共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問10 (物理基礎(第2問) 問6)
問題文
平らな板と物体の間にはたらく摩擦力について考える。
図5のように、板が水平面となす角θをθcより大きくした状態で板を固定し、物体を静かに置くと、物体は板の上をすべり下りた。このとき、後の文章中の空欄( ア )・( イ )に入れる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
高さhだけ板の上をすべり下りる間に重力が物体にした仕事の大きさはθによらず等しく、動摩擦力が物体にした仕事の大きさは( ア )。高さhだけすべり下りたときの物体の速さは( イ )。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問10(物理基礎(第2問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
平らな板と物体の間にはたらく摩擦力について考える。
図5のように、板が水平面となす角θをθcより大きくした状態で板を固定し、物体を静かに置くと、物体は板の上をすべり下りた。このとき、後の文章中の空欄( ア )・( イ )に入れる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
高さhだけ板の上をすべり下りる間に重力が物体にした仕事の大きさはθによらず等しく、動摩擦力が物体にした仕事の大きさは( ア )。高さhだけすべり下りたときの物体の速さは( イ )。
- ア:θによらず、等しい イ:θによらず、等しい
- ア:θによらず、等しい イ:θが大きいほど、大きい
- ア:θによらず、等しい イ:θが大きいほど、小さい
- ア:θが大きいほど、大きい イ:θによらず、等しい
- ア:θが大きいほど、大きい イ:θが大きいほど、大きい
- ア:θが大きいほど、大きい イ:θが大きいほど、小さい
- ア:θが大きいほど、小さい イ:θによらず、等しい
- ア:θが大きいほど、小さい イ:θが大きいほど、大きい
- ア:θが大きいほど、小さい イ:θが大きいほど、小さい
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題でおさえておきたいポイントは、「仕事の定義」です。
力Fのした仕事Wは次の式で求めることができます。
W = F × L
このとき L は力の方向に動いた距離です。
では本問題をみてみましょう。
本問題は空欄補充の形式となっており、アとイの2か所を埋める必要があります。
まず空欄アについてです。アは動摩擦力のした仕事です。物体の質量をm、重力加速度をg、物体と斜面の間における動摩擦係数をμ'とすると、動摩擦力の大きさはμ'mgcosθと表せます。
あとは斜面にそって進んだ距離が分かればいいわけです。
三角比を用いると、その距離Lはh/sinθと求められます。
したがって、
W = μ'mgcosθ × h/sinθ
= μ'mgh/tanθ
と求めることができます。
(定数)÷tanθ の形をしています。tanθは、今回のような0~90°の範囲では単調に増加します(θが増える=tanθが増える)。
したがって、θが大きくなるほど仕事は小さくなります。
(直接的に言えば、摩擦力のした仕事の大きさはたいていの場合、距離に比例し垂直抗力の大きさに反比例します。)
次に空欄イについてです。
高さhだけすべり降りたときの物体の速さについて求める問題です。
物体の速さを求める方法はいくつかあります。
例えば、運動方程式から加速度を求めて等加速度運動の公式を用いる方法です。
これは手順が多く計算ミスを誘発しやすいです。そこで今回は空欄アで仕事を求めていることもあるので、エネルギーの利用を行いましょう。
すべりおりる前、物体もともと持っていたエネルギーは位置エネルギーです。
すべることでそのエネルギーを、運動エネルギーと摩擦力のした仕事に変換しています。
位置エネルギーをU、運動エネルギーをK、摩擦力のした仕事をWとすると、
U = K + W
と表すことができます。
ここでアより、θが大きいほどWが小さくなることが分かっています。
K = U - W であるため、θが大きいほどKも大きくなることが分かります。
運動エネルギーが増加するということは速度が増加するということです。つまりθが大きくなるほど速さvも大きくなるということです。
これが正しい選択肢となります。
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02
解答 ア:θが大きいほど、小さい イ:θが大きいほど、大きい
アの解説
動摩擦係数をμ'、物体の質量をm、重力加速度の大きさをgとします。
動摩擦力がした仕事の大きさをWとします。
W=(動摩擦力の大きさ)×(移動距離)
=μ'mgcosθ×h/sinθ
=μ'mgh/tanθ
となります。
鋭角の範囲ではθが大きいほど、tanθは大きいので、
θが大きいほど1/tanθは小さく、
ひいてはWはθが大きいほど小さくなります。
よって ア: θが大きいほど、小さい となります。
イの解説
運動エネルギーと仕事の関係を問う問題です。
hだけ滑り降りたときの物体の運動エネルギーをKとすると、
K = −W + mgh
となります。
アよりWはθが大きいほど小さくなりますから、
運動エネルギーKはθが大きいほど大きくなり、
ひいてはそのときの速さはθが大きいほど大きくなります。
よって答えは θが大きいほど、大きい となります。
この選択肢が正解となります。
動摩擦力の仕事は常に負になることに注意しましょう。
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