共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問127 (生物(第1問) 問5)
問題文
タンパク質と遺伝子発現に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。
(a)タンパク質は特定の立体構造をとることで、その機能を発揮する。しかし、高温などの条件下では、立体構造が変化してしまうことがある。異常な立体構造をもつタンパク質が細胞内に増加すると、(b)シャペロンと呼ばれるタンパク質が異常な立体構造を修復する。ある細胞で働くシャペロンAの調節には、(c)遺伝子Xが関わることが分かっている。
下線部(c)に関連して、ヒトの遺伝子Xは、図1で示すようにエキソン1〜6から構成される。遺伝子Xから合成されるタンパク質について調べるために、実験1を行った。
実験1 通常条件下で培養したヒト細胞における遺伝子XのmRNAを調べたところ、1160塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xu)は252個のアミノ酸で構成されていた。次に、この細胞を高温条件下で培養した後、遺伝子XのmRNAを調べたところ、選択的スプライシングにより特定のエキソンに相当する領域が取り除かれ、mRNAは1134塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xs)は172個のアミノ酸で構成されていた。なお、タンパク質Xuとタンパク質Xsの翻訳は、ともにエキソン1に存在する開始コドンからはじまっていた。
(2)遺伝子Xから翻訳されるタンパク質Xuとタンパク質Xsの働きについて、後の記述a〜dの仮説を立てて実験2を行った。その結果を表1に示した。表1の結果から支持される仮説として適当なものはどれか。また、その仮説をさらに検証するための実験として、後の記述e・fのうち適当なものはどちらか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験2 シャペロンA遺伝子のプロモーターと転写調節領域を含むDNAを、緑色蛍光タンパク質(以下、GFP)の遺伝子につなげたプラスミドを作製し、遺伝子Xを欠損した培養細胞に導入した。さらに、この培養細胞にタンパク質Xu・タンパク質Xsのどちらも導入しないもの、あるいはどちらか一方のみを導入したものに、青色光を照射し、GFPの有無を観察した。なお、GFPの有無は、青色光を照射したときの、緑色蛍光の有無で判断できる。
タンパク質Xu・タンパク質Xsの働きについての仮説
a タンパク質Xuは、シャペロンAタンパク質を分解する。
b タンパク質Xsは、シャペロンAタンパク質を分解する。
c タンパク質Xuは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
d タンパク質Xsは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
その仮説を検証するための実験
e タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンAタンパク質と結合するか調べる。
f タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するか調べる。
(a)タンパク質は特定の立体構造をとることで、その機能を発揮する。しかし、高温などの条件下では、立体構造が変化してしまうことがある。異常な立体構造をもつタンパク質が細胞内に増加すると、(b)シャペロンと呼ばれるタンパク質が異常な立体構造を修復する。ある細胞で働くシャペロンAの調節には、(c)遺伝子Xが関わることが分かっている。
下線部(c)に関連して、ヒトの遺伝子Xは、図1で示すようにエキソン1〜6から構成される。遺伝子Xから合成されるタンパク質について調べるために、実験1を行った。
実験1 通常条件下で培養したヒト細胞における遺伝子XのmRNAを調べたところ、1160塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xu)は252個のアミノ酸で構成されていた。次に、この細胞を高温条件下で培養した後、遺伝子XのmRNAを調べたところ、選択的スプライシングにより特定のエキソンに相当する領域が取り除かれ、mRNAは1134塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xs)は172個のアミノ酸で構成されていた。なお、タンパク質Xuとタンパク質Xsの翻訳は、ともにエキソン1に存在する開始コドンからはじまっていた。
(2)遺伝子Xから翻訳されるタンパク質Xuとタンパク質Xsの働きについて、後の記述a〜dの仮説を立てて実験2を行った。その結果を表1に示した。表1の結果から支持される仮説として適当なものはどれか。また、その仮説をさらに検証するための実験として、後の記述e・fのうち適当なものはどちらか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験2 シャペロンA遺伝子のプロモーターと転写調節領域を含むDNAを、緑色蛍光タンパク質(以下、GFP)の遺伝子につなげたプラスミドを作製し、遺伝子Xを欠損した培養細胞に導入した。さらに、この培養細胞にタンパク質Xu・タンパク質Xsのどちらも導入しないもの、あるいはどちらか一方のみを導入したものに、青色光を照射し、GFPの有無を観察した。なお、GFPの有無は、青色光を照射したときの、緑色蛍光の有無で判断できる。
タンパク質Xu・タンパク質Xsの働きについての仮説
a タンパク質Xuは、シャペロンAタンパク質を分解する。
b タンパク質Xsは、シャペロンAタンパク質を分解する。
c タンパク質Xuは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
d タンパク質Xsは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
その仮説を検証するための実験
e タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンAタンパク質と結合するか調べる。
f タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するか調べる。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問127(生物(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
タンパク質と遺伝子発現に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。
(a)タンパク質は特定の立体構造をとることで、その機能を発揮する。しかし、高温などの条件下では、立体構造が変化してしまうことがある。異常な立体構造をもつタンパク質が細胞内に増加すると、(b)シャペロンと呼ばれるタンパク質が異常な立体構造を修復する。ある細胞で働くシャペロンAの調節には、(c)遺伝子Xが関わることが分かっている。
下線部(c)に関連して、ヒトの遺伝子Xは、図1で示すようにエキソン1〜6から構成される。遺伝子Xから合成されるタンパク質について調べるために、実験1を行った。
実験1 通常条件下で培養したヒト細胞における遺伝子XのmRNAを調べたところ、1160塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xu)は252個のアミノ酸で構成されていた。次に、この細胞を高温条件下で培養した後、遺伝子XのmRNAを調べたところ、選択的スプライシングにより特定のエキソンに相当する領域が取り除かれ、mRNAは1134塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xs)は172個のアミノ酸で構成されていた。なお、タンパク質Xuとタンパク質Xsの翻訳は、ともにエキソン1に存在する開始コドンからはじまっていた。
(2)遺伝子Xから翻訳されるタンパク質Xuとタンパク質Xsの働きについて、後の記述a〜dの仮説を立てて実験2を行った。その結果を表1に示した。表1の結果から支持される仮説として適当なものはどれか。また、その仮説をさらに検証するための実験として、後の記述e・fのうち適当なものはどちらか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験2 シャペロンA遺伝子のプロモーターと転写調節領域を含むDNAを、緑色蛍光タンパク質(以下、GFP)の遺伝子につなげたプラスミドを作製し、遺伝子Xを欠損した培養細胞に導入した。さらに、この培養細胞にタンパク質Xu・タンパク質Xsのどちらも導入しないもの、あるいはどちらか一方のみを導入したものに、青色光を照射し、GFPの有無を観察した。なお、GFPの有無は、青色光を照射したときの、緑色蛍光の有無で判断できる。
タンパク質Xu・タンパク質Xsの働きについての仮説
a タンパク質Xuは、シャペロンAタンパク質を分解する。
b タンパク質Xsは、シャペロンAタンパク質を分解する。
c タンパク質Xuは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
d タンパク質Xsは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
その仮説を検証するための実験
e タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンAタンパク質と結合するか調べる。
f タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するか調べる。
(a)タンパク質は特定の立体構造をとることで、その機能を発揮する。しかし、高温などの条件下では、立体構造が変化してしまうことがある。異常な立体構造をもつタンパク質が細胞内に増加すると、(b)シャペロンと呼ばれるタンパク質が異常な立体構造を修復する。ある細胞で働くシャペロンAの調節には、(c)遺伝子Xが関わることが分かっている。
下線部(c)に関連して、ヒトの遺伝子Xは、図1で示すようにエキソン1〜6から構成される。遺伝子Xから合成されるタンパク質について調べるために、実験1を行った。
実験1 通常条件下で培養したヒト細胞における遺伝子XのmRNAを調べたところ、1160塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xu)は252個のアミノ酸で構成されていた。次に、この細胞を高温条件下で培養した後、遺伝子XのmRNAを調べたところ、選択的スプライシングにより特定のエキソンに相当する領域が取り除かれ、mRNAは1134塩基だった。このmRNAから翻訳されるタンパク質(以下、タンパク質Xs)は172個のアミノ酸で構成されていた。なお、タンパク質Xuとタンパク質Xsの翻訳は、ともにエキソン1に存在する開始コドンからはじまっていた。
(2)遺伝子Xから翻訳されるタンパク質Xuとタンパク質Xsの働きについて、後の記述a〜dの仮説を立てて実験2を行った。その結果を表1に示した。表1の結果から支持される仮説として適当なものはどれか。また、その仮説をさらに検証するための実験として、後の記述e・fのうち適当なものはどちらか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験2 シャペロンA遺伝子のプロモーターと転写調節領域を含むDNAを、緑色蛍光タンパク質(以下、GFP)の遺伝子につなげたプラスミドを作製し、遺伝子Xを欠損した培養細胞に導入した。さらに、この培養細胞にタンパク質Xu・タンパク質Xsのどちらも導入しないもの、あるいはどちらか一方のみを導入したものに、青色光を照射し、GFPの有無を観察した。なお、GFPの有無は、青色光を照射したときの、緑色蛍光の有無で判断できる。
タンパク質Xu・タンパク質Xsの働きについての仮説
a タンパク質Xuは、シャペロンAタンパク質を分解する。
b タンパク質Xsは、シャペロンAタンパク質を分解する。
c タンパク質Xuは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
d タンパク質Xsは、シャペロンAのmRNAの合成を促進する。
その仮説を検証するための実験
e タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンAタンパク質と結合するか調べる。
f タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するか調べる。
- a、e
- a、f
- b、e
- b、f
- c、e
- c、f
- d、e
- d、f
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、実験結果からタンパク質Xu・Xsの働きを推測し、その仮説を確かめるための追加実験を考える問題です。
ポイントは、
①GFPが光るがどうかで、シャペロンA遺伝子が転写されたかを判断できる。
②転写を促進するタンパク質を調べるには、プロモーターや転写調節領域への作用を調べる。
という点です。
<実験2で何を調べているか>
今回の実験では、シャペロンA遺伝子のプロモーター・転写調節領域+GFP遺伝子を組み込んだプラスミドを細胞に導入しています。
つまり、シャペロンA遺伝子が転写される→GFP遺伝子も一緒に転写される→GFPが作られる→青色光を当てると緑色に光るという仕組みです。
よって、緑色蛍光がでる=シャペロンA遺伝子の転写が促進されたと判断できます。
<実験結果から考える>
結果は、
・Xuを導入→緑色蛍光なし
・Xsを導入→緑色蛍光あり
・どちらも導入しない→緑色蛍光なし
タンパク質Xsを入れたときだけGFPが作られたため、タンパク質XsはシャペロンA遺伝子の転写を促進すると考えられます。
つまり、
d:タンパク質Xsは、シャペロンAのmRNAの合成を促進すると言えます。
また、a・bでは、「XuやXsがシャペロンAタンパク質を分解する」と考えています。
しかし、今回の実験で見ているのは、シャペロンA遺伝子の転写が起こるかどうかです。
もし、XuやXsがシャペロンAタンパク質を分解するだけなら、GFP遺伝子の転写には影響しません。その場合、GFPは作られるはずですが、実際にはXuでは蛍光が見られません。
よって、a・bは誤りとなります。
<仮説をさらに検証する実験>
支持された仮設は、「XsがシャペロンA遺伝子の転写を促進する」というものです。
では、Xsがどのように転写を促進するのかを調べる必要があります。
転写を調節する場合、タンパク質は通常。プロモーターと転写調節領域に結合して働きます。したがって、調べるべきなのは、f:タンパク質Xu・XsがシャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するかです。
一方、e:シャペロンAタンパク質と結合するか調べる」では、タンパク質の分解や修飾などを調べる事になり、今回分かった「転写促進」という働きを直接検証するものではないので、誤りとなります。
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02
この問題は、実験結果から支持される仮説と、その仮説をさらに検証するための適切な実験計画を選択する問題です。
シャペロンA遺伝子のプロモーターと転写調節領域を含むDNAを、緑色蛍光タンパク質(以下、GFP)の遺伝子につなげたプラスミドを導入しているため、シャペロンA遺伝子を転写する際にGFP遺伝子も転写されます。
導入したタンパク質がない時には緑色蛍光がないことから、そのままではシャペロンA遺伝子が転写されないことがわかります。
タンパク質Xsを導入した場合のみ緑色蛍光があったため、タンパク質XsがシャペロンA遺伝子の転写を促進していることがわかります。
タンパク質Xuを導入した際にも緑色蛍光がなかったことから、タンパク質XuはシャペロンA遺伝子の転写を促進していないことがわかります。
もしタンパク質Xuやタンパク質XsがシャペロンAタンパク質を分解するという仮説であれば、GFPタンパク質は作られているので、緑色蛍光はあるはずです。
このことから、タンパク質Xsが、シャペロンAのmRNAの合成を促進していることが考えられます。
また、この仮説を検証するためには、転写段階でのタンパク質Xu・タンパク質Xsの作用を調べればよいので、タンパク質Xu・タンパク質Xsが、シャペロンA遺伝子のプロモーターや転写調節領域に結合するかを調べる必要があります。
よって、【d】と【f】の組み合わせが正解となります。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
不適です。
正解です。
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