共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問137 (生物(第5問) 問1)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問137(生物(第5問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

生態系と物質生産に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

(a)物質生産の担い手は生態系によって異なり、(b)水域における物質生産の多くは、主に海洋の植物プランクトンにより行われている。また、生態系内では、生物と非生物的環境とが相互に影響を及ぼし合っている。

下線部(a)に関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • 純生産量は、海洋全体より陸地全体のほうが大きい。
  • 生産者のエネルギー効率は、呼吸量が大きいほど低い。
  • 様々な生態系のうち、森林の現存量は他の生態系と比較して小さい。
  • 生産者の成長量は、純生産量から被食量を引いたものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

生態系における物質生産についての問題です。物質生産では、似た言葉や計算式が多く出てくるので注意しましょう。
※主な物質生産の用語は「解説のまとめ」を参考にしてください。

 

各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 純生産量は、海洋全体より陸地全体のほうが大きい。

適切です。
純生産量とは、総生産量(生産者の光合成量)から呼吸量を差し引いた量です。
海洋と陸地の純生産量は同じまたは陸地の方がやや多いとされています。海洋と陸地の面積比が7:3であることを考えると、単位面積当たりでは陸地の方が純生産量が多いといえます。

選択肢2. 生産者のエネルギー効率は、呼吸量が大きいほど低い。

不適です。
生産者のエネルギー効率は、
総生産量(純生産量+呼吸量)/太陽エネルギー×100
で求められます。呼吸量は総生産量に含まれるため、呼吸量が多くてもエネルギー効率が低くなることはありません。

選択肢3. 様々な生態系のうち、森林の現存量は他の生態系と比較して小さい。

不適です。
現存量とは、単位面積あたりの生物(有機物)の総量です。
森林には植物などが密に分布していることから、現存量は海洋などと比較して多い傾向があります。

選択肢4. 生産者の成長量は、純生産量から被食量を引いたものである。

不適です。
生産者の成長量は、純生産量から被食量と枯死量を引いたものです。
※成長量=純生産量ー被食量ー枯死量。
 純生産量の式、純生産量=被食量+枯死量+成長量 を変形したもの。

まとめ

【物質生産の用語】
・総生産量:光合成でつくられた有機物の量。
・純生産量:総生産量から呼吸量を差し引いたもの。純生産量は生産者の被食量・枯死量・成長量に割り当てられる。
 ★総生産量=純生産量+呼吸量
 ★純生産量=被食量+枯死量+成長量(生産者)
・物質収支:消費者における物質の収支
 ★同化量(体の一部になった量)=食べた量ー排泄量
 ★成長量(消費者):同化量ー被食量ー呼吸量ー死滅量
・エネルギー効率:
 生産者→太陽のエネルギーのうち作り出した有機物の割合
 ★エネルギー効率(生産者)=(総生産量/太陽のエネルギー量)×100
 消費者→食べた量のうち体に吸収できた量
 ★エネルギー効率(消費者)=(同化量/捕食対象の生産量または同化量)×100
・現存量(生物量):単位面積あたりの生物(有機物)の総量

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02

この問題では、生態系における物質生産に関する知識を問うています。

選択肢1. 純生産量は、海洋全体より陸地全体のほうが大きい。

適当です。

 

純生産量とは、生産者が光合成によって生産されたエネルギーの総量(総生産量)から、呼吸によって消費されるエネルギー差し引いた量です。式で表すと以下の通りです。

純生産量=総生産量ー呼吸量

単位面積当たりの純生産量は、海洋の植物プランクトンよりも陸上の植物のほうが圧倒的に大きくなります。

そのため、地球全体で見ても陸地全体の純生産量は、海洋全体よりも大きくなります。

 

選択肢2. 生産者のエネルギー効率は、呼吸量が大きいほど低い。

不適当です。

 

生産者のエネルギー効率は、総生産量÷太陽の入射エネルギー×100の式で求められます。

つまり、「降り注いだ太陽光を、どれだけ効率よく有機物(総生産量)に変換できたか」という光合成の効率を意味しています。

呼吸量は純生産量の値に影響しますが、生産者のエネルギー効率自体には直接影響しません。

したがって、この選択肢の記述は不適当です。

選択肢3. 様々な生態系のうち、森林の現存量は他の生態系と比較して小さい。

不適当です。

 

現存量とは、ある時点で生体中に存在する有機物の量のことです。

森林は樹木などの巨大な木本植物によって構成されているため、単位面積当たり、及び地球全体における現存量は、他の生態系と比較して非常に大きいものとなります。

したがって、「小さい」とする記述は不適当です。

選択肢4. 生産者の成長量は、純生産量から被食量を引いたものである。

不適当です。

 

物質生産のバランス式において、生産者の純生産量は以下のように分配されます。

純生産量=成長量+枯死量+被食量

式を変形すると、成長量=純生産量ー枯死量ー被食量となります。

枯死量が考慮されていないので、この選択肢の記述は不適当です。

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03

この問題は、生態系における物質生産について、純生産量・エネルギー効率・現存量・成長量の関係を理解しているかを問う問題です。

選択肢1. 純生産量は、海洋全体より陸地全体のほうが大きい。

正解です。

 

純生産量とは、生産者が光合成によって生産した有機物量(総生産量)から、呼吸によって消費した有機物量を差し引いた量です。

海洋は地球表面の大部分を占めていますが、単位面積当たりの純生産量が低い海域が多くあります。

一方、陸地には森林など純生産量の大きい生態系が広く分布しています。

そのため、陸地全体の純生産量は海洋全体よりも大きくなります。

したがって、この記述は正しいです。

選択肢2. 生産者のエネルギー効率は、呼吸量が大きいほど低い。

不適です。

 

生産者のエネルギー効率は、一般に純生産量÷総生産量で表されます。

呼吸量が増えると純生産量は減少するため、総生産量が変わらない場合にはエネルギー効率は低下します。

しかし、総生産量も同時に増減する可能性があるため、「呼吸量が大きいほどエネルギー効率が低い」と一概にはいえません。

したがって、この記述は誤りです。

選択肢3. 様々な生態系のうち、森林の現存量は他の生態系と比較して小さい。

不適です。

 

現存量とは、ある時点で生態系内に存在している生物体の量です。

森林では、多くの樹木が長期間にわたって成長し、幹や枝に大量の有機物を蓄積します。そのため、森林は生態系の中でも現存量が非常に大きいことが特徴です。

したがって、「森林の現存量は小さい」という記述は誤りです。

選択肢4. 生産者の成長量は、純生産量から被食量を引いたものである。

不適です。

 

純生産量は、生産者が呼吸で消費した分を除いて生産した有機物量です。

この純生産量は、成長・被食・枯死や落葉などによる損失に配分されます。

そのため、生産者の成長量は「純生産量-被食量」だけでは表すことができません。

枯死や落葉などによって失われる量も差し引く必要があります。

したがって、「成長量は純生産量から被食量を引いたものである」という記述は誤りです。

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