共通テスト(理科) 過去問
令和8年度(2026年度)本試験
問46 (生物基礎(第3問) 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(理科)試験 令和8年度(2026年度)本試験 問46(生物基礎(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

生物の多様性と生態系に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

B  近年、様々な生物の生息環境が失われ、多くの種が(c)絶滅の危機に瀕している。また、人間活動によって本来の生息場所から別の場所に持ち込まれた(d)外来生物がその地域の在来生物に影響を及ぼす例が、増えてきた。例えば、在来生物であるツチガエルは、水草の繁茂している溜池(以下、池)に生息している。しかし、ツチガエルなどの様々な生物を捕食する外来生物のウシガエルと魚類Cの移入により、個体数の減少や絶滅が心配されている。

下線部(d)に関連して、ツチガエルと外来生物との関係を調べるため、野外調査と実験1・実験2を行った。

野外調査の結果
ツチガエルの密度(池の面積当たりの個体数)は、ウシガエルも魚類Cもいない池で最も高く、次いでウシガエルと魚類Cがいる池、ウシガエルはいるが魚類Cはいない池の順で低くなった。

実験1  池内の環境を再現するために、図3のように、水槽の半分に模型の水草を密集させて設置した。そこに、ウシガエルまたはツチガエルのうち、どちらか一方の幼生(以下、おたまじゃくし)を5個体入れた。おたまじゃくしは全て同じ大きさの個体を用いた。環境に十分慣れさせた後、1個体の魚類Cを水槽に静かに放し、1時間後に魚類Cに捕食されたおたまじゃくしの数を記録した。これを10回繰り返したところ、図4の結果が得られた。
実験2  実験1と同様に水槽の半分に模型の水草を設置し、魚類Cは入れずに、ウシガエルまたはツチガエルのうち、どちらか一方のおたまじゃくしを5個体入れた。おたまじゃくしは全て同じ大きさの個体を用いた。環境に十分慣れさせた後、おたまじゃくしが水草のある側とない側のどちらにいたのかを15分間記録した。これを10回繰り返したところ、図5の結果が得られた。

野外調査と実験1・実験2との結果から考えられる、外来生物の駆除の影響に関する次の文章中の( ア )~( エ )に入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

魚類Cが両種のおたまじゃくしを選り好みなく捕食しているとき、実験2の結果から、実験1の結果は、両種のおたまじゃくしの( ア )の違いによって生じたことが示唆される。これら三つの種の捕食-被食関係のみで、野外調査の結果が説明できると仮定すると、魚類Cだけを駆除すると、( イ )が( ウ )の個体数を減らす影響を間接的に( エ )可能性がある。このように、すでに地域に定着している複数の外来生物の駆除を行う際には、他の生物への影響も考慮して、慎重に駆除の方法を決める必要がある。
問題文の画像
  • ア:遊泳能力  イ:ツチガエル  ウ:ウシガエル  エ:強める
  • ア:遊泳能力  イ:ツチガエル  ウ:ウシガエル  エ:弱める
  • ア:遊泳能力  イ:ウシガエル  ウ:ツチガエル  エ:強める
  • ア:遊泳能力  イ:ウシガエル  ウ:ツチガエル  エ:弱める
  • ア:居場所   イ:ツチガエル  ウ:ウシガエル  エ:強める
  • ア:居場所   イ:ツチガエル  ウ:ウシガエル  エ:弱める
  • ア:居場所   イ:ウシガエル  ウ:ツチガエル  エ:強める
  • ア:居場所   イ:ウシガエル  ウ:ツチガエル  エ:弱める

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

生態系に関する問題です。文章量が多く、やや難易度は高いですが、十分に整理することができれば解けない問題ではないので、一つずつ見ていきましょう。

 

まず空欄アを見ると、「両種のおたまじゃくしの(ア)の違いによって生じたことが示唆される。」とあります。つまり、おたまじゃくしの種類によって何か違いがあるようです。文章中のさらにその前の文に、「実験2の結果から、実験1の結果は」とありますから、まず実験2を見ます。

実験2はウシガエルとツチガエルが、水草のある条件下で、水草にどのくらいの割合の時間いたのかという実験を行っています。結果を見ると、ツチガエルのほうがウシガエルよりも長い時間水草の中にいたということがわかります。

ここで実験1を見ると、水草がある条件下で、ウシガエルとツチガエルのおたまじゃくしのいる水槽に捕食者を入れたところ、ウシガエルのおたまじゃくしのほうがより多く捕食されたということを示した実験です。

 

つまり、「水草にどのくらいの時間隠れたかを示した結果」から、「おたまじゃくしがどのくらい捕食されたかを示した結果」は、両種のおたまじゃくしの(ア)の違いによって生じたことが示唆される。ということが問題文の言いたいことだということがわかります。

当然、水草にいる時間の違いを遊泳能力の違いか居場所の違いかで表すとすれば、居場所の違い、ということになりますから、アは「居場所の違い」ということになります。

 

次にイとウ、そしてエについて考えます。イとウはツチガエルかウシガエルか、エはそのどちらかがもう片方の個体数を減らす働きが強くなるか弱くなるかを決める問題です。

前提条件として、捕食者はいなくなっています。捕食者がいなくなったということは、捕食者が本来捕食していたはずのおたまじゃくしは死ぬことなくカエルになるということになります。

アを考えるときに実験1の結果で、捕食される量はウシガエルのおたまじゃくしのほうが多いことがわかりました。つまり、捕食されない環境下では、ウシガエルのおたまじゃくし、またウシガエルの量が、捕食される環境下よりも多く存在することになります。

当然、ツチガエルの量も捕食されない分増加はしますが、ウシガエルのほうがより大きな増加をするので、本来ツチガエルのおたまじゃくしが得られるはずだった餌の量などは、捕食者がいる環境に比べて減ってしまいます。

よって、捕食者がいない環境下ではウシガエルが、ツチガエルの個体数を減らす働きが強くなります。

 

以上の解説から、適切な選択肢を選びます。

選択肢7. ア:居場所   イ:ウシガエル  ウ:ツチガエル  エ:強める

適切です。

まとめ

実験が二つ、さらにその考察の穴埋めとなると、どれだけ得意な人でも時間はかかってしまいます。

できることなら回答したい問題ですが、どうしても時間がない、他に時間をかけず解けそうな問題がある場合は、取捨選択をすることも時には重要です。

しかし、演習の時点では、自分でこの回答を導くことができるようにしておきましょう。

参考になった数0