共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問145 (生物(第5問) 問4)
問題文
次の文章を読み、後の問いに答えよ。
a被子植物は、植物の中で最も多様化している。この理由の一つは、動物を利用することで花粉をほかの個体の柱頭へと付着させ、b有性生殖によって子孫を残す効率を高めることができる仕組みを獲得したためである。例えば、被子植物に見られる多様な花の色や模様は、花粉を運ぶ動物(送粉者)に花の存在や、餌となる蜜や花粉のありかを知らせることで、送粉者を効率よく誘引することに役立つ特徴である。
被子植物の主要な送粉者である昆虫は、ヒトが感知できない花の色や模様を目印に訪花する。これは、ヒトと昆虫とではc視細胞の発生過程が異なるだけでなく、d昆虫は紫外線を感知できる視細胞を持つためである。このように、私たちヒトが感知できない情報のやり取りも、生物の多様化に関与している。
下線部dに関連して、野生型のショウジョウバエと前問の変異体Y(参考:前問へのリンク)を用いて、実験1を行った。後の記述d〜fのうち、実験1の結果から導かれる、ショウジョウバエの光走性と光受容細胞に関する考察はどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験1
暗所において、図1のように、透明な容器の中心に野生型または変異体Yを入れ、光を照射せずに1分間放置したところ、どちらも容器全体に一様に広がった。次に、容器に一定の可視光や紫外線を照射して1分間放置したところ、ショウジョウバエの分布は図2のようになった。
d 紫外線に対する正の光走性には、R7が紫外線に反応することが必要である。
e R7が分化しないと、紫外線に対して負の光走性を示す。
f 可視光に対する正の光走性には、R1〜R8の全てが分化する必要がある。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問145(生物(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読み、後の問いに答えよ。
a被子植物は、植物の中で最も多様化している。この理由の一つは、動物を利用することで花粉をほかの個体の柱頭へと付着させ、b有性生殖によって子孫を残す効率を高めることができる仕組みを獲得したためである。例えば、被子植物に見られる多様な花の色や模様は、花粉を運ぶ動物(送粉者)に花の存在や、餌となる蜜や花粉のありかを知らせることで、送粉者を効率よく誘引することに役立つ特徴である。
被子植物の主要な送粉者である昆虫は、ヒトが感知できない花の色や模様を目印に訪花する。これは、ヒトと昆虫とではc視細胞の発生過程が異なるだけでなく、d昆虫は紫外線を感知できる視細胞を持つためである。このように、私たちヒトが感知できない情報のやり取りも、生物の多様化に関与している。
下線部dに関連して、野生型のショウジョウバエと前問の変異体Y(参考:前問へのリンク)を用いて、実験1を行った。後の記述d〜fのうち、実験1の結果から導かれる、ショウジョウバエの光走性と光受容細胞に関する考察はどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験1
暗所において、図1のように、透明な容器の中心に野生型または変異体Yを入れ、光を照射せずに1分間放置したところ、どちらも容器全体に一様に広がった。次に、容器に一定の可視光や紫外線を照射して1分間放置したところ、ショウジョウバエの分布は図2のようになった。
d 紫外線に対する正の光走性には、R7が紫外線に反応することが必要である。
e R7が分化しないと、紫外線に対して負の光走性を示す。
f 可視光に対する正の光走性には、R1〜R8の全てが分化する必要がある。
- d
- e
- f
- d,e
- d,f
- e,f
- d,e,f
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この過去問の解説 (3件)
01
まず、変異体Yを確認しましょう。
前問より、変異体Yでは、
・R1~R6、R8→正常に分化する
・R7→分化しない
という特徴があります。
つまり、野生型と変異体Yを比べれば、R7がないことによって、光に対する行動がどう変化するかを調べることができます。
<実験1から分かること>
実験では、可視光と紫外線をそれぞれ当てています。
結果を整理すると、
・可視光:野生型も変異体Yも、光の方向に集まる→どちらも正の光走性。
・紫外線:野生型は光の方向に集まるが、変異体Yではその反応が見られない。
野生型と変異体Yの違いは、「R7があるかないか」です。
したがって、紫外線に対する反応の違いは、R7の有無と関係していると考えられます。
<dについて>
野生型にはR7があり、紫外線に対して正の光走性を示します。
一方、変異体YではR7が分化しておらず、紫外線に対する正の光走性が見られません。
つまり、「R7がない=紫外線に対する正の光走性が起こらない」という結果から、R7が紫外線の受容に関わっていると考えられます。
よって、dは適当と言えます。
<eについて>
変異体Yは、紫外線に対して正の光走性を示さなくなったのであって、負の光走性を示したわけではありません。
「正の光走性が無くなる=負の光走性になる」
というわけではありません。
よって、eは不適当と言えます。
<fについて>
変異体Yでは、R7が分化していません。
それにもかかわらず、変異体Yは可視光に対して正の光走性を示しています。
つまり、R7がなくても可視光に反応できるということです。
可視光に対する正の光走性にR1~R8のすべてが必要なわけではありません。
よって、fは不適当と言えます。
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02
この問題は、光受容細胞の一部が分化しない変異体を用いた実験結果から、各光受容細胞の働きと、光刺激に対するショウジョウバエの行動との関係を考察する問題です。
図2の結果を整理すると、次のようになります。
【dの解説】正しい
野生型は紫外線に向かって移動していますが、R7が分化しない変異体Yでは、紫外線だけを照射しても一様に分布しています。
つまり、紫外線に対する正の光走性には、R7が必要であると考えられます。
【eの解説】正しくない
負の光走性であれば、紫外線から離れるはずです。
しかし、変異体Yは紫外線だけを照射した場合、一様に分布しています。
つまり、紫外線を避けているわけではありません。
【fの解説】正しくない
変異体YではR7が分化していません。
それにもかかわらず、可視光に対しては正の光走性を示しています。
したがって、可視光に対する正の光走性にR1~R8のすべてが必要とはいえません。
正解です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
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03
ショウジョウバエの変異体Yは、視細胞のR7が欠損しています。
実験Ⅰの結果から選択肢の内容が正しいかみていきましょう。
【実験Ⅰの結果から分かること】
・変異体Yは紫外線への正の光走性を示さない。
・変異体Yは野生型と同じく、可視光に正の光走性がある。
・野生型では、可視光より紫外線の方に強い光走性があるが、変異体Yは可視光の方に強い光走性が見られる。
【d】正解です。
変異体Yは紫外線に対する正の光走性が失われることから、R7が紫外線の受容に関わると考えられます。
【e】不適です。
変異体Yは紫外線に対して正の光走性を示しませんが、負の光走性も認められません。
【f】不適です。
変異体Yも可視光に対して正の光走性をもつため、R7がなくても可視光の受容はできると考えられます。
よって答えは、dとなります。
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