共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問54 (生物基礎(第3問) 問4)
問題文
日本産のトキは、かつて日本各地に生息していたが、(b)絶滅した。その後、中国産のトキの人工繁殖により生まれた若鳥が佐渡島に再導入されている。里山におけるトキの採餌行動を観察したところ、採餌場所については図2の結果が、餌として利用している生物については図3の結果が得られた。また、餌となる生物の生態について観察結果1が得られた。
観察結果1
夏や秋に水路で観察されたドジョウは、春に水田や休耕田で繁殖していた。春に水田で見られたオタマジャクシの成体は、夏に周辺の森林で観察された。
図2、図3、および観察結果1に基づいて、次の環境d〜fと、環境を構成する水田や森林など複数の要素間のつながりⅠ・Ⅱのうち、トキが安定的に餌を獲得できる環境として最も適していると考えられるものはどれか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
d 人の活動により、水田や畔だけでなく、水路や森林が維持されている環境
e 稲作が盛んな水田と畔のみが一面に広がる環境
f 人が近づかない、休耕田と耕作放棄地からなる環境
Ⅰ 複数の要素が互いに隣接し、生物の移動が容易である。
Ⅱ 複数の要素が適度に離れて配置され、それぞれの要素内で独自の生態系が成り立っている。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問54(生物基礎(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
日本産のトキは、かつて日本各地に生息していたが、(b)絶滅した。その後、中国産のトキの人工繁殖により生まれた若鳥が佐渡島に再導入されている。里山におけるトキの採餌行動を観察したところ、採餌場所については図2の結果が、餌として利用している生物については図3の結果が得られた。また、餌となる生物の生態について観察結果1が得られた。
観察結果1
夏や秋に水路で観察されたドジョウは、春に水田や休耕田で繁殖していた。春に水田で見られたオタマジャクシの成体は、夏に周辺の森林で観察された。
図2、図3、および観察結果1に基づいて、次の環境d〜fと、環境を構成する水田や森林など複数の要素間のつながりⅠ・Ⅱのうち、トキが安定的に餌を獲得できる環境として最も適していると考えられるものはどれか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
d 人の活動により、水田や畔だけでなく、水路や森林が維持されている環境
e 稲作が盛んな水田と畔のみが一面に広がる環境
f 人が近づかない、休耕田と耕作放棄地からなる環境
Ⅰ 複数の要素が互いに隣接し、生物の移動が容易である。
Ⅱ 複数の要素が適度に離れて配置され、それぞれの要素内で独自の生態系が成り立っている。
- d、Ⅰ
- e、Ⅰ
- f、Ⅰ
- d、Ⅱ
- e、Ⅱ
- f、Ⅱ
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この過去問の解説 (3件)
01
トキの生息環境について、問題文と図から以下のことが分かります。
・水田や畔、水路、草地など季節ごとに餌場を変えて餌を採っている。
・ドジョウ(春に水田で繁殖、夏~秋は水路に移動して生息)を年間を通じてよく食べる。
・冬期間によく食べるカエルは、春に水田で繁殖(おたまじゃくし)し、夏にかけて森林に移動する。
以上を参考に各選択肢を見ていきましょう。
【環境】
d:適切です。
トキは季節ごとに様々な餌場で餌を採るため、人間の手が入った水田や畔、水路、森林が維持されている環境が住みやすいと考えられます。
e:不適です。
トキは水田や畔以外でも餌を採るため、水田だけでは適切とはいえません。特に、夏は耕作放棄地や休耕田、草地での採餌の割合が増えます。
f:不適です。
トキは春・秋・冬は水田で餌を採る割合が高ため、水田がある環境が必要だといえます。
【要素間のつながり】
Ⅰ:適切です。
トキの餌となるドジョウやカエルは複数の環境要素を移動して生息しています。要素間の生物の移動がしやすいことが餌の安定的な確保につながると考えられます。
Ⅱ:不適です。
環境要素が分断されてしまうと、餌にしている生物の繁殖や生息が難しくなると考えられます。
したがって答えは、dとⅠです。
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02
観察結果1と図2,図3より、トキは水田・水路・休耕田・耕作放棄地・森林など、複数の環境を利用して採餌していることが分かります。また、ドジョウやオタマジャクシなどの餌生物は、季節に応じて水田・水路・森林などを移動しながら生活しています。
このような生態を踏まえると、トキが安定的に餌を獲得するためには、餌生物が移動できるように複数の環境が空間的に連続していることが重要となります。
各選択肢を見ていきましょう。
d
水田・畔・水路・森林が維持されており、複数の環境が存在し、かつ人の管理によりそれらが連続的に保たれているため、餌生物の移動が可能となります。
よって、トキにとって安定的な採餌環境となるので、正しいと言えます。
e
水田と畔のみで構成され、環境の種類が少なく、森林や水路との連続性がないため、餌生物の移動範囲が限定されるので、誤りとなります。
f
休耕田や耕作放棄地のみで構成され、人の管理もなく環境の多様性や連続性に乏しいため、餌生物の安定的な供給が難しいので、誤りとなります。
Ⅰ
ドジョウやオタマジャクシの移動からも、このような環境が必要となるので、正しいと言えます。
Ⅱ
生物の移動が困難となり、トキの採餌が不安定となるので、誤りとなります。
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03
観察結果1より、ドジョウやオタマジャクシの成体は季節によって水路、水田、休耕田、森林などを移動しながら生活していることがわかります。
図2より、トキは季節に応じて水田、耕作放棄地、休耕田、水路、畔など複数の環境で採餌していることがわかります。また図3より、ドジョウは通年食餌されているが、餌となる生物の種類は季節によって異なることがわかります。
したがって、トキが安定的に餌を獲得するには、水田・水路・森林など複数の要素が隣接しており、餌となる生物が移動できる環境が適しています。
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