持つ種と、持たない種の両方が存在する。(c)系統樹からは、この分類群において角がどのように進化してきたのか推測できる。これらの角は(d)雌をめぐる雄どうしの闘争によく用いられてきた。

下線部(d)に関連して、アカシカは、雄どうしの闘争で勝利した一頭の雄と複数の雌とからなる群れ(ハレム)を形成し、繁殖する。ハレムを持てなかった雄はほとんど子を残さない。図3は、ある地域における複数のハレムを含むアカシカの全個体を対象とした調査結果から、各年齢で一頭が一年当たりにつくる子の数の平均と、生存曲線とを雌雄別に示したものである。後の記述a〜dのうち、この図から読み取れることの組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

a  10歳以上の雄では、生存個体数の減少の結果として、一頭が一年当たりにつくる子の数の平均が減少する。
b  雄は一頭が一年当たりにつくる子の数のピークを迎えた後、雌より死亡率が高まる。
c  子を残し始める年齢は、雌のほうが雄よりも低い。
d  この地域の8歳の雌から産まれる子の総数と13歳の雌から産まれる子の総数は、ほぼ同じである。
問題文の画像
  • a、b
  • a、c
  • a、d
  • b、c
  • b、d
  • c、d

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題のポイントは、、「1頭当たりの繁殖数」と「生存個体数」の2つのグラフを組み合わせて読むことです。

 

まずは、図3の雌雄それぞれの情報を読み解きましょう。

①1頭が1年間につくる子の数の平均

これは、「生きている1頭あたり、平均して何頭の子をつくるか」を表しています。

例えば、8歳の雌について「1.0」となっていたら、「8歳の雌1頭が平均1頭の子をつくる」という意味です。

 

②生存曲線

これは、「各年齢まで生き残っている個体がどれくらいいるか」を表しています。

 

では、各選択肢を見ていきましょう。

<a>

この選択肢では、生存個体数が減少する=1頭当たりの平均の子の数が減少すると説明しています。

しかし、「1頭が1年間につくる子の数の平均」は、その年齢で生きている雄1頭あたりの平均値です。

例えば、10歳の雄が100頭生きていて、その平均が1頭だった場合、

100頭×1頭=100頭の子

となります。

仮に生存している雄が50頭に減っても、1頭あたりの平均が1頭なら、

50頭×1頭=50頭の子

となります。

つまり、個体全体がつくる子の総数は減少するが、「1頭当たりの平均」は必ずしも減少するとは限りません。

10歳以上の雄で1頭あたりの子の数が減少しているのであれば、加齢による繁殖能力の低下や雄同士の競争に勝ちにくくなることなどが原因として考えられます。

よって、<a>は誤りとなります。

 

<b>

まず、図3の左のグラフから、雄について「1頭が1年間につくる子の数が最も多くなる年齢」を確認しましょう。雄では、10歳頃が繁殖数のピークになっています。

次に、右側の生存曲線を見ましょう。

10歳を超えたあたりから、

・雌の生存個体数→ゆるやかに減少

・雄の生存個体数→急激に減少

している事が読み取れます。

生存個体数が急激に減少するということは、その年齢以降に死亡する割合が高くなっていることを意味します。

よって、雄は繁殖数のピークを迎えた10歳頃を過ぎると、雌よりも死亡率が高くなると読み取れます。

よって、<b>は正しいと言えます。

 

<c>

この選択肢では、左のグラフに注目しましょう。

雄は、4歳までは1頭あたりの子の数が0になっています。

つまり、雄が子を残しはじめるのは、5歳頃からです。

一方、雌は3歳頃から子を残し始めています。

よって、

雌:3歳頃から

雄:5歳頃から

となり、<c>は正しいと言えます。

 

<d>

この選択肢では、2つのグラフを組み合わせる必要があります。

まず、左側のグラフを見ると、8歳の雌と13歳の雌は、「1頭当たりの年間出生数がほぼ同じ」ように読み取れます。

次に、右側の生存曲線を見てみましょう。

・8歳の雌→生存個体数が約750

・13歳の雌→生存個体数が500以下

となっています。

つまり、1頭あたりの繁殖数が同じくらいでも、そもそも生きている雌の数が違うことが分かります。

例えば、1頭あたり年間1頭の子を産むとすると、

・8歳:750頭×1頭=750頭

・13歳:500頭×1頭=500頭

となります。

よって、8歳の雌から生まれる子の総数の方が多くなります。

よって、<d>は誤りとなります。

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02

この問題は各年齢で一頭が一年当りにつくる子の数の平均」と、「生存曲線」の2つグラフを読み取り、そこから導かれる説明として正しいものを選ぶ問題です。

生物学に関する特別な知識は必要なく、落ち着いてしっかりとグラフの読解ができれば正解することができます。

では、a~dの記述を見てきましょう。

 

ⓐ【正しくない】

aの記述では、「生存個体数が減少すること」が「一頭が一年当りにつくる子の数が減少する」ことの理由として説明されています。

左のグラフの「一頭が一年あたりにつくる子の数」には、その時点で生存している個体からの平均として出されているため、生存個体数が減ったことでの一頭が一年あたりにつくる子の数に影響はありません。

よって、生存個体数が一頭当りがつくる子の数を下げる直接的な理由にはなりません。

10歳以上の雄が子を作る数が減ってしまうのは、雄同士の闘争で勝てなくなったり、生殖能力が衰えることなどが理由として考えられます。

 

ⓑ【正しい】

雄の一頭が一年当りにつくる子の数のピークは10歳です。

右のグラフを見ると、10歳を超えると雌の生存個体数が緩やかに減少していることに比べ、雄の生存個体数は急激に落ちています。

よって、雄は一頭が一年当たりにつくる子の数のピークである10歳を超えると、雌より死亡率が高まると言えます。

 

ⓒ【正しい】

左のグラフを見ると、雄の一頭が一年当りにつくる子の数が4歳までは0であることに対し、雌は3歳から子を作り始めていることがわかります。

よって、子を残し始める年齢は、雌のほうが雄よりも低いと言えます。

 

ⓓ【正しくない】

左のグラフを見ると一見8歳と13歳で一年間でつくる子の数が同じであるように見えるが、右のグラフも見ると、8歳の雌の生存個体数が750であることに対し、13歳では生存個体数が500を下回ってしまっています。

よって、一頭当りの平均は同じであっても、8歳と13歳で生存個体数が異なるため、総数は異なり、ほぼ同じであるとは言えません。

 

以上のようにa~dの記述の正誤判定ができたことで、以下の選択肢を選んでいきます。

選択肢1. a、b

不適です。

bは正しい記述ですが、aは正しくありません。

 

選択肢2. a、c

不適です。

cは正しい記述ですが、aは正しくありません。

選択肢3. a、d

不適です。

aもdも正しい記述ではありません。

選択肢4. b、c

正解です。

bもcも正しい記述です。

選択肢5. b、d

不適です。

bは正しい記述ですが、dは正しくありません。

選択肢6. c、d

不適です。

cは正しい記述ですが、dは正しくありません。

まとめ

生物の共通テストでは、特段生物学の知識がなくても落ち着いてグラフを読解することで正解することができる問題も出題されています。

一つ一つ落ち着いて選択肢を見ていきましょう。

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