共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問151 (生物(第6問) 問1)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問151(生物(第6問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

ヒトの明るさの感じ方は、周囲の情報に影響されることがある。例えば、図1の矢印の位置の帯状の領域の濃さは均一であるが、左側はより明るく、右側はより暗く感じられる。これは、その上下の領域との濃さの違いに影響されたためであり、光が光受容細胞で受容されて生じた信号が、そのまま脳に伝えられるのではなく、網膜の中にある神経回路で処理されてから、脳に伝えられることに起因する。
ほかの動物でも、外界の刺激は受容器で受け取られて、電気信号に変換され、神経回路で処理されることで感覚が生じる。例えば、小さな個眼が集合した複眼を持つカブトガニでは、個眼内の光受容細胞が受容した光刺激は、電気信号に変換される。そして、個眼どうしを結んだ神経回路によって処理された後に、視神経を介して脳に伝えられる。(a)個眼どうしを結んだ神経回路の働きを調べるため、実験1を行った。

実験1
カブトガニの複眼を取り出して、個眼aへの光照射に対する視神経Aの興奮(活動電位が生じること)を調べた。それぞれの個眼から伸びる視神経は、中枢に向かって興奮を伝えると同時に、隣接する個眼を興奮しにくくするように抑制する(図2)。個眼aのみに様々な強さの光を照射したとき、視神経Aの興奮の頻度を計測したところ、図3の結果が得られた。なお、個眼a以外の個眼を用いても、同様の結果が得られた。

実験1を踏まえて、個眼aには一定の強さの光(相対値4)を照射しつつ、さらに隣接する個眼bにも光を照射する実験を行った。個眼bに照射する光の強さを変化させたとき、視神経Aの興奮の頻度はどのように変化すると予測されるか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

図3のグラフは直線的で一次関数的にとらえられることがわかります。

 

ここで疑似的に興奮の頻度=光刺激量×興奮定数ー抑制量とすると、今回の興奮定数は(60-30)/(6-4)=15となります。

今a以外に照射されていないことから周りからの抑制はないので、抑制量は基底抑制量(全か無かの法則における閾値的な値)は30です。

 

aのみを刺激した場合に

興奮の頻度=15×(個眼aに対する光刺激量)-30

とわかります。

 

もし、ここにbへの刺激を加えたら『なお、個眼a以外の個眼を用いても、同様の結果が得られた。』より、抑制量αが個眼bへの光刺激に比例するようにかかります。

aに対する刺激量一定にする条件から

 

興奮の頻度=(a固有の興奮の頻度)-α

α=β(光刺激量×興奮定数ー抑制量)

β:定数

 

つまり図3のグラフを光の強さに関する軸の周りで180°回転させた形でそれを平行移動することで作れたらいいです。

※便宜上、言葉を式にしているだけで、興奮量、基底抑制量、刺激量、興奮定数という用語は存在しません。

選択肢4. 解答選択肢の画像

よってこの選択肢が正解。

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02

この問題のポイントは側方抑制です。

問題文より、カブトガニ複眼では、ある個眼が興奮すると隣の個眼の興奮を抑える働きがあります。

 

個眼aは光の強さは一定、個眼bは光の強さを変化させます。aがbを抑制、同時にbもaを抑制します。従って、bが強く刺激されるほどaはより強く抑えられることになります。

 

つまり、個眼bに当てる光を強くするほど個眼aの興奮頻度は低下する結果となります。

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03

まず、問題文を整理しましょう。この問題文は、ヒトの目は明るさを感じているのではなく、

・周りが暗いと明るく見える。

・周りが明るいと暗く見える。

という、周囲との比較で明るさが決まることがあると述べています。

これは、目で受け取った光の情報がそのまま脳に送られるのではなく、網膜で編集された情報が脳に送られていることを意味しています。

また、これはヒトの目だけに限りません。外界の刺激を受け、電気信号に変換され、神経回路で処理をし、脳に送るという流れは、他の動物でも同様です。

 

次に実験1を見ていきましょう。

実験1では、カブトガニの複眼を用いて、個眼同士の神経回路による影響を調べるための基礎データとして、個眼a単独の反応を明らかにすることを目的としています。

実験1では、個眼aに様々な強さの光を照射したところ、光の強さが弱い時は視神経Aの興奮頻度は低く、光の強さが強くなるにつれて興奮頻度は増加しました。このことから、個眼aは光刺激の強さを興奮頻度の変化として表している事が分かります。

 

実験1で、個眼aは光の強さに応じて視神経Aの興奮頻度を増加させることが分かりました。一方、カブトガニの複眼では、各個眼は興奮すると隣接する個眼の働きを抑制する神経回路をもつことが知られています。そこで、個眼aに一定の強さ(相対値4)の光を照射しつつ、隣接する個眼bにも光を当てると、個眼bが興奮することで個眼aに対する抑制が生じると考えられます。そのため、個眼bに照射する光の強さが強くなるほど、個眼aはより強い抑制を受け、視神経Aの興奮頻度は低下すると考えられます。

よって、個眼bへの光刺激が強いほど、視神経Aの興奮頻度が減少するグラフが正しいといえます。

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