大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問122 (生物(第3問) 問4)
問題文
トゲウオ科の魚の種Aには、主として海洋に棲息する集団(以下、海洋型)と、淡水域に隔離されて棲息し、海洋型から遺伝的に分化した集団(以下、淡水型)とが存在する。海洋型は、図1のように(a)腹びれが棘(とげ)状になった腹棘(ふくきょく)と、胴部によろいのような硬い鱗板(りんばん)とを形成するが、淡水型ではどちらも喪失している。
様々な実験の結果、種Aの淡水型での腹棘の喪失は遺伝子Xが原因であると考えられた。遺伝子Xからつくられるタンパク質Xは調節タンパク質である。また、遺伝子Xから転写されたmRNAは、海洋型の個体では頭部と腹部で観察されたのに対し、淡水型の個体では頭部でのみ観察された。
種Aの淡水型への分化を引き起こした遺伝子Xの変化について調べるため、次の仮説を立てた。それをもとに実験1・実験2を行って、得られた結果からこの仮説が正しいことを証明した。実験2の文章中のエ~カに入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
仮説:タンパク質Xは、淡水型か海洋型かによらず、腹棘の形成に必要な全ての遺伝子を活性化できる。淡水型で腹棘を喪失した原因となった突然変異は、ゲノム上でタンパク質Xのアミノ酸配列を指定している領域以外で生じた。
実験1
種Aの( ア )の遺伝子Xの( イ )、プロモーター、および緑色蛍光タンパク質をつくる遺伝子(以下、GFP遺伝子)を結合したプラスミドPを、( ウ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、その受精卵から発生した個体では、頭部と腹部で蛍光が観察された。他方、( ウ )の遺伝子Xの( イ )、プロモーター、およびGFP遺伝子を結合したプラスミドQを、( ウ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、頭部で蛍光が観察される個体が得られたが、腹部で蛍光が観察される個体は得られなかった。
実験2
実験1のプラスミドPのGFP遺伝子を( エ )のタンパク質Xのアミノ酸配列を指定するDNA断片に置き換えたプラスミドSを作製し、( オ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、その受精卵から発生した個体は、腹棘を形成( カ )。
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問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問122(生物(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
トゲウオ科の魚の種Aには、主として海洋に棲息する集団(以下、海洋型)と、淡水域に隔離されて棲息し、海洋型から遺伝的に分化した集団(以下、淡水型)とが存在する。海洋型は、図1のように(a)腹びれが棘(とげ)状になった腹棘(ふくきょく)と、胴部によろいのような硬い鱗板(りんばん)とを形成するが、淡水型ではどちらも喪失している。
様々な実験の結果、種Aの淡水型での腹棘の喪失は遺伝子Xが原因であると考えられた。遺伝子Xからつくられるタンパク質Xは調節タンパク質である。また、遺伝子Xから転写されたmRNAは、海洋型の個体では頭部と腹部で観察されたのに対し、淡水型の個体では頭部でのみ観察された。
種Aの淡水型への分化を引き起こした遺伝子Xの変化について調べるため、次の仮説を立てた。それをもとに実験1・実験2を行って、得られた結果からこの仮説が正しいことを証明した。実験2の文章中のエ~カに入る語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
仮説:タンパク質Xは、淡水型か海洋型かによらず、腹棘の形成に必要な全ての遺伝子を活性化できる。淡水型で腹棘を喪失した原因となった突然変異は、ゲノム上でタンパク質Xのアミノ酸配列を指定している領域以外で生じた。
実験1
種Aの( ア )の遺伝子Xの( イ )、プロモーター、および緑色蛍光タンパク質をつくる遺伝子(以下、GFP遺伝子)を結合したプラスミドPを、( ウ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、その受精卵から発生した個体では、頭部と腹部で蛍光が観察された。他方、( ウ )の遺伝子Xの( イ )、プロモーター、およびGFP遺伝子を結合したプラスミドQを、( ウ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、頭部で蛍光が観察される個体が得られたが、腹部で蛍光が観察される個体は得られなかった。
実験2
実験1のプラスミドPのGFP遺伝子を( エ )のタンパク質Xのアミノ酸配列を指定するDNA断片に置き換えたプラスミドSを作製し、( オ )の受精卵の染色体に組み込んだところ、その受精卵から発生した個体は、腹棘を形成( カ )。
- エ:海洋型 オ:海洋型 カ:した
- エ:海洋型 オ:海洋型 カ:しなかった
- エ:海洋型 オ:淡水型 カ:した
- エ:海洋型 オ:淡水型 カ:しなかった
- エ:淡水型 オ:海洋型 カ:した
- エ:淡水型 オ:海洋型 カ:しなかった
- エ:淡水型 オ:淡水型 カ:した
- エ:淡水型 オ:淡水型 カ:しなかった
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題を解く上で大切なのは、明らかにすべき仮説の題に沿った実験であるかどうかです。今回の場合は転写調節領域の変異が、腹棘の形成を妨げていることを証明したいので、淡水型の遺伝子Xを海洋型の転写調節領域と合わせたプラスミドを作る必要があります。また、これを淡水型の受精卵に組み込む事で、転写調節領域以外の条件を揃えます。よって、エ:淡水型、オ淡水型、カした、になります。
正解です。
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02
実験1より、海洋型の転写調節領域の支配下で、淡水型のタンパク質Xを淡水型の個体に発現させたときに腹棘が形成されたことから、淡水型における腹棘の喪失は、タンパク質Xのアミノ酸配列の変化ではなく、遺伝子Xの発現調節領域の変化によるものであると結論づけられます。そのため、エには「淡水型」、オには「淡水型」、カには「した」が入ります。
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