共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問129 (生物(第2問) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問129(生物(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

栽培種のキクも、病原菌に感染することで枯れたり成長が抑制されたりすることがある。そこで、トランスジェニック植物の作製技術を用いて、キクに病原菌に対する抵抗性を付与する研究が進められている。その実験方法の一例として、手順1〜3がある。

手順1
薬剤Kの耐性遺伝子Xを組み込んだプラスミドを準備する。薬剤Kを与えると、遺伝子Xが導入されていない植物の細胞は増殖できないが、遺伝子Xが導入された植物の細胞は増殖することができる。cこのプラスミドに病原菌に対する抵抗性を付与する遺伝子YのDNAを組み込み、図3のプラスミドを作製する。なお、作製したプラスミドにおいて、遺伝子Xと遺伝子Yはいずれも転写調節領域とプロモーターに連結されており、それぞれの遺伝子は導入された植物細胞で発現する。

手順2
図3のプラスミドをアグロバクテリウムに導入する。このアグロバクテリウムを、輪切りにしたキクの茎の細胞に感染させる。その後、茎から多数の新たな芽(不定芽)を形成させる。これらの不定芽には、遺伝子Xと遺伝子Yの両方が導入されたものと、どちらも導入されていないものとがある。

手順3
d薬剤Kを含む培地で、手順2で得られた不定芽を培養する。その後、不定芽から植物体を再生させ、トランスジェニック植物を作製する。作製したトランスジェニック植物でe遺伝子Yが発現していることを確認する。

下線部dについて、トランスジェニック植物の作製過程で、この操作を行う理由として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 遺伝子Yが導入された細胞で、遺伝子Yの働きを適度に弱めるため。
  • 遺伝子Yが導入された細胞の分化を抑制し、導入されていない細胞の分化を促進するため。
  • 遺伝子Yが導入されていない細胞が、増殖しないようにするため。
  • 遺伝子Yが導入されていない細胞が、未分化な状態を維持するため。
  • 遺伝子Yが導入された細胞とされていない細胞を同程度に増殖させるため。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

アグロバクテリウムを用いてプラスミドを植物細胞に導入する操作の際には、プラスミドがきちんと組み込まれた細胞のみをより分ける作業が必要です。


下線部dでは、遺伝子Yと同時に遺伝子X(薬剤Kの耐性遺伝子)を組み込むことで、プラスミドが導入された細胞を、薬剤Kに対する耐性を獲得したかどうかで判別しています。
各選択肢をみていきましょう。

選択肢1. 遺伝子Yが導入された細胞で、遺伝子Yの働きを適度に弱めるため。

不適です。

遺伝子Yは病原菌への抵抗性に関わる遺伝子なので、薬剤Kに対する反応とは関係がありません

選択肢2. 遺伝子Yが導入された細胞の分化を抑制し、導入されていない細胞の分化を促進するため。

不適です。

薬剤Kに細胞の分化を抑制する働きがあるとは問題文には述べられていません

選択肢3. 遺伝子Yが導入されていない細胞が、増殖しないようにするため。

正解です。

薬剤Kへの耐性をもった細胞だけが、薬剤Kが含まれる培地で育つことができます。薬剤Kへの耐性を獲得していない=プラスミドが導入されていない細胞の増殖を抑え、プラスミドが導入された細胞のみ増やす操作です。

選択肢4. 遺伝子Yが導入されていない細胞が、未分化な状態を維持するため。

不適です。

薬剤Kに細胞の未分化状態を保つ働きがあるとは問題文には述べられていません

選択肢5. 遺伝子Yが導入された細胞とされていない細胞を同程度に増殖させるため。

不適です。

遺伝子Yが導入されていない細胞は薬剤Kへの耐性(遺伝子X)も持っていないため、薬剤Kが含まれる培地では増殖することができません。

参考になった数0

02

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があり、遺伝子Yも導入されていることがポイントです。

選択肢1. 遺伝子Yが導入された細胞で、遺伝子Yの働きを適度に弱めるため。

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があります。つまり、遺伝子Yの働きを適度に弱める効果はありません。

したがって、不正解です。

選択肢2. 遺伝子Yが導入された細胞の分化を抑制し、導入されていない細胞の分化を促進するため。

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があります。つまり、導入されていない植物の細胞の分化を促進する効果はありません。

したがって、不正解です。

選択肢3. 遺伝子Yが導入されていない細胞が、増殖しないようにするため。

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があります。また、遺伝子Xが導入された植物の細胞は、遺伝子Yも導入されています。

つまり、遺伝子Xが導入されていない細胞は、増殖しません。

したがって、正解です。

選択肢4. 遺伝子Yが導入されていない細胞が、未分化な状態を維持するため。

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があります。つまり、遺伝子Yが導入されていない植物の細胞を未分化な状態を維持する役割はありません。

したがって、不正解です。

選択肢5. 遺伝子Yが導入された細胞とされていない細胞を同程度に増殖させるため。

薬剤Kは、遺伝子Xが導入された植物の細胞を増殖する役割があります。また、遺伝子Xが導入された植物の細胞は、遺伝子Yも導入されています。

しかし、遺伝子Xが導入されていない植物の細胞は増殖できません。

したがって、不正解です。

参考になった数0