共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問135 (生物(第2問) 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問135(生物(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

アミノ酸の役割と代謝に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

(a)タンパク質は、鎖状に結合した多数のアミノ酸により構成され、細胞の生命活動において中心的な役割を果たす。タンパク質を構成するアミノ酸はどれも生物に不可欠である。これらのアミノ酸を全て合成できる生物もいるが、(b)外部からのアミノ酸の摂取を必要とする生物もいる。

同じく下線部(b)に関連して、あるガの幼虫Sは、植物Aの葉を食べ、そこから体内に吸収したアミノ酸を利用して成長する(図2)。幼虫Sからの食害を感知した植物Aは、直ちに多量のトレオニン脱アミノ酵素(以下、TD酵素)を合成し、それが幼虫Sの消化管に取り込まれる(図3)。TD酵素は、トレオニンを有機酸Bに分解する酵素であり、植物AのTD酵素は、幼虫Sの消化管内でもその触媒作用を発揮できる(図4)。

植物AのTD酵素は、植物細胞内でも、トレオニンを有機酸Bに分解する反応を触媒し、トレオニンの分解により生じた有機酸Bは、イソロイシンの合成に使われる。図5に示すように、TD酵素は、アロステリック部位を介して、イソロイシンによる非競争的阻害を受ける。しかし、幼虫Sの消化管内では、植物AのTD酵素は部分的に消化され、触媒作用を保ったまま、アロステリック部位を失う。
植物AのTD酵素の活性とその調節に関する記述として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 植物Aの細胞内において、イソロイシンの濃度が高くなると、イソロイシンが優先的にTD酵素の活性部位に結合するようになる。
  • 植物Aの細胞内において、トレオニンの濃度が高いときには、イソロイシンはTD酵素の活性を阻害しない。
  • 幼虫Sの消化管内において、トレオニンの濃度が低くなるにつれて、植物AのTD酵素の反応速度が上昇する。
  • 幼虫Sの消化管内において、植物AのTD酵素によるトレオニンから有機酸Bへの分解は、イソロイシンの濃度に関係なく行われる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

まず、問題文から以下のことが読み取れます。

・TD酵素はトレオニン→有機酸Bの反応を触媒する

・植物Aの細胞内では、TD酵素はイソロイシンによる非競争的阻害を受ける

・非競争的阻害は、阻害物質が活性部位ではなくアロステリック部位に結合して起こる

・幼虫Sの消化管内では、TD酵素は部分的に消化されてアロステリック部位を失うが、触媒活性は保持している

したがって、幼虫Sの消化管内では、イソロイシンが結合する部位そのものがなくなっているため、イソロイシンによる阻害は起こりません。

選択肢1. 植物Aの細胞内において、イソロイシンの濃度が高くなると、イソロイシンが優先的にTD酵素の活性部位に結合するようになる。

問題文では、「アロステリック部位を介して非競争的阻害」とあるので、イソロイシンは活性部位ではなくアロステリック部位に結合します。

よってこの選択肢は誤りとなります。

選択肢2. 植物Aの細胞内において、トレオニンの濃度が高いときには、イソロイシンはTD酵素の活性を阻害しない。

非競争的阻害では、トレオニンの濃度を上げても阻害は解除されません。

よって、この選択肢は誤りとなります。

選択肢3. 幼虫Sの消化管内において、トレオニンの濃度が低くなるにつれて、植物AのTD酵素の反応速度が上昇する。

酵素反応では、トレオニン濃度が低下すると反応速度も低下します。

よって、この選択肢は誤りとなります。

選択肢4. 幼虫Sの消化管内において、植物AのTD酵素によるトレオニンから有機酸Bへの分解は、イソロイシンの濃度に関係なく行われる。

消化管内のTD酵素はアロステリック部位を失っているため、イソロイシンによる非競争的阻害を受けません。

よって、この選択肢は正しいと言えます。

参考になった数0