共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問113 (生物(第1問) 問1)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問113(生物(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

個体を構成する様々な細胞は、(a)生体膜に存在するタンパク質を介して情報を受け取り、体内環境を維持する。例えば免疫細胞は、体内に侵入した(b)異物を認識し、排除する。特定の免疫細胞は、異物に含まれるタンパク質の断片と(c)MHC分子(MHC抗原)との複合体を認識して、その異物に特異的な情報を受け取る。

下線部(a)について、この例として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質
  • 複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質
  • 鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質
  • 解糖系において、触媒として働くタンパク質
  • ミトコンドリアにおいて、Hの濃度勾配を利用してATPを合成するタンパク質

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この過去問の解説 (3件)

01

各選択肢のタンパク質が局在している区画や役割を確認する問題です。

選択肢1. DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質

選択肢が示すタンパク質は「ヒストン」です。

真核生物の細胞核では、塩基性アミノ酸を豊富に含むことで正に帯電しているヒストンに、負に帯電しているDNAが強く巻き付くことでヌクレオソームが形成されます。

形成されたヌクレオソームは粒状構造となり、連続して連なることで紐状に並んだビーズのような構造状態になります。

この状態がさらに螺旋状に巻かれたり折りたたまれたりすることで、最終的に染色体へまとめられていきます。

選択肢2. 複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質

選択肢が示すタンパク質は「ヘモグロビン」です。

赤血球に含まれるヘモグロビンは、4つのポリペプチド鎖(サブユニット)によって構成されています。

サブユニットは、2本のαグロビン鎖と2本のβグロビン鎖で構成されており、それぞれのグロビン鎖には「ヘム」が含まれています。

ヘムの中心には鉄が含まれているため、ヘモグロビンは赤色に見えます。

選択肢3. 鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質

選択肢が示すタンパク質は「ダイニン」です。

鞭毛や繊毛の内部には、微小管と呼ばれる細胞骨格が含まれています。

この微小管の上をモータータンパク質であるダイニンが動くことで、微小管同士のスライドが生じます。

結果として、鞭毛や繊毛の屈曲運動が起こります。

選択肢4. 解糖系において、触媒として働くタンパク質

選択肢が示すタンパク質は「解糖系酵素」です。

細胞基質内で行われる解糖系は、グルコースをピルビン酸に分解してATPを取り出す代謝経路です。

この経路の反応には、各段階で特定の代謝酵素(タンパク質)が触媒として働きます。

選択肢5. ミトコンドリアにおいて、Hの濃度勾配を利用してATPを合成するタンパク質

選択肢が示すタンパク質は「ATP合成酵素」です。

ATP合成酵素は、ミトコンドリア内膜に存在する酵素です。

電子伝達系によって作られたHの濃度勾配に従って、Hが酵素の内部を通過します。

H+が通過する際のエネルギーを利用して、ADPとリン酸からATPを合成します。

まとめ

この問題では、「生体膜に存在するタンパク質」という記述から局在する区画が、「情報を受け取り」という記述から役割が推測できます。

これらの記述から、「細胞の内側と外側のH+の濃度勾配を利用してATPを合成する、ミトコンドリアのATP合成酵素」という正答を導くことができます。

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02

生体膜はリン脂質の二重層とタンパク質から構成されます。

選択肢1. DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質

DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質とはヒストンのことであり、生体膜にあるタンパク質とは無関係です。

選択肢2. 複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質

複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質とは、ヘモグロビンのことです。これは生体膜にあるタンパク質と無関係です。

選択肢3. 鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質

鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質とはキネシンやダイニンのことです。

選択肢4. 解糖系において、触媒として働くタンパク質

解糖系で触媒として働くタンパク質は生体膜に存在しません。

選択肢5. ミトコンドリアにおいて、Hの濃度勾配を利用してATPを合成するタンパク質

ミトコンドリアにおいて、Hの濃度勾配を利用してATPを合成するタンパク質とはATP合成酵素のことです。よって正しいです。

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03

「生体膜に存在するタンパク質」は、つまり、「細胞膜に埋まっている膜タンパク質」のことです。ここから回答をみていくと、「ミトコンドリアにおいて、Hの濃度勾配を利用してATPを合成するタンパク質」は細胞膜に存在するATP合成酵素と考えられます。

選択肢1. DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質

DNAと結合して、ヌクレオソームを形成するタンパク質は、核内で機能しているタンパク質と考えられます。

選択肢2. 複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質

複数のポリペプチドにより構成され、酸素を運搬するタンパク質は、ヘモグロビンと考えられます。ヘモグロビンは血液中で機能しており、細胞膜で機能していません。

選択肢3. 鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質

鞭毛(べんもう)や繊毛において、屈曲に働くタンパク質は、ダイニンやキネシンなどが挙げられます。ダイニン・キネシンは細胞膜で機能していません。

選択肢4. 解糖系において、触媒として働くタンパク質

解糖系において、触媒として働くタンパク質は酵素が挙げられます。酵素は細胞膜で機能していません。

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