共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問134 (生物(第4問) 問2)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問134(生物(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

動物の行動に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

ミツバチの(a)ワーカー(働きバチ)は、餌場から巣に戻ると、仲間のワーカーに餌場の位置を伝えるダンスを行う。これは、(b)生得的行動の一つである。ワーカーは、(c)巣から餌場までの距離がおよそ100m以内の場合には円形ダンスを、それよりも遠い場合には8の字ダンス(尻振りダンス)を行う(図1)。仲間のワーカーは、これらのダンスから(d)餌場の位置の情報(巣からの距離や方向)を受け取る。このような行動によってミツバチの集団(以下、コロニー)は、効率よく食物を集めている。

下線部(b)について、生得的行動の例として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 雌のカイコガが分泌する性フェロモンを染み込ませたろ紙を、雄のカイコガの近くに置くと、そのろ紙に向かって羽ばたいた。
  • イヌに餌を与える直前にいつもベルを鳴らしていると、ベルの音を聞くだけで唾液を出した。
  • アメフラシの水管に弱い刺激を繰り返すと、刺激を与えても鰓(えら)を引っ込めないことが多くなった。
  • アメフラシの尾部を強く刺激すると、通常では鰓を引っ込めないような水管への弱い刺激に対しても、鰓を引っ込めるようになった。

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この過去問の解説 (3件)

01

まず、「生得的行動」とは、生まれつき備わっていて、経験や学習をしなくても行う行動のことです。

反対に、経験によって身につく行動は、「学習による行動」です。

各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 雌のカイコガが分泌する性フェロモンを染み込ませたろ紙を、雄のカイコガの近くに置くと、そのろ紙に向かって羽ばたいた。

雄のカイコガは、経験や訓練をしていなくても、雌の性フェロモンを感知すると反応します。

つまり、「性フェロモンという刺激→生まれつき備わった行動」となります。

よって、この選択肢は適当と言えます。

選択肢2. イヌに餌を与える直前にいつもベルを鳴らしていると、ベルの音を聞くだけで唾液を出した。

最初は、イヌにベルの音を聞かせても唾液を出しません。

しかし、ベル+餌を何度も組み合わせることで、ベルの音が鳴る=餌が出てくると認識させることができます。

その結果、ベルの音だけでも唾液を出す様になります。

これは、経験によって身についた行動なので、生得的行動ではありません。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

選択肢3. アメフラシの水管に弱い刺激を繰り返すと、刺激を与えても鰓(えら)を引っ込めないことが多くなった。

これは、「慣れ(慣化)」です。

同じ刺激を何度も受ける事で、「この刺激は危険ではない」と反応が弱くなります。

つまり、経験によって行動が変化しているので、生得的行動ではありません。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

選択肢4. アメフラシの尾部を強く刺激すると、通常では鰓を引っ込めないような水管への弱い刺激に対しても、鰓を引っ込めるようになった。

強い刺激を受けたことで、その後の弱い刺激にも反応するようになる現象です。

これも経験によって反応が変化する「感作」という学習です。

したがって、生まれつきの行動ではありません。

よって、この選択肢は不適当と言えます。

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02

生得的行動とは、生まれながらにもっている行動で学習の結果でないものです。
各選択肢をしていきましょう。

選択肢1. 雌のカイコガが分泌する性フェロモンを染み込ませたろ紙を、雄のカイコガの近くに置くと、そのろ紙に向かって羽ばたいた。

適切です。
フェロモンへの反応は生まれながらにもっている生得的行動です。

選択肢2. イヌに餌を与える直前にいつもベルを鳴らしていると、ベルの音を聞くだけで唾液を出した。

不適です。
「パブロフの犬」として有名な古典的条件付けの例です。条件付けは学習の一種です。

選択肢3. アメフラシの水管に弱い刺激を繰り返すと、刺激を与えても鰓(えら)を引っ込めないことが多くなった。

不適です。
同じ刺激に対して反応が減少する「慣れ」の例です。慣れは学習の一種です。

選択肢4. アメフラシの尾部を強く刺激すると、通常では鰓を引っ込めないような水管への弱い刺激に対しても、鰓を引っ込めるようになった。

不適です。
同じ刺激に対して過剰に反応するようになる「鋭敏化(感作)」の例です。鋭敏化は学習の一種です。

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03

生得的行動とは、生まれつき備わっており、経験や学習を必要としない行動です。

この問題は、生得的行動と学習行動を区別できるかを問う問題です。

選択肢1. 雌のカイコガが分泌する性フェロモンを染み込ませたろ紙を、雄のカイコガの近くに置くと、そのろ紙に向かって羽ばたいた。

正解です。

 

雄のカイコガは、雌が放出する性フェロモンを受容すると、経験や学習をしなくても雌の方向へ移動したり羽ばたいたりする行動を示します。このような行動は、生まれつき決まった刺激に対して一定の反応を示す生得的行動です。

したがって、この記述は適当です。

選択肢2. イヌに餌を与える直前にいつもベルを鳴らしていると、ベルの音を聞くだけで唾液を出した。

不適です。

 

イヌはもともとベルの音だけでは唾液を分泌しません。しかし、ベルと餌を繰り返し組み合わせて経験すると、ベルの音だけで唾液を分泌するようになります。

これは古典的条件づけによって獲得された学習行動であり、生得的行動ではありません。

したがって、この記述は不適です。

選択肢3. アメフラシの水管に弱い刺激を繰り返すと、刺激を与えても鰓(えら)を引っ込めないことが多くなった。

不適です。

 

アメフラシに弱い刺激を繰り返し与えると、その刺激に慣れて反応が弱くなります。この現象を慣れといい、最も単純な学習の一つです。

経験によって反応が変化しているため、生得的行動ではありません。

したがって、この記述は不適です。

選択肢4. アメフラシの尾部を強く刺激すると、通常では鰓を引っ込めないような水管への弱い刺激に対しても、鰓を引っ込めるようになった。

不適です。

 

尾部への強い刺激を受けた後は、弱い刺激に対しても強く反応するようになります。この現象を鋭敏化(感作)といい、経験によって反応が変化する学習の一種です。

経験によって反応が変化しているため、生得的行動ではありません。

したがって、この記述は不適です。

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