共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問50 (生物基礎(第3問) 問1)
問題文
土壌中に存在する生きている種子を埋土種子(まいどしゅし)という。(a)埋土種子の種類や量は、その場所の植生や環境などによって異なる。(b)植生が破壊されるような撹乱(かくらん)が起こっても、土壌が残っていれば再び植生が形成されやすく、このとき埋土種子が大きな役割を果たす場合が多い。
下線部(a)に関連して、埋土種子の量は、一般的に農耕地で多く極相林では少ない。そこで、夏緑樹からなる極相林の優占種であるミズナラと、農耕地でよく見られる一年生の雑草であるシロザとで、種子の性質を比較するため、実験1・実験2を行った。
実験1
ミズナラとシロザの健全な種子をそれぞれの結実期に採集し、光の届かない土の中に埋めた。その後、定期的に発芽の有無を確認したところ、ミズナラでは、埋めてから1か月後にほとんど全ての種子が発芽していた。他方、シロザでは、埋めてから1か月後だけでなく、15か月後と27か月後でもほとんどの種子が発芽していなかった。
実験2
実験1で得られた、土の中に埋めてから1か月後、15か月後、および27か月後のシロザの未発芽種子を、湿ったろ紙の上に並べ、それぞれ明るい条件と暗い条件に置いた。2週間後に発芽率を調べたところ、表1の結果が得られた。
実験1・実験2の結果に基づく考察として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問50(生物基礎(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
土壌中に存在する生きている種子を埋土種子(まいどしゅし)という。(a)埋土種子の種類や量は、その場所の植生や環境などによって異なる。(b)植生が破壊されるような撹乱(かくらん)が起こっても、土壌が残っていれば再び植生が形成されやすく、このとき埋土種子が大きな役割を果たす場合が多い。
下線部(a)に関連して、埋土種子の量は、一般的に農耕地で多く極相林では少ない。そこで、夏緑樹からなる極相林の優占種であるミズナラと、農耕地でよく見られる一年生の雑草であるシロザとで、種子の性質を比較するため、実験1・実験2を行った。
実験1
ミズナラとシロザの健全な種子をそれぞれの結実期に採集し、光の届かない土の中に埋めた。その後、定期的に発芽の有無を確認したところ、ミズナラでは、埋めてから1か月後にほとんど全ての種子が発芽していた。他方、シロザでは、埋めてから1か月後だけでなく、15か月後と27か月後でもほとんどの種子が発芽していなかった。
実験2
実験1で得られた、土の中に埋めてから1か月後、15か月後、および27か月後のシロザの未発芽種子を、湿ったろ紙の上に並べ、それぞれ明るい条件と暗い条件に置いた。2週間後に発芽率を調べたところ、表1の結果が得られた。
実験1・実験2の結果に基づく考察として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
- ミズナラの種子は、土の中ですぐに発芽するため、埋土種子として長期間残りにくい。
- ミズナラの種子は、暗い林床では発芽できないが、ギャップが形成された場所では発芽する。
- シロザの種子は、土の中に埋まっている期間が短いほど、発芽率が高い。
- シロザの種子を発芽させないためには、湿った明るい場所に置いておくのがよい。
- 土の中に埋まったシロザの種子は、耕作などによって地表面に移動すると、発芽が促される。
- シロザが生えている農耕地で2年間除草すれば、シロザの埋土種子はなくなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、埋土種子に関する基礎知識がなくても、問題文と表から読み取ることができます。植物種名、表の数値の読み取りを間違えないように整理しながら解答しましょう。また、正しい選択肢を「二つ」選ぶことにも注意しましょう。
この選択肢は正しいです。
これは実験1から分かります。ミズナラは土中で1ヶ月後にはほとんどすべての種子が発芽していたことから、埋土種子としては長期間残りにくいと言えます。
この選択肢は誤りです。
ミズナラは土中で発芽していることから、暗い林床でも発芽が可能であると考えられます。
この選択肢は誤りです。
表1から、シロザを土中に埋めてから1ヶ月後の発芽率は10%であるのに対し、27ヶ月後の発芽率は40%であり、土に埋まっている期間が「長い」ほど発芽率が良いと言えます。
この選択肢は誤りです。
表1から、シロザは明るい環境で発芽していることが分かります。
この選択肢は正しいです。
表1から、シロザの埋土種子の発芽条件は明るい環境であることが推測されるため、耕作などで種子が地表面に現れることは発芽の条件を満たしていると言えます。
この選択肢は誤りです。
2年=24ヶ月です。表1から、27ヶ月土中に埋まっていた種子が発芽していることが分かるため、2年除草しても埋土種子の発芽条件が揃えば発芽すると考えられます。
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02
この問題は提示されている問題文とデータから答えを絞り込める問題です。
注意深く選択肢を検証しましょう。
これは正解です。
実験1よりミズナラは土に埋めてから1か月でほとんどの種子が発芽しています。したがって埋土種子として長期間残りません。
これは誤りです。
実験1より光の届かない土の中に埋めたミズナラの種子が、1か月後に発芽したとあるので、「暗い林床で発芽できないが」という記述は誤りです。
これは誤りです。
表1よりシロザの種子は明るい場所におくという条件下での発芽率が以下のように上がっています。
1か月後→10%
15か月後→40%
27か月後→40%
したがって「土の中に埋まっている期間が短いほど、発芽率が高い」の記述は誤りです。
これは誤りです。
表1よりシロザの種子は湿った明るい場所で発芽率が高くなることが読み取れます。
したがって「湿った明るい場所に置いておくのがよい」という記述は誤りです。
これは正解です。
シロザの種子は暗い場所では発芽しませんが、日の当たる場所で発芽する性質があるので(光発芽種子)、耕作をすることで種子が地表面に出て光を浴びると、発芽が促されます。
これは誤りです。
実験1,2よりシロザの種子は土の中で27か月埋まった状態でも、(湿った明るい場所において)40%の発芽能力を維持したまま残っています。したがって2年間除草しただけで、シロザの埋土種子がなくなることはありません。「シロザの埋土種子はなくなる」の記述は誤りです。
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