共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問140 (生物(第4問) 問4)
問題文
一般的に働きアリ(以下、アリ)は、餌を見つけると、腹部から分泌される道標(みちしるべ)aフェロモンを地面に付けながら、巣と餌場との間を往復して餌を運ぶ。同じ巣のほかのアリが、これをたどりながら巣と餌場の行き来を繰り返すと、徐々にアリの行列ができる。アリの行列の形成過程における道標フェロモンの役割を調べるため、実験1・実験2を行った。
実験1
アリの巣と餌場との間を、図1のような二つの通路(通路A,通路B)でつないだ。しばらくすると、アリの行列が観察された。条件Ⅰでは通路Aと通路Bの長さを同じにし、条件Ⅱでは通路Aよりも通路Bを長くした。実験開始から30分経過した後に、通路Aと通路Bを通行しているアリの数を10分間記録した。条件Ⅰと条件Ⅱで各20回の試行を行い、両通路のうち通路Aを通行しているアリの割合が0―20%、20―40%、40―60%、60―80%、80―100%であることが観察された回数をそれぞれ数えたところ、表1の結果が得られた。図2は、条件Ⅰでの通路Aの通行率と、そのときの通路上のアリの分布の例を示したものである。なお、実験中のアリは巣と餌場の周囲以外では通路上のみを通行できるものとする。
下線部aに関連して、生物が体外に放出する化学物質の働きに関する次の記述のうち、フェロモンの働きとして誤っているものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問140(生物(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
一般的に働きアリ(以下、アリ)は、餌を見つけると、腹部から分泌される道標(みちしるべ)aフェロモンを地面に付けながら、巣と餌場との間を往復して餌を運ぶ。同じ巣のほかのアリが、これをたどりながら巣と餌場の行き来を繰り返すと、徐々にアリの行列ができる。アリの行列の形成過程における道標フェロモンの役割を調べるため、実験1・実験2を行った。
実験1
アリの巣と餌場との間を、図1のような二つの通路(通路A,通路B)でつないだ。しばらくすると、アリの行列が観察された。条件Ⅰでは通路Aと通路Bの長さを同じにし、条件Ⅱでは通路Aよりも通路Bを長くした。実験開始から30分経過した後に、通路Aと通路Bを通行しているアリの数を10分間記録した。条件Ⅰと条件Ⅱで各20回の試行を行い、両通路のうち通路Aを通行しているアリの割合が0―20%、20―40%、40―60%、60―80%、80―100%であることが観察された回数をそれぞれ数えたところ、表1の結果が得られた。図2は、条件Ⅰでの通路Aの通行率と、そのときの通路上のアリの分布の例を示したものである。なお、実験中のアリは巣と餌場の周囲以外では通路上のみを通行できるものとする。
下線部aに関連して、生物が体外に放出する化学物質の働きに関する次の記述のうち、フェロモンの働きとして誤っているものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- カイコガのメスが、オスを誘引する。
- ミツバチのコロニーにおいて、女王バチが、働きバチの性成熟を抑制する。
- チャバネゴキブリが、ほかの個体を誘引して群れを形成する。
- 同じ巣のアリどうしが、同じコロニーの仲間であることを伝える。
- 巣への侵入者を発見したミツバチが、コロニーの仲間に警戒を促す。
- アブラムシが、アリを誘引する。
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この過去問の解説 (3件)
01
フェロモンとは、動植物や微生物が体外に分泌し、同種の他の個体に行動変化や生理的変化を及ぼす物質です。
フェロモンに当てはまらない例を選択肢から選びましょう。
フェロモンです。
カイコガのメスは性フェロモンを放出し、オスを誘引します。
フェロモンです。
女王バチはフェロモンによって、働きバチの性抑制(メスである働きバチが産卵しないようにする)を行い、群れの階級を維持しています。
フェロモンです。
チャバネゴキブリは集合フェロモンをだして、仲間を集めます。
フェロモンです。
アリは巣仲間識別フェロモンで、同じ巣の仲間を見分けています。
フェロモンです。
ミツバチは警報フェロモンをだして、仲間に危険を知らせます。
フェロモンではありません。※問題の答えはこの選択肢です。
フェロモンは同種間で働く物質です。異種間で働くものはアレロケミカルといいます。アブラムシは甘い汁(甘露)を分泌して、アリを集めます。
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02
この問題は、フェロモンの働きと、異なる種の個体間で働く化学物質との違いを理解しているかを問う問題です。
適切でないものを選ぶことに注意しましょう。
適当なため、正解ではありません。
フェロモンは、同じ種の個体間で情報を伝達する化学物質です。
カイコガのメスは性フェロモンを放出し、同種のオスを誘引して交尾相手を見つけます。
したがって、この記述は正しいため、正解ではありません。
適当なため、正解ではありません。
女王バチはフェロモンを分泌し、働きバチの卵巣の発達を抑制して性成熟を防いでいます。
これは同種の個体間で作用するフェロモンの例です。
したがって、この記述は正しいため、正解ではありません。
適当なため、正解ではありません。
チャバネゴキブリは集合フェロモンを放出し、同種の個体を誘引して群れを形成します。
したがって、この記述は正しいため、正解ではありません。
適当なため、正解ではありません。
アリは体表の化学物質によって仲間を識別しています。
このような化学物質も、同種の個体間で情報を伝えるフェロモンです。
したがって、この記述は正しいため、正解ではありません。
適当なため、正解ではありません。
ミツバチは警報フェロモンを放出し、同じコロニーの仲間に危険を知らせて防衛行動を促します。
したがって、この記述は正しいため、正解ではありません。
不適なため、正解です。
フェロモンは、同じ種の個体間で情報を伝える化学物質です。
一方、アブラムシが分泌する物質によってアリが誘引される現象は、異なる種の間で作用する化学物質によるものです。
そのため、これはフェロモンではありません。
したがって、この記述は誤りのため、正解となります。
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03
フェロモンとは、動物や植物、微生物が体外に分泌し、同種の他個体の行動や生理状態に特定の変化を促す化学物質のことです。
メスがフェロモンを分泌し、同種のオスに繁殖行動を促します。したがって、正解です。
女王バチがフェロモンを分泌し、働きバチの性腺発達を抑えます。したがって、正解です。
ゴキブリはフェロモンを分泌することで、行動誘導を行います。したがって、正解です。
アリはフェロモンによって、仲間を認識しています。したがって、正解です。
ミツバチはフェロモンを分泌することで、仲間に危険を知らせます。したがって、正解です。
同種の他個体の行動や生理状態に特定の変化ではありません。したがって、不正解です。
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