共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問111 (化学(第4問) 問1)
問題文
酸素を含む有機化合物の反応に関する記述として誤りを含むものはどれか。
最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
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共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問111(化学(第4問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら) (新しいタブで開く)
酸素を含む有機化合物の反応に関する記述として誤りを含むものはどれか。
最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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- エチレングリコール(1,2―エタンジオール)にナトリウムを加えると、水素が発生する。
- 希薄なフェノールの水溶液に少量の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると、二酸化炭素が発生する。
- エタノールの分子間の脱水反応により、ジエチルエーテルが生成する。
- アセトンにヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応させると、ヨードホルムが生成する。
- 無水酢酸とフェノールを反応させると、酢酸フェニルが生成する。
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この過去問の解説 (3件)
01
酸素を含む有機化合物に関する問題です。
このような設問と対峙したときには、物質自体の名称を覚えておくことは確かに重要ですが、もし知らない物質が出てきたときのために、日頃からカルボニル基やエーテルなどといった官能基や結合の名称を覚え、反応が起こったときにどのように結合するかをイメージすることで、物質を予測することができるようにしておくと安定して得点できます。
エチレングリコールという物質自体は問題に出てくる頻度が高いので、覚えておいて損はありません。
今回は問題文中に、1,2ーエタンジオールという名称が与えられているので、ここから推測すると、まずエタンという名前がありますから、CH3が二つ結合した部分があることになります。
次に、ジオールという名称から、オールというのは一般的にヒドロキシ基ーOHを意味しますので、二つのヒドロキシ基を有することになります。
最後に1,2、これは置換基(官能基)がどの炭素についているか、ということを示します。この場合、炭素は二個しかありませんが、主鎖の炭素に官能基がつく場合は必要となります。
以上の条件から想像される構造式は、以下のようになります。
OH OH
| |
HーCーCーH
| |
H H
また、これはヒドロキシ基を有する構造式であり、これにナトリウムを加えると、上のヒドロキシ基ーOHのHがNaに置換され、Hが二つ外れることになります。これがH2となるので、水素が発生し、問題文は正しいということがわかります。
フェノールは有機化学分野において頻出の物質ですので、推測ではなく暗記しておくことを強く推奨します。
フェノールの構造式はベンゼンのうち、一つの水素原子をヒドロキシ基ーOHに置換したものです。
フェノールの水溶液に炭酸水素ナトリウムNaHCO3を加えると、一見先ほどの問題のように、ーOHのHがNaに置換されて、Hが外れて、残ったHCO3と反応して、H2OとCO2が発生しそうです。
しかし、ここで理論化学で学習した、平衡の概念を使って考えてみます。前提知識として、フェノールと炭酸水素ナトリウムは酸であり、フェノールは炭酸水素ナトリウムよりも酸性が弱いです。
酸性が弱い、ということは、酸化還元の定義より、Hを渡すことができないということです。
先ほどのHがNaに置き換わる、という考え方は、フェノールの視点になってみれば、Hを渡してNaを受け取るということです。しかし、フェノールは炭酸水素ナトリウム相手にそれができないとわかりましたから、この反応は成立しません。
よってこれは誤った選択肢です。
エタノールは非常に基本的な物質ですので、必ず構造式は押さえておきましょう。
分子間の反応を考える際に重要なことは、どの官能基同士が反応するかです。
エタノールの場合、構造式中にC、OH、Hの三つの原子がありますが、Cはすべて共有電子対を形成しているため、今回のような状況ではまず反応し得ません。(条件を変えると電子対が切断される場合もあります。)
そこで残ったのはHとOHですが、HとOHが反応すると確かにH2Oが発生しますが、これを脱水してしまうと、反応後に二つ物質が残るだけとなってしまいます。もちろんそれら二つが反応後の物質として存在する可能性も考慮はしておいた方がいいと思います。
しかし、OH同士が反応すれば、H2O2から脱水され、Oが残ります。Oは二つの物質間をエーテル結合ーOーでつなぐことができます。そうして発生した物質がジエチルエーテルです。
これまでの情報でジエチルエーテルの構造式を考えると、
H H H H
|| ||
HーCーCーOーCーCーH
|| ||
H H H H
以上のような構造になります。
よって、問題文の内容は正しいということになります。
これは問題文の内容ごと覚えてしまう方が良いかもしれません。ヨードホルムを生成する反応は共通テストにおいて頻出です。
O
Ⅱ
H3CーCーCH3
上がアセトンの構造式です。これにヨウ素、水酸化ナトリウムを加えると、H3CーI(ヨードホルム)が単体で遊離します。よって問題文は正しいことがわかります。
これは反応式を導出するよりも、そのまま覚えてしまった方が、受験においては有利になります。
無水酢酸は、二分子の酢酸の同士のカルボキシ基が脱水縮合したものです。
無水酢酸について、二分子の酢酸同士で一つの水分子を失ったということは、片方の酢酸はーOHを失い、もう片方の酢酸はーHを失ったと考えることができます。
ここで、フェノールの構造を確認すると、ある一つの炭素にーOHがつながっています。先ほどの無水酢酸と一緒に考えると、ーHを失った酢酸にフェノールのーOHの中のHを渡すことで酢酸に戻すことができます。
一方で、ーOHを失った酢酸は、フェノールのうちーOが残った場所に渡してあげることで、酢酸フェニルという物質が発生します。よって問題文は正しいということになります。
酢酸フェニルは上のような文章で導出させた上で問われることが多いので、物質自体だけを覚えるのではなく、どのように作るかは理解しておきましょう。
有機化合物は、必ず覚えておくべき物質と、導出することで覚えずとも導くことのできる物質があります。
始めにお伝えした、結合や官能基の名前はもちろん、必ず覚えておくべきものは覚えましょう。覚えるべきものは解説の中でも特に強調していますので、必ず確認してください。
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02
酸素を含む有機化合物には、アルコール(R-OH)、エーテル(R-O-R')、ケトン(R-CO-R')など様々なものがあり、それぞれ特徴があります。
アルコール:ヒドロキシ基(-OH)を構造中に持ち、水素結合ができるため、同じ分子式の構造の化合物と比べて比較的沸点が高い。また、水に溶けやすいものが多い。
エーテル:酸素原子が炭化水素基の間にあり、エーテル結合と呼ばれる。ヒドロキシ基を持たないため、水素結合ができるアルコールと比べて沸点が著しく低い。また、水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすいものが多い。
ケトン:2つの炭化水素基の間にカルボニル基(>C=O)を形成している。第二級アルコールを酸化させることで得られる。
これは正しいです。
エチレングリコールにナトリウムを加えるとエチレングリコールのヒドロキシ基とナトリウムが反応し、水素が発生します。
これは誤りです。
フェノールは炭酸(HCO3)よりも弱い酸性物質であり、炭酸水素ナトリウムとは反応しません。
これは正しいです。
エタノール(CH3-CH2-OH)の分子間脱水反応により、ジエチルエーテル(CH3-CH2-O-CH2-CH3)が生成します。
これは正しいです。
ヨードホルム反応はアセチル基(CH3CO-)もしくは酸化してアセチル基を示す構造に対して発生します。
アセトンはの構造式CH3COCH3はアセチル基を持つため、ヨードホルムを生成します。
これは正しいです。
無水酢酸とフェノールを反応させると、アセチル化により、酢酸フェニルが生成します。
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03
酸素を含む有機化合物の反応に関する問題です。
正しい
エチレングリコール(1,2―エタンジオール)はOH基をもつので、ナトリウムを加えると水素が発生します。
誤り
フェノールは炭酸よりも弱い酸なので、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えても二酸化炭素は発生しません。
正しい
エタノールは濃硫酸との加熱により脱水され、ジエチルエーテルが発生します。
正しい
無水酢酸とフェノールを反応させると、アセチル化により酢酸フェニルが生成します。
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