共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問46 (生物基礎(第2問) 問3)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問46(生物基礎(第2問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

ヒトの体内環境の維持に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

血液の重要な役割として組織への酸素の供給がある。図1の酸素解離曲線を使って、(a)組織が血液から受け取ることのできる酸素の量が計算できる。体重60〜70kgのヒトの体内では約5Lの血液が循環している。安静時には、1分間当たり約5Lの血液が、体循環として心臓から全身の組織に送り出される。ただし、1gのヘモグロビンは最大1.4mL(気体換算)の酸素と結合できるものとする。

下線部(a)について、ある個体において1分間に全身の組織が受け取ることのできる酸素の量は、血液1L中に含まれるヘモグロビン量(g)をHとすると、次の式で求められる。

1分間に全身の組織が受け取ることのできる酸素の量(mL:気体換算)
=H✕([ ア ]/100)✕( イ )✕( ウ )

ヘモグロビンによる酸素の運搬に関する記述として適当でないものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 組織に送り出される酸素の量は、安静時よりも運動時のほうが多い。
  • 酸素の運搬量は、肺胞における酸素の供給量により変化する。
  • 大気中よりも高い濃度の酸素を吸入することで、肺胞での酸素ヘモグロビンの割合を増やすことができる。
  • 組織から肺胞に戻ってきたヘモグロビンは、酸素を一度全て解離する。
  • 組織における酸素濃度が同一の場合は、二酸化炭素濃度が高いほうが、ヘモグロビンは酸素を解離しやすくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、問題文とグラフを読み取れているか、計算式を正確に理解できているか、肺胞の基本的な性質を理解できているかがポイントとなります。

まず基本情報として、肺胞とは呼吸によって得られた酸素を血液中に送り、組織から集まった二酸化炭素を体外に放出するガス交換の働きがあります。

選択肢1. 組織に送り出される酸素の量は、安静時よりも運動時のほうが多い。

この選択肢は正しいです。

運動時には心拍数が高くなることにより、1分間あたりに送り出される血液の量が増加するため、送り出される酸素の量も多くなるからです。

選択肢2. 酸素の運搬量は、肺胞における酸素の供給量により変化する。

この選択肢は正しいです。

呼吸によってどれだけの酸素が得られたか(肺胞に吸収されたか)によって、全身に送り出される酸素の運搬量が変わります。

選択肢3. 大気中よりも高い濃度の酸素を吸入することで、肺胞での酸素ヘモグロビンの割合を増やすことができる。

この選択肢は正しいです。

グラフを確認すると、酸素濃度100の時の酸素ヘモグロビンの量は96%であり、ほぼ限界値ではありますが、高濃度酸素条件下ではより効率的にヘモグロビンと結びつき、血液そのものに溶け込む酸素の量が増加します。

選択肢4. 組織から肺胞に戻ってきたヘモグロビンは、酸素を一度全て解離する。

この選択肢は誤りのため、解答としては正解です。

組織を通過した後、つまり二酸化炭素濃度が高い条件下での酸素ヘモグロビンの量は、グラフを見ると、酸素濃度が30の時にも30%残っています。よって、すべての酸素を手放すわけではないため誤りです。

選択肢5. 組織における酸素濃度が同一の場合は、二酸化炭素濃度が高いほうが、ヘモグロビンは酸素を解離しやすくなる。

この選択肢は正しいです。

グラフを見ると、例えば酸素濃度が30の時、二酸化炭素濃度が高い方が、酸素ヘモグロビンの割合が少なくなっています。これは、その分組織に酸素を手放していると言えるため、酸素を解離しやすくなっていると言えます。

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02

この問題は血液中のヘモグロビンがどのように酸素を運び、全身の組織に届けているかを理解できているかどうかを問われている問題です。

適当でない答えを選択する問題ですので、正誤の判断を間違えないように注意して答えをマークしましょう。

選択肢1. 組織に送り出される酸素の量は、安静時よりも運動時のほうが多い。

この記述は正しいです。

 

運動すると筋肉はエネルギーを消費するため、酸素が必要になります。

さらに心臓が早く鼓動し、1分間に流れる血液量自体が増加するので、運動時、組織に送り出される酸素の量は増加します。

選択肢2. 酸素の運搬量は、肺胞における酸素の供給量により変化する。

この記述は正しいです。

 

肺胞に酸素の供給量(例えるなら「酸素の在庫」)が少なければ、ヘモグロビンに運んでもらう酸素が少なくなってしまうため、結果的に全身に運べる酸素の量が減ってしまいます。

選択肢3. 大気中よりも高い濃度の酸素を吸入することで、肺胞での酸素ヘモグロビンの割合を増やすことができる。

この記述は正しいです。

 

グラフを見ると酸素濃度100の時、酸素ヘモグロビンの割合は「96%」と示されていて、まだ4%の空きがあります。

例えばここで酸素マスクなどで濃い酸素を吸入すれば、ヘモグロビンの割合を100%に近づけることが可能です。

選択肢4. 組織から肺胞に戻ってきたヘモグロビンは、酸素を一度全て解離する。

この記述は誤りです。

 

グラフより、組織での酸素ヘモグロビンの割合は「30%」と読み取ることが出来ます。

これは「30%のヘモグロビンは酸素を組織に届けずに肺胞に戻っていく」ことを表しています。

したがって「酸素を一度全て解離する」は間違いであることが分かります。

選択肢5. 組織における酸素濃度が同一の場合は、二酸化炭素濃度が高いほうが、ヘモグロビンは酸素を解離しやすくなる。

この記述は正しいです。

 

グラフ横軸・酸素濃度30のところを見てみましょう。

二酸化炭素濃度が低いとき(60%)よりも二酸化炭素濃度が高いとき(30%)の方が酸素ヘモグロビンの割合が下がっています。

この酸素ヘモグロビンの割合が下がるというのは「それだけ多くの酸素を組織に届けた」という意味を表しています。

まとめ

・ヘモグロビン・・・酸素を運搬する宅配トラック

・酸素・・・宅配トラックに積載する荷物

・二酸化炭素濃度の低い曲線・・・二酸化炭素が少ない道路

・二酸化炭素濃度の多い曲線・・・二酸化炭素が多い道路

 

以上のようなイメージでヘモグロビンによる酸素の運搬をイメージすると覚えやすいです。

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