共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問143 (生物(第4問) 問3)
問題文
アフリカツメガエルでは、(a)卵が形成される過程で極体が生じる部域が動物極となり、将来、この動物極側が前側(頭側)になる。卵割が進み胞胚期になると、(b)複数のタンパク質の働きにより背腹軸に沿った中胚葉が誘導される。
同じく下線部(b)に関連して、タンパク質Cは、初期原腸胚の予定外胚葉域で発現し、細胞外に分泌される。他方、タンパク質Dは、中胚葉が形成された後、中胚葉の背側で発現し、細胞外に分泌される。その後、タンパク質Dはタンパク質Cに結合し、外胚葉から神経組織が形成される際に必要となる。タンパク質Cとタンパク質Dの働きを調べるため、実験1を行った。実験1の結果から考えられるタンパク質Cまたはタンパク質Dの働きとして適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
実験1
図3に示すように、初期原腸胚の予定外胚葉域を切り出して得られた組織断片を、各条件で培養した後にどのような組織に分化するかを調べ、結果を得た。なお、遺伝子Cはタンパク質Cをつくる遺伝子である。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問143(生物(第4問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
アフリカツメガエルでは、(a)卵が形成される過程で極体が生じる部域が動物極となり、将来、この動物極側が前側(頭側)になる。卵割が進み胞胚期になると、(b)複数のタンパク質の働きにより背腹軸に沿った中胚葉が誘導される。
同じく下線部(b)に関連して、タンパク質Cは、初期原腸胚の予定外胚葉域で発現し、細胞外に分泌される。他方、タンパク質Dは、中胚葉が形成された後、中胚葉の背側で発現し、細胞外に分泌される。その後、タンパク質Dはタンパク質Cに結合し、外胚葉から神経組織が形成される際に必要となる。タンパク質Cとタンパク質Dの働きを調べるため、実験1を行った。実験1の結果から考えられるタンパク質Cまたはタンパク質Dの働きとして適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
実験1
図3に示すように、初期原腸胚の予定外胚葉域を切り出して得られた組織断片を、各条件で培養した後にどのような組織に分化するかを調べ、結果を得た。なお、遺伝子Cはタンパク質Cをつくる遺伝子である。
- 外胚葉の表皮組織への分化は、タンパク質Cによって促進される。
- タンパク質Dは、外胚葉の表皮組織への分化には影響しない。
- タンパク質Cによる外胚葉の神経組織への分化の促進は、タンパク質Dによって制御される。
- 外胚葉におけるタンパク質Cの働きは、タンパク質Dによって抑制される。
- タンパク質Cは、タンパク質Dと協働して外胚葉の神経組織への分化を促進する働きがある。
- タンパク質Dの外胚葉での働きは、タンパク質Cによって促進される。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題のポイントは、タンパク質CとDが、外胚葉の分化をどのように制御しているかを実験結果から読み解くことです。
適当です。
実験1の結果から、以下のことが確認できます。
・タンパク質Cが存在する予定内胚葉の断片を培養すると、表皮組織に分化します。
・一方で、タンパク質Cをつくる遺伝子Cの発現を阻害した胚の断片を培養すると、神経組織に分化します。
こららの結果から、タンパク質Cは、外胚葉組織を表皮組織への分化を促進しているといえます。
したがって、この選択肢の記述は適当です。
不適当です。
実験1より、タンパク質Cが存在する予定外胚葉の断片にタンパク質Dを加えて培養すると、神経組織に分化しています。
この結果から、タンパク質Dは、予定外胚葉の分化先を表皮から神経に変えています。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
不適当です。
タンパク質Cは神経分化を促進しません。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
適当です。
実験1の結果から、タンパク質Cが存在する予定外胚葉の断片にタンパク質Dを加えて培養すると、神経組織に分化しています。
この結果から、タンパク質Cの働きは、タンパク質Dに抑制されているといえます。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
不適当です。
実験1より、タンパク質Cが存在する予定外胚葉の断片にタンパク質Cとタンパク質Dを加えて培養すると、表皮組織に分化しています。
この結果から、二つのタンパク質は互いに拮抗的に働き、元々存在していたタンパク質Cの働きによって表皮組織に分化したと推測できます。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
不適当です。
実験結果から、タンパク質Dがタンパク質Cを抑制しています。
タンパク質Cがタンパク質Dの働きを促進しているわけではありません。
したがって、この選択肢の記述は不適当です。
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02
この問題は、アフリカツメカエルの神経誘導におけるBMP(骨形成タンパク質)とその阻害因子の関係について問われています。
問題文から次の情報が読み取れます。
<タンパク質C>
・初期原腸胚の予定外胚葉域で発現
・細胞外へ分泌される
<タンパク質D>
・中胚葉背側で発現
・細胞外へ分泌される
・タンパク質Cに結合する
・神経組織形成に必要
これは、
・タンパク質C≒BMP4
・タンパク質D≒BMP阻害因子
に対応すると考えられます。
BMPは外胚葉を表皮へと分化させ、BMPが阻害されると神経組織へ分化します。
したがって、
・タンパク質Cは表皮分化を促進する
・タンパク質Dはタンパク質Cの作用を抑えることで神経分化を起こす。
という関係になります。
これをもとに、各選択肢をみていきましょう。
BMPの働きそのものです。
よって、この選択肢は正しいと言えます。
タンパク質DはBMPを阻害して、表皮化を抑えます。
よって、この選択肢は誤りとなります。
タンパク質Cは神経分化を促進しません。
よって、この選択肢は誤りとなります。
BMP阻害因子の作用そのものです。
よって、この選択肢は正しいと言えます。
タンパク質Dがタンパク質Cを阻害して、神経分化が起こります。
よって、この選択肢は誤りとなります。
タンパク質Cの外胚葉での働きが、タンパク質Dによって促進されます。
よって、この選択肢は誤りとなります。
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