大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問117 (生物(第2問) 問2)
問題文
哺乳類では、卵の細胞膜の外側は、複数のタンパク質を含む卵膜と呼ばれる膜で取り囲まれている。受精の際には、精子はまず卵膜に結合し、その後、卵に進入する。卵膜は、その卵と同じ種の精子のみが結合できる仕組みや、(a)受精後、それ以上の精子が卵に進入しないようにする仕組みに関わっている。また、卵膜は、受精後もしばらくの間は胚を取り囲み、胚を保護する。
哺乳類の卵膜に含まれるタンパク質Xについて、卵膜と精子との結合における働きを調べるため、2種の哺乳類(種A、種B)を用いて実験1・実験2を行った。
実験1
タンパク質Xの働きを失わせた種A(以下、変異体x)から未受精卵を得た。さらに、変異体xに種Aのタンパク質X(以下、XA)や種Bのタンパク質X(以下、XB)の遺伝子を導入して、卵膜にXA、XB、またはXAとXBの両方を発現する未受精卵を得た。各未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aまたは種Bの精子を加え、卵膜に精子が結合するか調べたところ、表1の結果が得られた。
実験2
図1は、タンパク質Xと、タンパク質Xの一部に相当するポリペプチドPを模式的に示したものである。変異体xに種AのポリペプチドP(以下、PA)、または種BのポリペプチドP(以下、PB)の遺伝子を導入して、卵膜にPAまたはPBを発現する未受精卵を得た。各未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aまたは種Bの精子を加え、卵膜に精子が結合するか調べたところ、表2の結果が得られた。
下線部(a)に関連して、種Aでは、受精後、精子が卵膜に結合しなくなる。これには、タンパク質Wが関わっていることが分かっている。タンパク質Wがどのように関わっているかを調べるため、種Aを使って実験3を行った。実験3から導かれる、タンパク質Wの働きについての考察として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験3
種Aの野生型(以下、野生型)の未受精卵、またはタンパク質Wの働きを失わせた変異体(以下、変異体w)の未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aの精子を加え、受精卵を得た。その後、それぞれの受精卵の観察を続けたところ、野生型の受精卵への精子の結合は見られなくなったが、変異体wの受精卵には多くの精子が結合していた。そこで、それぞれの未受精卵と受精卵の卵膜に存在するタンパク質XAの分子の数を調べたところ、どの卵の卵膜にも同程度の数のタンパク質XAが存在していた。次に、それぞれの未受精卵と受精卵の卵膜に存在するタンパク質XAの長さを調べた。図2は、その結果を示したものである。
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問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問117(生物(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
哺乳類では、卵の細胞膜の外側は、複数のタンパク質を含む卵膜と呼ばれる膜で取り囲まれている。受精の際には、精子はまず卵膜に結合し、その後、卵に進入する。卵膜は、その卵と同じ種の精子のみが結合できる仕組みや、(a)受精後、それ以上の精子が卵に進入しないようにする仕組みに関わっている。また、卵膜は、受精後もしばらくの間は胚を取り囲み、胚を保護する。
哺乳類の卵膜に含まれるタンパク質Xについて、卵膜と精子との結合における働きを調べるため、2種の哺乳類(種A、種B)を用いて実験1・実験2を行った。
実験1
タンパク質Xの働きを失わせた種A(以下、変異体x)から未受精卵を得た。さらに、変異体xに種Aのタンパク質X(以下、XA)や種Bのタンパク質X(以下、XB)の遺伝子を導入して、卵膜にXA、XB、またはXAとXBの両方を発現する未受精卵を得た。各未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aまたは種Bの精子を加え、卵膜に精子が結合するか調べたところ、表1の結果が得られた。
実験2
図1は、タンパク質Xと、タンパク質Xの一部に相当するポリペプチドPを模式的に示したものである。変異体xに種AのポリペプチドP(以下、PA)、または種BのポリペプチドP(以下、PB)の遺伝子を導入して、卵膜にPAまたはPBを発現する未受精卵を得た。各未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aまたは種Bの精子を加え、卵膜に精子が結合するか調べたところ、表2の結果が得られた。
下線部(a)に関連して、種Aでは、受精後、精子が卵膜に結合しなくなる。これには、タンパク質Wが関わっていることが分かっている。タンパク質Wがどのように関わっているかを調べるため、種Aを使って実験3を行った。実験3から導かれる、タンパク質Wの働きについての考察として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
実験3
種Aの野生型(以下、野生型)の未受精卵、またはタンパク質Wの働きを失わせた変異体(以下、変異体w)の未受精卵を入れたペトリ皿に、種Aの精子を加え、受精卵を得た。その後、それぞれの受精卵の観察を続けたところ、野生型の受精卵への精子の結合は見られなくなったが、変異体wの受精卵には多くの精子が結合していた。そこで、それぞれの未受精卵と受精卵の卵膜に存在するタンパク質XAの分子の数を調べたところ、どの卵の卵膜にも同程度の数のタンパク質XAが存在していた。次に、それぞれの未受精卵と受精卵の卵膜に存在するタンパク質XAの長さを調べた。図2は、その結果を示したものである。
- タンパク質Wは、タンパク質XAの卵からの分泌を抑制する。
- タンパク質Wは、タンパク質XAの翻訳を抑制する。
- タンパク質Wは、タンパク質XAと複合体を形成する。
- タンパク質Wは、タンパク質XAの一部を切断する。
- タンパク質Wは、タンパク質XAの遺伝子の転写を抑制する。
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