共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問130 (生物(第3問) 問3)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問130(生物(第3問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

植物の成長と植物ホルモンに関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

(a)植物ホルモンの一種であるジベレリンは、植物の茎の伸長成長を促進することが知られている。ジベレリンに応答する仕組みを調べるために、イネを用いて実験1を行った。

実験1
野生型の個体とタンパク質Aが機能を失っている変異体Aを、ジベレリンを与えない条件(以下、通常条件)と、ジベレリンを地上部に与える条件(以下、ジベレリン条件)とでそれぞれ栽培したところ、図1のようになった。野生型は、ジベレリン条件で、通常条件よりも大きく伸長した。
(b)変異体Aは、通常条件では伸長が抑制され、草丈の低い形質(以下、矮性(わいせい))となったが、ジベレリン条件では野生型のジベレリン条件と同様に大きく伸長した。また、通常条件で栽培した植物の地上部に含まれるジベレリンの量を測定したところ、図2の結果が得られた。ジベレリン量は、野生型のものを1とする相対値である。

下線部(b)に関連して、タンパク質Aは、野生型の個体においてどのような働きをしていると考えられるか。その記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ジベレリンを合成する。
  • ジベレリンを分解する。
  • ジベレリンを不活性化する。
  • ジベレリンを茎から根に輸送する。
  • ジベレリンとは関係のない働きを持つ。

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この過去問の解説 (3件)

01

まず、実験結果を整理しましょう。

実験では、野生型と変異体Aを、

・通常条件:ジベレリンを与えない

・ジベレリン条件:ジベレリンを外から与える

の2つの条件で育てています。

結果は、

・野生型:通常条件より、ジベレリン条件で大きく伸びる。

・変異体A:通常条件では矮性だが、ジベレリン条件では野生型と同じように大きく伸びる。

でした。

ここから、変異体Aについて、「変異体Aは、通常条件ではジベレリンが不足している」と考えられます。

そして、ジベレリンを外から与えると正常に伸びたので、変異体Aのジベレリンに反応する能力は正常だと言えます。

つまり、この問題ではジベレリンが効かないことではなく、ジベレリンそのものが不足しているのだと考えられます。

選択肢1. ジベレリンを合成する。

変異体Aではタンパク質が機能しなくなっています。

それなのに、タンパク質Aがない→ジベレリンが不足する→通常条件では矮性になるという結果になっています。

したがって、タンパク質Aはジベレリンの合成に関係していると考えられます。

さらに、ジベレリンを外から与えると変異体Aも正常に伸びるので、「タンパク質Aがなくてもジベレリンがあれば伸びる」ことが分かります。

これは、タンパク質Aがジベレリンそのものを作る側に関係していて、ジベレリンが作用する仕組みそのものに関係しているわけではないと考える根拠になります。

よって、「ジベレリンを合成する」というのは適当と言えます。

選択肢2. ジベレリンを分解する。

もし、タンパク質Aがジベレリンを分解する働きをしているなら、

「タンパク質Aが機能しなくなる→ジベレリンを分解できなくなる→ジベレリンが体内に多く残る」と考えられます。

しかし、図2の結果から分かるのは、変異体Aでは野生型よりジベレリン量が少ないという事です。

そのため、タンパク質Aがジベレリンを分解しているとは考えられません。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

選択肢3. ジベレリンを不活性化する。

「不活性化」と言うのは、ジベレリンを働けない状態にするということです。

もしタンパク質Aがジベレリンを不活性化しているなら、

「タンパク質Aが機能しなくなる→ジベレリンを不活性化できなくなる→働けるジベレリンが増える」と考えられます。

しかし、実際には、変異体Aではジベレリン量が少なくなっています。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

選択肢4. ジベレリンを茎から根に輸送する。

もしタンパク質Aがジベレリンを茎から根へ運ぶ働きをしているなら、タンパク質Aが無くなった時に、「ジベレリンをうまく運べなくなる→茎にジベレリンがたまる」などの変化が予想されます。

しかし、図2では、変異体Aの地上部に含まれるジベレリン量は野生型より少ないことが示されています。

したがって、「タンパク質Aがなくなったため、地上部から根へ運べなくなって地上部にジベレリンがたまった」という説明にはなりません。

また、実験結果から、タンパク質Aが輸送に関係しているというより、ジベレリンの量そのものを作り出す過程に関係していると考えられます。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

選択肢5. ジベレリンとは関係のない働きを持つ。

変異体Aでは、「タンパク質Aが機能しない→通常条件で矮性になる」。

一方、「ジベレリンを外から与える→正常に伸長する」という結果が得られています。

つまり、タンパク質Aの機能とジベレリンには明らかな関係があります。

もしタンパク質Aがジベレリンと全く関係のないタンパク質なら、ジベレリンを与えただけで変異体Aが野生型と同じように伸長することを説明しにくくなります。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

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02

実験1の結果から、変異体Aについて以下のことが分かります。


・変異体Aは通常条件ではジベレリンが少ない。
・変異体Aはジベレリン条件だと野生株と同じくらい伸びる。
 →変異体Aはジベレリンが少ないが、ジベレリンへの反応は正常。

 

以上から、
変異体Aはジベレリンの合成能力が低い→タンパク質Aはジベレリンの合成に関与する
と考えられます。

 

したがって答えは、「ジベレリンを合成する。」です。

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03

この問題は、変異体Aにジベレリン処理をした実験結果から、タンパク質Aがどのような働きをしているかを推測する問題です。

 

変異体Aは通常条件では草丈が低くなりましたが、ジベレリンを与えると野生型と同様に大きく伸長しています。

このことから、変異体Aはジベレリンに応答する能力は正常であり、体内のジベレリンが不足しているために矮性になっていると考えられます。

また、通常条件で地上部に含まれるジベレリン量を測定すると、変異体Aでは野生型よりもジベレリン量が少なくなっていました。

このことから、タンパク質Aが働かないことでジベレリンを十分に合成できなくなったと考えられます。

 

したがって、野生型ではタンパク質Aはジベレリンの合成に関わる働きをしていると考えられます。

したがって、「タンパク質Aはジベレリンを合成する。」という記述が適当です。

選択肢1. ジベレリンを合成する。

正解です。

選択肢2. ジベレリンを分解する。

不適です。

選択肢3. ジベレリンを不活性化する。

不適です。

選択肢4. ジベレリンを茎から根に輸送する。

不適です。

選択肢5. ジベレリンとは関係のない働きを持つ。

不適です。

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