共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問108 (化学(第3問) 問4)
問題文
コバルト(Ⅲ)イオンCo3+は配位数6の錯イオンをつくり、塩化物イオンCl-、アンモニアNH3,水H2Oはいずれも配位子としてCo3+に配位結合することができる。ある錯塩Aは、Co3+にこれらの配位子が配位結合した錯イオンの塩(えん)であるが、何がいくつ配位しているのかは不明である。そこで、A中の一つのCo3+に対していくつのNH3が配位しているのかを調べるために、次の実験Ⅰ・Ⅱを行った。
実験Ⅰ
Aを3.01gはかり取り、過剰量のシュウ酸に加え、110℃で加熱して融解させた後、大気中、650℃で十分に加熱した。
結果Ⅰ
0.964gの四酸化三コバルトCo3O4(式量241)が得られた。
実験Ⅱ
結果Ⅰに基づき、Co3+を0.0100mol含むAをはかり取り、丸底フラスコに入れ、図1に示すように、A中からNH3を完全に発生させるために十分な体積の6mol/L水酸化カリウムKOH水溶液を加えて煮沸した。このとき、発生した水蒸気とともにNH3を1.00mol/Lの希硫酸35.0mLにすべて吸収させた。NH3を吸収した希硫酸に適切な指示薬Bを加え、1.00mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液を使って滴定した。
結果Ⅱ
指示薬Bの変色には20.00mLのNaOH水溶液が必要であった。
実験Ⅱでは、Aが分解されて発生したNH3を過剰量の希硫酸に吸収させ、NH3と反応せずに残った硫酸をNaOH水溶液により中和滴定することで、発生したNH3の物質量を求めている。実験Ⅱに関する記述として誤りを含むものはどれか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
実験Ⅰ
Aを3.01gはかり取り、過剰量のシュウ酸に加え、110℃で加熱して融解させた後、大気中、650℃で十分に加熱した。
結果Ⅰ
0.964gの四酸化三コバルトCo3O4(式量241)が得られた。
実験Ⅱ
結果Ⅰに基づき、Co3+を0.0100mol含むAをはかり取り、丸底フラスコに入れ、図1に示すように、A中からNH3を完全に発生させるために十分な体積の6mol/L水酸化カリウムKOH水溶液を加えて煮沸した。このとき、発生した水蒸気とともにNH3を1.00mol/Lの希硫酸35.0mLにすべて吸収させた。NH3を吸収した希硫酸に適切な指示薬Bを加え、1.00mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液を使って滴定した。
結果Ⅱ
指示薬Bの変色には20.00mLのNaOH水溶液が必要であった。
実験Ⅱでは、Aが分解されて発生したNH3を過剰量の希硫酸に吸収させ、NH3と反応せずに残った硫酸をNaOH水溶液により中和滴定することで、発生したNH3の物質量を求めている。実験Ⅱに関する記述として誤りを含むものはどれか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問108(化学(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
コバルト(Ⅲ)イオンCo3+は配位数6の錯イオンをつくり、塩化物イオンCl-、アンモニアNH3,水H2Oはいずれも配位子としてCo3+に配位結合することができる。ある錯塩Aは、Co3+にこれらの配位子が配位結合した錯イオンの塩(えん)であるが、何がいくつ配位しているのかは不明である。そこで、A中の一つのCo3+に対していくつのNH3が配位しているのかを調べるために、次の実験Ⅰ・Ⅱを行った。
実験Ⅰ
Aを3.01gはかり取り、過剰量のシュウ酸に加え、110℃で加熱して融解させた後、大気中、650℃で十分に加熱した。
結果Ⅰ
0.964gの四酸化三コバルトCo3O4(式量241)が得られた。
実験Ⅱ
結果Ⅰに基づき、Co3+を0.0100mol含むAをはかり取り、丸底フラスコに入れ、図1に示すように、A中からNH3を完全に発生させるために十分な体積の6mol/L水酸化カリウムKOH水溶液を加えて煮沸した。このとき、発生した水蒸気とともにNH3を1.00mol/Lの希硫酸35.0mLにすべて吸収させた。NH3を吸収した希硫酸に適切な指示薬Bを加え、1.00mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液を使って滴定した。
結果Ⅱ
指示薬Bの変色には20.00mLのNaOH水溶液が必要であった。
実験Ⅱでは、Aが分解されて発生したNH3を過剰量の希硫酸に吸収させ、NH3と反応せずに残った硫酸をNaOH水溶液により中和滴定することで、発生したNH3の物質量を求めている。実験Ⅱに関する記述として誤りを含むものはどれか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
実験Ⅰ
Aを3.01gはかり取り、過剰量のシュウ酸に加え、110℃で加熱して融解させた後、大気中、650℃で十分に加熱した。
結果Ⅰ
0.964gの四酸化三コバルトCo3O4(式量241)が得られた。
実験Ⅱ
結果Ⅰに基づき、Co3+を0.0100mol含むAをはかり取り、丸底フラスコに入れ、図1に示すように、A中からNH3を完全に発生させるために十分な体積の6mol/L水酸化カリウムKOH水溶液を加えて煮沸した。このとき、発生した水蒸気とともにNH3を1.00mol/Lの希硫酸35.0mLにすべて吸収させた。NH3を吸収した希硫酸に適切な指示薬Bを加え、1.00mol/Lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液を使って滴定した。
結果Ⅱ
指示薬Bの変色には20.00mLのNaOH水溶液が必要であった。
実験Ⅱでは、Aが分解されて発生したNH3を過剰量の希硫酸に吸収させ、NH3と反応せずに残った硫酸をNaOH水溶液により中和滴定することで、発生したNH3の物質量を求めている。実験Ⅱに関する記述として誤りを含むものはどれか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- NH3を吸収させる希硫酸を入れる三角フラスコは、洗浄して純水ですすいだ後に、ぬれたまま用いてもよい。
- NaOH水溶液による中和滴定で、残った硫酸とNaOHが過不足なく反応した時点では、水溶液は中性となる。
- NaOH水溶液による中和滴定では、指示薬Bとしてメチルオレンジを用いる。
- この滴定に用いるビュレットの上部にソーダ石灰管を取り付けているのは、NaOH水溶液が大気中のCO2を吸収するのを防ぐためである。
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は「NaOH水溶液による中和滴定で、残った硫酸とNaOHが過不足なく反応した時点では、水溶液は中性となる。」です。
誤りを選ぶ問題であることに気をつけて、各選択肢を見ていきましょう。
正しいため、回答としては不適当です。
NH3は反応性が高いです。
そのため、基本的にフラスコが水で濡れていると「水とNH3が吸着し…」と考え、特にNH3気体の量や圧力を見る問題では、不適当な行為となります。
ただし、当問は「NH3と希硫酸の反応」についての問題です。
水で濡れたフラスコに希硫酸を注いでも、希硫酸がさらに少し薄まるだけです。
NH3の量も硫酸イオンの量も変わりません。
そのため、NH3と希硫酸の反応する量自体も変わりません。
そもそも「過剰量の希硫酸」のため、「希硫酸」のなかにも「H2O」はやまほど含まれていますし、反応性のないものが増えても問題ありません。
何より、1.00mol/Lの希硫酸35mlと、事前に濃度を計った希硫酸を規定量だけ別容器から注いで用いています。
これから希硫酸の濃度を計ったり硫酸イオンの物質量を求めるわけではなく、また、これから溶液の量を測るわけでもありません。
そのため、「濡れていてもいい」となります。
もし「三角フラスコを硫酸イオンやアンモニウムイオンを含む液体で洗ってから希硫酸を注いでNH3を吸収させよう」という場合には、以下2点の理由により誤りとなります。
・実験で生じたNH3に余分なNH3が足されてしまう
・NH3と反応する硫酸イオンの量が変わってしまう
当問では、「純水で洗う」操作は結果に影響せず、正しい記述となります。
誤りのため、回答としては適当です。
文章がややこしいので気をつけましょう。
「残った硫酸」とは、「アンモニアを吸収した後」の硫酸であり、「硫酸アンモニウム」を含む硫酸です。
「アンモニアと反応しない硫酸と水酸化ナトリウムの反応」と書かれているからといって、アンモニアと反応していない、別容器の硫酸が出てくるわけではありません。
「たくさん硫酸を用意し、発生したアンモニアをすべて吸着させ、さらに余っている硫酸に、水酸化ナトリウムを注いで滴定する」との話をしています。
そのため、滴定後のフラスコ内には、前操作でNH3と反応してできた(NH4)2SO4と、NH3と反応しなかった希硫酸とNaOH水溶液とでできたNa2SO4が存在します。
Na2SO4は強塩基と強酸との塩のため、水溶液は中性となります。
(NH4)2SO4は、弱塩基と強酸との塩のため、水溶液は酸性となります。
したがって、滴定後の水溶液全体は酸性となります。
誤りの記述のため、回答としてはこの選択肢が適当となります。
正しいため、回答としては不適当です。
滴定後の水溶液が酸性となるため、酸性側に変色域をもつメチルオレンジを用います。
高校化学では、酸性側の指示薬にメチルオレンジとメチルレッド、塩基性側の指示薬にフェノールフタレインを覚えておきましょう。
また、メチルレッドとメチルオレンジは、変色域に少し差があります。
メチルオレンジのほうが、滴定終了がより強酸性に近くなる滴定に適しています。
正しいため、回答としては不適当です。
ビュレットは中和滴定などの際に厳密に量(mL)を測るための装置です。
しかし、厳密に量を測れても、反応性の高いNaOH水溶液をビュレット単体に注ぐだけでは、NaOHが大気中のCO2などと反応してNaOH水溶液の濃度が変わってしまいます。
だからといってビュレットに蓋をしてしまうと、ビュレット内の圧力変化によりNaOH水溶液の一部が気体になり…といった部分まで計算する必要が出てきます。
滴定は何より厳密さを重視する操作です。
厳密さを守るために使用するビュレットについて、量を正確に測るために最も簡単な工夫が「NaOH水溶液にたどり着く前にCO2と反応する塩基性の物質を置いておく」となります。
ソーダ石灰管はソーダ石灰を入れた管です。
ソーダ石灰は酸化カルシウムや水を主成分とする塩基性の乾燥剤で、アンモニアのような反応性の高い気体や水の吸収剤、CO2のようなイオンが酸性となる物質の吸着剤として用いられます。
中和滴定に関する一般的な知識を問うている問題です。
器具の準備、指示薬、なぜその器具を用意する必要があるのか、など中和滴定の一連の過程からの出題となっています。
わからない部分があった場合は、良い機会ですので中和滴定の流れをもう一度復習してみましょう。
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02
中和滴定の総合的な問題です。
正しい
三角フラスコが純水でぬれていても、硫酸H2SO4の物質量は変化しません。
誤り
残ったH2SO4とNaOH水溶液が過不足なく反応した時点では、(NH4)2SO4とNa2SO4の混合溶液となります。
Na2SO4水溶液は中性を示しますが、(NH4)2SO4は強酸(H2SO4)と弱塩基(NH3)の中和で得られる正塩で、その水溶液は酸性を示しますので、水溶液全体としては酸性となります。
正しい
この滴定では終点が酸性を示しますので、指示薬Bとしては変色域が酸性側にあるメチルオレンジを用います。
正しい
ビュレットに入れたNaOH水溶液が大気に触れると、次のように二酸化炭素CO2と反応します。
2NaOH+O2→Na2CO3+H2O
よってビュレット上部にソーダ石灰管を取り付けることで、大気中のCO2を吸収させます。
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