共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問109 (化学(第3問) 問5)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問109(化学(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

コバルト(Ⅲ)イオンCo3+は配位数6の錯イオンをつくり、塩化物イオンCl-、アンモニアNH3,水H2Oはいずれも配位子としてCo3+に配位結合することができる。ある錯塩Aは、Co3+にこれらの配位子が配位結合した錯イオンの塩(えん)であるが、何がいくつ配位しているのかは不明である。そこで、A中の一つのCo3+に対していくつのNH3が配位しているのかを調べるために、次の実験Ⅰ・Ⅱを行った。

実験Ⅰ
Aを3.01gはかり取り、過剰量のシュウ酸に加え、110℃で加熱して融解させた後、大気中、650℃で十分に加熱した。

結果Ⅰ
0.964gの四酸化三コバルトCo3O4(式量241)が得られた。

実験Ⅱ
結果Ⅰに基づき、Co3+を0.0100mol含むAをはかり取り、丸底フラスコに入れ、図1に示すように、A中からNH3を完全に発生させるために十分な体積の6mol/L水酸化カリウムKOH水溶液を加えて煮沸した。このとき、発生した水蒸気とともにNH3を1.00mol/Lの希硫酸35.0mLにすべて吸収させた。NH3を吸収した希硫酸に適切な指示薬Bを加え、1.00mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液を使って滴定した。

結果Ⅱ
指示薬Bの変色には20.00mLのNaOH水溶液が必要であった。

結果Ⅱから、一つのCo3+に配位結合しているNH3の数はいくつになるか。最も適当な数値を、次の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、Aに含まれているNH3はすべてCo3+に配位結合しており、NH3はAが分解された後、すべて希硫酸に吸収されたものとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

正答は「5」となります。

 

「一つのCo3+に配位結合しているNH3の数」とは、「ただし、Aに含まれているNH3はすべてCo3+に配位結合しており」との条件から、「溶液Aの中に含まれているCoとNH3の比率は1:いくらか?」と言い換えられます。

 

今、CoはA中に0.0100mol含まれているとわかっています。
そのため、NH3の物質量を求めて、それを比較することにしましょう。

 

「中和滴定が完了する」ということは、問題に出てきた「酸の物質量と塩基の物質量が一致する」ということです。
酸性のイオンと塩基性のイオンの数が一致する、ということです。
 

ここでは下記のようになります。
(希硝酸の価数×濃度×体積)=(アンモニアの価数×物質量)+(NaOHの価数×濃度×体積)
左辺は酸性イオンの物質量、右辺は塩基性イオンの物質量となっています。

 

ここで、最終的に求めたいアンモニアの物質量をxとすると、

2×1.00×35.0/1000=1×xmol+1×1.00×20.0/1000

が成り立ちます。

 

xについて整理すると、下記になります。

x=(70.0-20.0)/1000(mol)

=50.0/1000(mol)

 

ところで、Coの0.0100mol=10/1000molのため、
Co:NH3 = 0.0100mol:x
=10/1000:50.0/1000

=10:50

=1:5

となり、一つのCoにNH3は5つ配位していることがわかります。

選択肢5. 5

この選択肢が適当となります。

まとめ

実験Ⅱでは、コバルトの配位子にアンモニアが含まれているため、逆滴定を行っています。
逆滴定は、滴定しにくい物質を滴定する際に、一度反対の液性の溶液で溶かしてから、同じ液性の溶液で滴定していく方法です。
ここではコバルトの配位子であるアンモニア気体を滴定するために、一度酸性である希硫酸に溶かすことで水溶液中にイオンとして出し、アンモニウムイオンと同じ塩基性の水酸化ナトリウム水溶液で酸を滴定することで、下記の過程となっています。


水酸化ナトリウムの量は測っているため、すでにわかっている
↓

希硫酸の総量もわかっている

↓
アンモニアと反応した希硫酸の量はわからない(+希硫酸と反応したアンモニアの量は最終的に求めたいもの)
↓
希硫酸と反応した水酸化ナトリウムの量と最初にあった希硫酸の量との差からアンモニア気体の量がわかる
との過程を追っています。

 

さらに、実験Ⅱ以降では下記のような流れとなります。

アンモニア気体の量がわかる
↓
アンモニアの量とコバルトの量を比較する
↓
コバルトに配位していたアンモニアの数がわかる
 

 

とはいえ当問のような逆滴定自体は、酸の量=塩基の量でしかありません。
誤解を恐れずに言えば、「マイナス=プラス」です。


そのため、
・価数
・濃度
・体積
(濃度と体積の2つは物質量1つの項目で代用可)
の項目が必要となりますが、やはり結局それだけです。


難しく考える必要はありません。
酸性物質と塩基性物質を分けて考えられれば解けます。

「配位子」や「三価イオン」などの見慣れない単語にくじけずに取り組んでみましょう。

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02

Aから発生したNH3をxmolとすると、中和反応の量的反応より

 

2×1.00mol/L×35.0/1000(L)=1×xmol+1×1.00mol/L×20.0/1000(L)

 

これを解くと、x=0.05mol

 

コバルト(Ⅲ)イオンCo3+を0.0100mol含むAにはNH3が0.05mol含まれており、NH3がすべてCo3+に配位結合しているから、一つのCo3+に配位結合しているNH3の数は

 

0.05mol/0.0100mol=5(個)

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