共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問2 (物理基礎(第1問) 問2)
問題文
床に静止している質量mの小物体に、大きさFの一定の力を加え続けて、小物体を鉛直上方に運動させた。この小物体が、床からの高さhの点を通過したときの、小物体の運動エネルギーを表す式として正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、重力加速度の大きさをgとし、空気抵抗は無視できるものとする。
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問題
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共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問2(物理基礎(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
床に静止している質量mの小物体に、大きさFの一定の力を加え続けて、小物体を鉛直上方に運動させた。この小物体が、床からの高さhの点を通過したときの、小物体の運動エネルギーを表す式として正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、重力加速度の大きさをgとし、空気抵抗は無視できるものとする。
- 0
- mgh
- Fh
- (F-mg)h
- (F+mg)h
- (1/2)mF2
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は「(F−mg)h」です。
この問題は鉛直方向での仕事に関する問題のため、以下の2種類の考え方があります。
①仕事をされたものは、同じだけの仕事をする能力をもつ
②鉛直方向上向きの移動のため、小物体は位置エネルギーを獲得する(=位置エネルギーを運動エネルギーに変換できるため、運動エネルギーの式と同じになる)
仕事も位置エネルギー(運動エネルギー)も単位はJ(ジュール)のため、このような2通りの考え方でも同じ結論に至ります。
①の考え方では、
仕事=力×距離
となります。
小物体に働く力は、上向きの力Fと下向きの力mgであり、距離は高さhです。
そのため、
仕事=力(F−mg)×距離(h)
となります。
②の考え方では、
位置エネルギー=質量×加速度×高さ
と考えられます。
また、
力=質量×加速度
です。
この2点を鑑みて、
位置エネルギー=Fh+(−mg)h=(F−mg)h
と表せます。
鉛直方向に高さをもつ小物体の位置エネルギーは一般的に「mgh」と表しますが、当問では「力Fが働いている方向にはh上がり、力mgが働いている方向からはh下がった」状況のため、(F−mg)hとなります。
小物体を丸や四角として書き、鉛直方向にFとmgの矢印を書くと、ふたつの矢印は正反対を向くことになりわかりやすいでしょう。
ちなみに今回は力Fのほうへ進んだため(F−mg)hとなっています。
もし「力Fで押し上げたが重力に負け」という状況で「鉛直方向上向きを正」として式を立てると、解答は−(F−mg)hとなります。
不適当です。
重力を受け、仕事をされている小物体のエネルギーが0とは、なかなか考えません。
動いているものは、それだけで「自分の動いているエネルギーを使って、自分が止まることになっても相手を動かせるだけのエネルギーをもつ」と考えます。
そのため、重力と仕事を受けながら高さhを「通過」している小物体は「移動中」のため、なにかしらのエネルギーをもちます。
不適当です。
重力による位置エネルギーだけを考えれば良い場合の式としては正しいです。
しかし、仕事を受けている場合は仕事の分も考えなければなりません。
また、当問の場合、重力とは逆向きにhの移動となっています。
鉛直方向上向きを正として立式するならば、-mghとなります。
それでもやはり、仕事を考慮できていないため、不適当となります。
不適当です。
(仕事)=(力)×(距離)
と考えての立式です。
しかし当問では、この考え方をするならば、重力による仕事についても考えなければなりません。
そうすると、解説冒頭のように、力は(F-mg)となります。
適当です。
不適当です。
仕事と重力、きちんと考えられています。
しかし、仕事と重力が同じ向きにはたらいたことになっています。
逆向きであることを忘れないために、問題の端に小さくてかまわないので図を描きましょう。
四角に上向きの力Fと下向きの重力mgを描けば、立式の際にも間違えなくなります。
不適当です。
運動エネルギーの変化はたしかに
(運動後のエネルギー)ー(運動前のエネルギー)
として算出し、式の形は
(1/2)mv2
となることが多いです。
しかしながら、この「v」は(運動後の速さ)2ー(運動前の速さ)2としてまとめられているものであり、今回のような力Fを加え続けている状態で、力Fを用いての立式には不適当です。
公式ばかり覚えていると、当問のような、どこかで見覚えのある選択肢で迫られた際に誤答しやすくなります。
たとえ運動エネルギーの式を尋ねられても、図を描いて、力の方向を考えて、移動量(高さ)を考えて、と地道にやってみましょう。
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02
この問題は力学的エネルギーの保存に関する問題です。物体にされた仕事の合計は運動エネルギーの変化に等しいので
一定の力がした仕事:Fh
重力がした仕事:-mgh
Fh+(ーmgh)=(F-mg)h
よってhでの運動エネルギーは(F-mg)hになります。
よってこの選択肢が正解となります。
重力のした仕事は運動方向と逆になるので-になります。方向を間違えてしまわないよう気を付けましょう。
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03
解答 (F-mg)h
簡潔な解説①
一定の力Fのする仕事はFhです。
その仕事のうちmghは位置エネルギーとして蓄えられます。
残ったFh-mghが運動エネルギーになります。
よって答えは (F-mg)h となります。
簡潔な解説②
物体は鉛直上向きに一定の力(F-mg)の合力を受けます。
床からまっすぐhだけ持ち上げられるので、この力による仕事は
(F-mg)hです。この仕事がすべて運動エネルギーになるので、
答えは (F-mg)h となります。
詳細な解説(計算で求める方法)
物体の加速度をaとし、運動方程式を立てます。
ma=F-mg (鉛直上向きを正)
より、a=(F-mg)/m
等加速度直線運動の公式
「v2-v02=2ax」にv0=0,x=hと上記のaを代入して
v2=2(F-mg)h/m
変形して
(1/2)mv2=(F-mg)h
よって答えは (F-mg)h となります。
この選択肢が正解となります。
エネルギーを直接考えるのが苦手な場合でも、この問題では
運動方程式→加速度→速度→運動エネルギー
の流れで求めることができます。
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