共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問139 (生物(第3問) 問4)
問題文
森林内では、林冠から林床まで様々な高さに樹木種や草本種が葉を広げて、多様な植物が(a)共存している。図1は、北半球のある夏緑樹林の林床における光の強さの季節変化と、2種の草本種(種A・種B)が緑葉をつけている期間を示している。光環境の季節変化が、2種の林床草本種の葉の代謝に及ぼす影響を調べるため、呼吸速度と、十分強い光の下での光合成速度(以下、最大光合成速度)とを一定の温度で測定し、表1にまとめた。
表1の値の種による違いが個体の成長に及ぼす影響を調べるため、種Aと種Bのそれぞれについて、生きている個体を掘り起こし、個体の乾燥重量を測定した。図2は、2種の個体の乾燥重量の季節変化を示したものである。図1および図2から考えられることとして適当な記述を、後の選択肢のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問139(生物(第3問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
森林内では、林冠から林床まで様々な高さに樹木種や草本種が葉を広げて、多様な植物が(a)共存している。図1は、北半球のある夏緑樹林の林床における光の強さの季節変化と、2種の草本種(種A・種B)が緑葉をつけている期間を示している。光環境の季節変化が、2種の林床草本種の葉の代謝に及ぼす影響を調べるため、呼吸速度と、十分強い光の下での光合成速度(以下、最大光合成速度)とを一定の温度で測定し、表1にまとめた。
表1の値の種による違いが個体の成長に及ぼす影響を調べるため、種Aと種Bのそれぞれについて、生きている個体を掘り起こし、個体の乾燥重量を測定した。図2は、2種の個体の乾燥重量の季節変化を示したものである。図1および図2から考えられることとして適当な記述を、後の選択肢のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
- 種Aは、緑葉をつけていても、7月には林床が暗くなるため、光合成ができずに、個体の乾燥重量が減少する。
- 種Aは、非光合成器官(非同化器官)の呼吸により、6月以降に個体の乾燥重量が減少する。
- 種Aと種Bのどちらも、翌年の4月の個体の乾燥重量は、前年の緑葉が出現した時期の値と同じになる。
- 6月の個体の乾燥重量の2種による違いは、緑葉が出現する時期とは関係がない。
- 種Bは、林冠の樹木が葉を広げている時期も、林冠の樹木が葉を落としている時期も、同じ速度で個体が成長する。
- 種Bは、林冠の樹木が葉を広げている時期にも、物質生産ができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、2種類の草本(種A・種B)の乾燥重量の季節変化(図2)と、光環境や光合成・呼吸のデータ(図1・表1)を照らし合わせ、それぞれの草本がどのようにエネルギーを管理しているかを考察するものです。
不適当です。
図1を見ると、7月の時期には林床に光が届かなくなり暗くなっています。
種Aの乾燥重量が7月に減少するのは、林床が暗くなったことで光合成による生産が呼吸による消費を下回るからです。光合成ができなくなるわけではありません。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
適当です。
8月時点では種Aに緑葉はなく、光合成によって有機物の生産ができません。
一方で、蓄えられた有機物を、生命維持のために消費する必要があります。
そのため、個体全体の乾燥重量が減少することになります。
したがって、この選択肢の記述は適当です。
不適当です。
種A・種Bそれぞれの翌年4月における乾燥重量は、
種A:約1.7
種B:約2.9
種A・種Bそれぞれが前年4月の緑葉を出現させた時期の乾燥重量は、それぞれ1.0なので同じ重量になりません。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
不適当です。
図1を見ると、6月の時期には種Aの緑葉を付ける機関は終わりを迎えています。
一方で種Bは、緑葉をつけ始めた時期にあたります。
そのため、種Bと種Aの6月における個体の乾燥重量の違いは、緑葉が出現する時期と関係があるといえます。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
不適当です。
表1の数値や図2のグラフより、種Bの成長速度は季節によって大きく変動しており、一定ではありません。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
適当です。
図3を見ると、林冠の樹木が葉を茂らせている6月~10月にかけて、種Bの乾燥重量が増加しています。
つまり、林床に届くわずかな光を利用して、呼吸による消費以上の有機物を光合成によって生産しているといえます。
したがって、この選択肢の記述は適当です。
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02
この問題では、図1と図2の情報を正確に読み取ることが大切です。
図1をみると、種Aは7月にはすでに葉を失っています。
よって、この選択肢は誤りとなります。
図1より、種Aは春のみ緑葉をつけ、6月頃には葉を失います。
図2では、
・3月→6月:乾燥重量が1→3に増加
・6月→12月→翌春:3→2.2→1.7に減少 しています。
葉がなくなった後も地下茎や根などの生きた組織は呼吸を続けるため、蓄積した有機物が消費され、乾燥重量が減少すると考えられます。
よって、この選択肢は正しいと言えます。
翌年4月の乾燥重量は、
・種A:約1.7
・種B:約2.9
であり、出葉時の1には戻っていないので、この選択肢は誤りとなります。
6月の乾燥重量の違いは、
・種Aは早春から強光を利用して急成長
・種Bは比較的遅い
という出葉時期や生活史と関係しているので、この選択肢は誤りとなります。
種Bは、同じ速度で成長していません。
・夏(暗い):増加は緩やか
・秋(明るくなる):増加が大きい。
よって、同じ速度で個体が成長していないので、この選択肢は誤りとなります。
図1より、種Bは春から秋まで葉を保持しています。林冠木が葉を広げている夏は林床が非常に暗いですが、図2では、
・6月:約1.7
・12月:約2.1
と増加しています。
つまり暗い夏の期間も個体は純生産を行い、乾燥重量を増やしていると言えます。
よって、この選択肢は正しいと言えます。
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