共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問132 (生物(第3問) 問5)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問132(生物(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

植物の成長と植物ホルモンに関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

(a)植物ホルモンの一種であるジベレリンは、植物の茎の伸長成長を促進することが知られている。ジベレリンに応答する仕組みを調べるために、イネを用いて実験1を行った。

実験1
野生型の個体とタンパク質Aが機能を失っている変異体Aを、ジベレリンを与えない条件(以下、通常条件)と、ジベレリンを地上部に与える条件(以下、ジベレリン条件)とでそれぞれ栽培したところ、図1のようになった。野生型は、ジベレリン条件で、通常条件よりも大きく伸長した。
(b)変異体Aは、通常条件では伸長が抑制され、草丈の低い形質(以下、矮性(わいせい))となったが、ジベレリン条件では野生型のジベレリン条件と同様に大きく伸長した。また、通常条件で栽培した植物の地上部に含まれるジベレリンの量を測定したところ、図2の結果が得られた。ジベレリン量は、野生型のものを1とする相対値である。

タンパク質Sは、タンパク質Rとともにジベレリン応答にかかわる。実際、タンパク質Sの機能を失った変異体Sを用いて、実験1と同様の観察を行ったところ、ジベレリンに対する応答性が野生型と比べて低下していた。この結果から、「タンパク質Sは、タンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取り、ジベレリンに応答する遺伝子の発現を調節する」との仮説を立てた。この仮説を検証する実験の一つとして適当でないものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • 通常条件とジベレリン条件の野生型で、ジベレリンに応答する遺伝子の転写調節領域に結合しているタンパク質Sの量を調べる。
  • 通常条件における野生型のタンパク質Sの量と、変異体Sの変異型タンパク質Sの量を調べる。
  • タンパク質Sを過剰に生産するイネを作り、このイネと野生型のそれぞれについて、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量を調べる。
  • タンパク質Sとタンパク質Rの結合を、ジベレリン存在下と非存在下のそれぞれで調べる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、「仮説を証明するために、その実験が本当に必要か」を考える問題です。

問題文の仮説には、3つのポイントがあります。

1,タンパク質Sが遺伝子の転写調節領域に関わる

2,タンパク質Sとタンパク質Rが相互作用(結合)する

3,タンパク質Sが実際にジベレリン応答遺伝子の発現を調節する

これらを確かめる実験なら「仮説を検証する実験」として適切となります。

今回の問題では、仮説を検証する実験として適当でないものを一つ選びます。

選択肢1. 通常条件とジベレリン条件の野生型で、ジベレリンに応答する遺伝子の転写調節領域に結合しているタンパク質Sの量を調べる。

タンパク質Sがジベレリンに応答する遺伝子の転写調節領域に結合しているかを調べることで、Sが遺伝子の発現調節に関わっているのかを検証できます。

よって、この選択肢は適当と言えます。

選択肢2. 通常条件における野生型のタンパク質Sの量と、変異体Sの変異型タンパク質Sの量を調べる。

調べているのは、野生型と変異体Sでタンパク質Sの量が異なるかです。

タンパク質Sがタンパク質Rと相互作用したり、遺伝子の発現を調節したりすることは、この実験からは分かりません。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

 

したがって、この選択肢が不適当のため、この問題では正解となります。

選択肢3. タンパク質Sを過剰に生産するイネを作り、このイネと野生型のそれぞれについて、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量を調べる。

タンパク質Sを過剰に作らせて、ジベレリン応答遺伝子の発現量が変化するかを調べることで、タンパク質Sが遺伝子発現を調節する働きを検証できます。

よって、この選択肢は適当と言えます。

選択肢4. タンパク質Sとタンパク質Rの結合を、ジベレリン存在下と非存在下のそれぞれで調べる。

仮説では、「タンパク質Sとタンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取る」と考えています。

そのため、ジベレリンの有無によってタンパク質Sとタンパク質Rの結合が変化するかを調べるのは適当と言えます。

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02

「タンパク質Sは、タンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取り、ジベレリンに応答する遺伝子の発現を調節する」ことを検証する実験のうち、適当でないものを選びます。


以下の2つのポイントを念頭に各選択肢を見ていきましょう。
・タンパク質SとR(ジベレリン受容体)に相互作用(結合するなど)がある
・タンパク質Sがジベレリン応答の遺伝子発現を調節する働きをしている。

選択肢1. 通常条件とジベレリン条件の野生型で、ジベレリンに応答する遺伝子の転写調節領域に結合しているタンパク質Sの量を調べる。

適切です。
タンパク質Sがジベレリンに応答して遺伝子発現を調節する働きがあるかどうかを調べます。

選択肢2. 通常条件における野生型のタンパク質Sの量と、変異体Sの変異型タンパク質Sの量を調べる。

不適です。※この選択肢が問題の答えです。
タンパク質Sの量だけを調べても、働きを考察することはできません。

選択肢3. タンパク質Sを過剰に生産するイネを作り、このイネと野生型のそれぞれについて、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量を調べる。

適切です。
過剰発現実験によってタンパク質の機能を調べる実験です。タンパク質Sが過剰にあるとき、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量が増えれば、タンパク質Sが遺伝子の発現を促進すると考察できます。

選択肢4. タンパク質Sとタンパク質Rの結合を、ジベレリン存在下と非存在下のそれぞれで調べる。

適切です。
タンパク質SとRに相互作用があるかどうかを調べます。

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03

この問題は「タンパク質Sは、タンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取り、ジベレリンに応答する遺伝子の発現を調節する」との仮説仮説を検証する実験の一つとして適当かどうかを判断する問題です。適当でないものを選ぶことに注意しましょう。

選択肢1. 通常条件とジベレリン条件の野生型で、ジベレリンに応答する遺伝子の転写調節領域に結合しているタンパク質Sの量を調べる。

適当なため、不正解です。

 

タンパク質Sがジベレリンに応答する遺伝子の発現を調節するのであれば、ジベレリンの有無によって転写調節領域に結合するタンパク質Sの量が変化する可能性があります。

したがって、この実験は仮説を検証する方法として適当です。

選択肢2. 通常条件における野生型のタンパク質Sの量と、変異体Sの変異型タンパク質Sの量を調べる。

不適のため、正解です。

 

検証したい仮説は、「タンパク質Sはタンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取り、ジベレリンに応答する遺伝子の発現を調節する」というものです。

この実験だと、野生型と変異体Sのタンパク質Sの量を比較するだけであり、タンパク質Sがタンパク質Rと相互作用するかどうかや、遺伝子の発現を調節しているかどうかを調べることはできません。

したがって、この実験は仮説を検証する方法として適当ではありません。

選択肢3. タンパク質Sを過剰に生産するイネを作り、このイネと野生型のそれぞれについて、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量を調べる。

適当なため、不正解です。

 

タンパク質Sが遺伝子の発現を調節するのであれば、タンパク質Sを過剰に生産させることで、ジベレリンに応答する遺伝子の発現量が変化すると考えられます。

したがって、この実験は仮説を検証する方法として適当です。

選択肢4. タンパク質Sとタンパク質Rの結合を、ジベレリン存在下と非存在下のそれぞれで調べる。

適当なため、不正解です。

 

仮説では、タンパク質Sはタンパク質Rとの相互作用を通して情報を受け取るとされています。

そのため、ジベレリンの有無によってタンパク質Sとタンパク質Rの結合状態が変化するかどうかを調べれば、両者が相互作用しているかを直接検証できます。

したがって、この実験は仮説を検証する方法として適当です。

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