共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)追・再試験
問138 (生物(第5問) 問2)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)追・再試験 問138(生物(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

生態系と物質生産に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

(a)物質生産の担い手は生態系によって異なり、(b)水域における物質生産の多くは、主に海洋の植物プランクトンにより行われている。また、生態系内では、生物と非生物的環境とが相互に影響を及ぼし合っている。

下線部(b)に関連して、図1で示された太平洋の三つの海域において、海面付近の純生産量を計測した。図2は、図1の3地点で計測された単位面積当たりの純生産量を表している。
図1・図2に関連して、海域における生物の物質生産に関する記述として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
問題文の画像
  • 日本沿岸の地点では、リン酸塩などの栄養塩類が少ないため、純生産量が大きい。
  • 日本沿岸の地点では、河川からの流入や海底から湧き上がる海水の流れがあるため、純生産量が大きい。
  • 太平洋北部の地点では、光が届かないような深い水深でも物質生産が行われるため、太平洋赤道付近と比較して純生産量が大きい。
  • 太平洋北部の地点では、日本沿岸の地点より消費者である魚類などが多く生息するため、日本沿岸と比較して純生産量が小さい。
  • 太平洋赤道付近の地点では、大陸から離れていて栄養塩類が少ないため、純生産量が小さい。
  • 太平洋赤道付近の地点では、強い光によって植物プランクトンの生育が促進されるため、純生産量が小さい。

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この過去問の解説 (3件)

01

純生産量とは、生産者が光合成でつくりだした有機物のうち、呼吸で使った分を差し引いたものです。図2から、各海域の純生産量は、日本沿岸>太平洋北部>太平洋赤道付近となっています。

 

海洋における生産者は植物プランクトンなので、各海域での植物プランクトンの生育度合い(栄養分や日照条件)がポイントです。

 

以上を参考に各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 日本沿岸の地点では、リン酸塩などの栄養塩類が少ないため、純生産量が大きい。

不適です。
沿岸部は河川などからの栄養分(リン酸塩など)が多いです。植物プランクトンが繁殖しやすく、純生産量が大きくなるといえます。

選択肢2. 日本沿岸の地点では、河川からの流入や海底から湧き上がる海水の流れがあるため、純生産量が大きい。

適切です。
沿岸部は河川から栄養素が流入します。また、風の影響を受けやすく、湧昇流(海水面の海水が風で流され、海底から栄養の多い海水が沸き上がる)が起きています。これらによって、純生産量が大きくなります。

選択肢3. 太平洋北部の地点では、光が届かないような深い水深でも物質生産が行われるため、太平洋赤道付近と比較して純生産量が大きい。

不適です。
光が届かない深海では、光合成をおこなうことが難しいため総生産量は小さくなります。

選択肢4. 太平洋北部の地点では、日本沿岸の地点より消費者である魚類などが多く生息するため、日本沿岸と比較して純生産量が小さい。

不適です。
太平洋北部は、陸地から離れているため沿岸よりも栄養分の供給が少なく、純生産量が少なくなっていると考えられます。また、沿岸部では植物プランクトンや植物プランクトンを食べる小型魚を求めて、魚類が多く集まります。

選択肢5. 太平洋赤道付近の地点では、大陸から離れていて栄養塩類が少ないため、純生産量が小さい。

適切です。
赤道付近は、陸地から離れているため栄養分の供給が乏しいといえます。栄養が少ないことで、植物プランクトンの生育が悪く純生産量も小さいといえます。

選択肢6. 太平洋赤道付近の地点では、強い光によって植物プランクトンの生育が促進されるため、純生産量が小さい。

不適です。
赤道付近は日照条件は良いですが、栄養分が乏しいです。そのため、植物プランクトンの生育は悪く、純生産量も小さくなります。

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02

この問題では、海洋の純生産量を決定する要因と、グラフのデータを照らし合わせることで正解を導き出す必要があります。

選択肢1. 日本沿岸の地点では、リン酸塩などの栄養塩類が少ないため、純生産量が大きい。

不適当です。

 

植物プランクトンが光合成(物質生産)を行うには、光エネルギーだけでなく、窒素やリン酸塩といった栄養塩類が豊富であることも必要です。

栄養塩類が少ないと純生産量は小さくなります。

したがって、この選択肢の記述は不適当です。

選択肢2. 日本沿岸の地点では、河川からの流入や海底から湧き上がる海水の流れがあるため、純生産量が大きい。

適当です。

 

沿岸部は陸地からの河川水によって、大量の栄養塩類が運び込まれます。

また、海底から湧き上がる海水の流れは、深海に沈んでいた豊かな栄養塩類を海面付近へと運んできます。

そのため、植物プランクトンの光合成が促進され、純生産量が大きくなります。

選択肢3. 太平洋北部の地点では、光が届かないような深い水深でも物質生産が行われるため、太平洋赤道付近と比較して純生産量が大きい。

不適当です。

 

物質生産(光合成)を行うには光が不可欠であるため、「光が届かないような深い水深」では物質生産は行われません。

したがって、この選択肢の記述は不適当です。

選択肢4. 太平洋北部の地点では、日本沿岸の地点より消費者である魚類などが多く生息するため、日本沿岸と比較して純生産量が小さい。

不適当です。

 

日本沿岸に比べて太平洋北部の純生産量が小さい主な要因は、栄養塩類の供給量や水量・日照時間などの環境の違いです。

したがって、この選択肢の記述は不適当です。

選択肢5. 太平洋赤道付近の地点では、大陸から離れていて栄養塩類が少ないため、純生産量が小さい。

適当です。

 

太平洋の赤道付近では、大陸から離れているため、河川からの栄養塩類の流入がなく、植物プランクトンの増殖に必要な栄養塩類が不足します。

そのため、光エネルギーが強くても光合成が進まず、純生産量は小さくなります。

選択肢6. 太平洋赤道付近の地点では、強い光によって植物プランクトンの生育が促進されるため、純生産量が小さい。

不適当です。

 

植物プランクトンの成育が促進されるのであれば、純生産量は大きくなるはずです。

太平洋の赤道付近の純生産量が小さい理由は、栄養塩類が不足しているためです。

したがって、この選択肢の記述は不適当です。

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03

この問題は、海洋における物質生産と、栄養塩類・光環境との関係について理解しているかを問う問題です。

適当なものを、2つ選ぶことに注意しましょう。。

選択肢1. 日本沿岸の地点では、リン酸塩などの栄養塩類が少ないため、純生産量が大きい。

不適です。

 

植物プランクトンは、光合成を行うために光だけでなく、硝酸イオンやリン酸イオンなどの栄養塩類を必要とします。

日本沿岸では、河川から栄養塩類が流入することや、海底付近の栄養塩類を多く含む海水が湧き上がることで、栄養塩類が豊富に供給されます。

そのため、植物プランクトンの光合成が盛んになり、純生産量が大きくなります。

したがって、「栄養塩類が少ないため純生産量が大きい」という記述は誤りです。

選択肢2. 日本沿岸の地点では、河川からの流入や海底から湧き上がる海水の流れがあるため、純生産量が大きい。

正解です。

 

河川からは窒素やリンなどの栄養塩類が海へ供給されます。

また、海底付近から湧き上がる海水(湧昇流)は、深い海に蓄積された栄養塩類を海面付近へ運びます。

その結果、植物プランクトンの光合成が活発になり、単位面積当たりの純生産量が大きくなります。

したがって、この記述は正しいです。

選択肢3. 太平洋北部の地点では、光が届かないような深い水深でも物質生産が行われるため、太平洋赤道付近と比較して純生産量が大きい。

不適です。

 

海洋での物質生産のほとんどは、植物プランクトンが光合成を行うことで生じます。

光合成には光が必要であるため、光が届かない深い海では光合成による物質生産はほとんど行われません。

したがって、「光が届かない深い水深でも物質生産が行われるため」という記述は誤りです。

選択肢4. 太平洋北部の地点では、日本沿岸の地点より消費者である魚類などが多く生息するため、日本沿岸と比較して純生産量が小さい。

不適です。

 

純生産量は、生産者である植物プランクトンの光合成量や呼吸量によって決まり、消費者である魚類の数によって直接決まるものではありません。

太平洋北部の純生産量が日本沿岸より小さい主な理由は、日本沿岸ほど栄養塩類の供給が多くないためです。

したがって、この記述は誤りです。

選択肢5. 太平洋赤道付近の地点では、大陸から離れていて栄養塩類が少ないため、純生産量が小さい。

正解です。

 

太平洋赤道付近の外洋は、大陸から離れているため河川からの栄養塩類の供給が少なく、植物プランクトンの増殖に必要な栄養塩類が不足しやすい海域です。

そのため、光は十分にあるものの光合成があまり進まず、純生産量は小さくなります。

したがって、この記述は正しいです。

選択肢6. 太平洋赤道付近の地点では、強い光によって植物プランクトンの生育が促進されるため、純生産量が小さい。

不適です。

 

強い光は光合成を行うために必要な条件であり、一般には植物プランクトンの生育を促進します。

太平洋赤道付近で純生産量が小さい主な理由は、栄養塩類が不足しているためであり、強い光が原因ではありません。

したがって、この記述は誤りです。

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