共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問155 (生物(第5問) 問3(2))

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問題

共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問155(生物(第5問) 問3(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

ショウジョウバエでは、タンパク質XのmRNAは、(a)母性因子の遺伝子(母性効果遺伝子)(以下、母性遺伝子)から転写され、卵の後端の細胞質に蓄えられる。卵が産みだされると、このmRNAからタンパク質Xが翻訳され、発生を開始した卵(以下、胚)の後端から前方の領域にかけて(b)タンパク質Xの濃度勾配が生じ、タンパク質Xの濃度が一定以上になった領域に腹部が形成される。

母性遺伝子の働きを明らかにするため、ショウジョウバエを用いて実験1~3を行った。

実験1  卵形成に先立って、タンパク質Xをつくる母性遺伝子Xの働きを失わせた雌から産みだされた卵を発生させたところ、腹部は形成されず、孵化(ふか)しなかった。

実験2  腹部形成の制御には、母性遺伝子Xとは別の母性遺伝子Yも関わることが分かっている。卵形成に先立って、母性遺伝子Xの働きと母性遺伝子Yの働きをともに失わせた雌から産みだされた卵を発生させたところ、腹部が形成された。

実験3  母性遺伝子Yから転写されるmRNAの分布と、タンパク質Yの分布とを調べた。正常な発生の過程では、タンパク質YのmRNAは、卵の全域に分布するが、タンパク質Yは、腹部が形成される領域に分布しないことが分かった。そこで、この領域でタンパク質Yを強制的に合成させたのち卵を発生させたところ、腹部が形成されなかった。

次の記述d〜hのうち、実験1~3の結果から導かれるタンパク質Xの働きに関する考察に矛盾しない、タンパク質Xの性質に関する推論として最も適当なものを後の選択肢のうちから一つ選べ。

d  正常な胚において、タンパク質Xは、腹部形成に必要なタンパク質Yの合成を促進するので、腹部が形成される。
e  正常な胚において、タンパク質Xは、タンパク質Yと結合するので、腹部が形成される。
f  正常な胚において、タンパク質Xは、腹部形成を阻害するタンパク質Yの合成を抑制するので、腹部が形成される。
g  タンパク質Xの働きを失わせても、腹部が形成されることがある。
h  タンパク質Xの働きを失わせると、腹部が形成されることはない。
  • タンパク質Xは、タンパク質Yをつくる遺伝子YのDNAに結合する。
  • タンパク質Xは、タンパク質YのmRNAに結合する。
  • タンパク質Xは、タンパク質Yに結合する。
  • タンパク質Xは、タンパク質Yを細胞外に分泌させる。

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この過去問の解説 (2件)

01

Yは腹部形成の抑制効果……①

Xは腹部形成の促進効果をもち、Yの抑制効果を上回る効果……②

母性遺伝子Yによって形成されるたんぱく質Yは腹部形成を阻止する……①’

前問の解説で上の三要素が実験からわかると示しました。

 

特にXについての考察は②であり、これに矛盾しない選択肢を選びます。

選択肢2. タンパク質Xは、タンパク質YのmRNAに結合する。

mRNAに結合することは生成の妨害であり、②よりXがYの作用を妨害することがわかるから正しいといえます。

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02

実験3の問題文に着目しましょう。「タンパク質YのmRNAは卵の全域に分布する」とあるので、タンパク質Xは転写抑制には影響しません。また、タンパク質Yを強制的に合成させた際は、腹部が形成されています。したがって、タンパク質Xは翻訳を阻害していると考えられます。翻訳阻害に該当するのはmRNAに結合する選択肢のみです。

選択肢2. タンパク質Xは、タンパク質YのmRNAに結合する。

正しいです。

まとめ

状況を分析して実験文と照らし合わせて、一つずつ検証してみましょう。

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