大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問144 (生物(第5問) 問3)
問題文
a被子植物は、植物の中で最も多様化している。この理由の一つは、動物を利用することで花粉をほかの個体の柱頭へと付着させ、b有性生殖によって子孫を残す効率を高めることができる仕組みを獲得したためである。例えば、被子植物に見られる多様な花の色や模様は、花粉を運ぶ動物(送粉者)に花の存在や、餌となる蜜や花粉のありかを知らせることで、送粉者を効率よく誘引することに役立つ特徴である。
被子植物の主要な送粉者である昆虫は、ヒトが感知できない花の色や模様を目印に訪花する。これは、ヒトと昆虫とではc視細胞の発生過程が異なるだけでなく、d昆虫は紫外線を感知できる視細胞を持つためである。このように、私たちヒトが感知できない情報のやり取りも、生物の多様化に関与している。
下線部cに関連して、ショウジョウバエの眼は、複数の個眼から構成される複眼であり、各個眼には視細胞としてR1〜R8の光受容細胞が1個ずつある。8個の光受容細胞はR1〜R6、R7、R8の3種類に大別され、それぞれ異なる波長の光に反応する。遺伝子Xが働かない変異体Xと、遺伝子Yが働かない変異体Yでは、R1〜R6とR8は正常に分化するが、R7は分化しなくなる。遺伝子Xと遺伝子Yに関する次の考察を導くための実験として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
将来R7になる細胞において遺伝子Xからつくられるタンパク質Xが、R8において遺伝子Yからつくられるタンパク質Yの受容体として働き、R7の分化が誘導される。
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問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問144(生物(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
a被子植物は、植物の中で最も多様化している。この理由の一つは、動物を利用することで花粉をほかの個体の柱頭へと付着させ、b有性生殖によって子孫を残す効率を高めることができる仕組みを獲得したためである。例えば、被子植物に見られる多様な花の色や模様は、花粉を運ぶ動物(送粉者)に花の存在や、餌となる蜜や花粉のありかを知らせることで、送粉者を効率よく誘引することに役立つ特徴である。
被子植物の主要な送粉者である昆虫は、ヒトが感知できない花の色や模様を目印に訪花する。これは、ヒトと昆虫とではc視細胞の発生過程が異なるだけでなく、d昆虫は紫外線を感知できる視細胞を持つためである。このように、私たちヒトが感知できない情報のやり取りも、生物の多様化に関与している。
下線部cに関連して、ショウジョウバエの眼は、複数の個眼から構成される複眼であり、各個眼には視細胞としてR1〜R8の光受容細胞が1個ずつある。8個の光受容細胞はR1〜R6、R7、R8の3種類に大別され、それぞれ異なる波長の光に反応する。遺伝子Xが働かない変異体Xと、遺伝子Yが働かない変異体Yでは、R1〜R6とR8は正常に分化するが、R7は分化しなくなる。遺伝子Xと遺伝子Yに関する次の考察を導くための実験として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
将来R7になる細胞において遺伝子Xからつくられるタンパク質Xが、R8において遺伝子Yからつくられるタンパク質Yの受容体として働き、R7の分化が誘導される。
- タンパク質Xが細胞のどこに存在するかを調べる。
- 遺伝子XのmRNAがどの細胞で転写されているかを調べる。
- 遺伝子Xの発現をどの細胞で阻害したら、R7が分化しなくなるかを調べる。
- 遺伝子Yの発現をどの細胞で阻害したら、R7が分化しなくなるかを調べる。
- タンパク質Xが遺伝子Yの転写調節領域に結合するかを調べる。
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