共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問53 (生物基礎(第3問) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問53(生物基礎(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

植生の遷移と生態系のバランスに関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

ヒビキさんとイブキさんは、生態系のバランスについて話し合った。

ヒビキ:ラッコがいなくなると、ウニが増えて海藻の林が消滅しちゃうんだって。ラッコみたいに(c)生態系のバランスを保つのに重要な役割を果たしている捕食者を、キーストーン種っていうそうだよ。
イブキ:教科書では、海岸のヒトデがキーストーン種の例になっているよ。ヒトデを取り除くと、岩礁はイガイっていう二枚貝で一面覆われちゃうんだって。
ヒビキ:へー、そうなんだね。そういえば、日本のトキは、中国から再導入されて今は増えてきているけれど、一度絶滅した鳥だよね。トキが絶滅したことで生態系のバランスは変化したのかな。
イブキ:少なくとも、再導入の前後で生態系のバランスが変化したっていう話は聞かないね。
ヒビキ:(d)ヒトデとトキとで、生態系への影響が違う理由は何だろう。

下線部(c)に関連して、生態系における物質の循環やエネルギーの流れに関する記述として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
  • 物質は、陸上の生態系と水界の生態系との間でも循環する。
  • 動物は、体外から取り入れた無機窒素化合物から有機窒素化合物を合成できる。
  • 炭素は、生物と生物の間でのみ循環する。
  • 有機物の分解により生じた熱エネルギーは、再び化学エネルギーに変換され、生態系内を循環する。
  • 生態系内のエネルギーは、最終的に生態系外(宇宙空間)に放出される。
  • 生態系に入ってきた光エネルギーは、全て化学エネルギーに変換される。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、生態系における物質の循環とエネルギーの循環をそれぞれ理解できているかがポイントとなります。正しい文章を2つ選択するという点にも注意しましょう。

選択肢1. 物質は、陸上の生態系と水界の生態系との間でも循環する。

この選択肢は正しいです。

例えば、陸上の生物の分解によって生じた窒素やリンなどの養分が、土壌に染み込み川を流れ、海の栄養となることもあります。そのため、陸上の生態系と水界の生態系は循環すると言えます。

選択肢2. 動物は、体外から取り入れた無機窒素化合物から有機窒素化合物を合成できる。

この選択肢は誤りです。

無機窒素化合物を吸収して有機窒素化合物を合成できるのは植物の働きと言えます。

選択肢3. 炭素は、生物と生物の間でのみ循環する。

この選択肢は誤りです。

炭素は生物間以外にも、生物が生息する環境、つまり大気や海、土壌の間を循環しています。例えば、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、植物は光合成をすることで炭素を有機物に変換しています。それを動物が体内に取り入れ、分解し、土壌に炭素が蓄積されたり、呼吸として大気に放出されたりします。

選択肢4. 有機物の分解により生じた熱エネルギーは、再び化学エネルギーに変換され、生態系内を循環する。

この選択肢は誤りです。

これはよく出題される問題です。基本的に自然界の生態系内で生成された熱エネルギーは大気に放出されます。熱エネルギーを集めて化学エネルギーに変換する生物は存在しないため、この文章は誤りと言えます。

選択肢5. 生態系内のエネルギーは、最終的に生態系外(宇宙空間)に放出される。

この選択肢は正しいです。

生態系内のエネルギーは、太陽光の光エネルギーから始まり、植物によって光合成が行われ、動物、分解者から最終的に熱エネルギーとなり、宇宙空間に放出されます。エネルギーは一方向に流れるだけで循環はしません。

選択肢6. 生態系に入ってきた光エネルギーは、全て化学エネルギーに変換される。

この選択肢は誤りです。

生態系に入ってきた光エネルギー、つまり太陽光を吸収できるのは植物だけですが、吸収できる波長とできない波長があります。また、地面への反射、水に吸収されるなどによって化学エネルギーに変換されない光エネルギーが多く存在します。

参考になった数0

02

この問題でおさえるべきポイントは・・・

「地球上の物質は循環するが(使い回せるが)、エネルギーは一方通行である」というルールが理解できているかという点です。

それぞれ選択肢を確認していきましょう。

選択肢1. 物質は、陸上の生態系と水界の生態系との間でも循環する。

これは正解です。

 

川や海の魚をクマが食べるように、陸の落葉や土の栄養は川に流れ込みます。

これは陸上の生態系と水界の生態系の間でグルグルと栄養(物質)が循環していると言えるので、この選択肢は正解になります。

選択肢2. 動物は、体外から取り入れた無機窒素化合物から有機窒素化合物を合成できる。

これは誤りです。

動物はご飯(有機物)を食べて、タンパク質などの有機窒素を作り出します。

 

無機窒素・・・肥料や空気中にあるチリのようなもの

 

 

選択肢3. 炭素は、生物と生物の間でのみ循環する。

これは誤りです。

生物間のみの部分が誤りになります。

代表的な炭素といえば「二酸化炭素」です。私たちは呼吸をするときに空気と二酸化炭素のやり取りをしています。生き物同士で循環させているわけではないので、この選択肢は誤りになります。

選択肢4. 有機物の分解により生じた熱エネルギーは、再び化学エネルギーに変換され、生態系内を循環する。

これは誤りです。

冒頭でお伝えした通り「エネルギーは循環しません」

熱になったエネルギーが化学エネルギーに戻ることはないので、この選択肢は誤りです。

選択肢5. 生態系内のエネルギーは、最終的に生態系外(宇宙空間)に放出される。

これは正解です。

 

地球のエネルギーの元は「太陽の光」です。

これが植物・動物に渡り、運動したり、体温を保っていくうちに最後は「熱」になって空気中に逃げていきます。「最終的に生態系外(宇宙空間)に放出される」という記述は正解になります。

選択肢6. 生態系に入ってきた光エネルギーは、全て化学エネルギーに変換される。

これは誤りです。

全て化学エネルギーに変換されるわけではありません。

 

植物が光合成をして、化学エネルギーに変換できるのは太陽光全体のほんの数%です。

参考になった数0