共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問129 (生物(第2問) 問2)
問題文
植物による無機窒素化合物の利用と物質生産に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。
植物は土壌中の無機窒素化合物(硝酸イオンとアンモニウムイオン)を根で吸収し、タンパク質、核酸などの有機窒素化合物に変換する(以下、窒素同化)。植物の成長量(生産量)は、基本的に(a)光合成量と呼吸量によって決まる。(b)生産量は無機窒素化合物の量に依存して増大する。自然の生態系では土壌中の無機窒素化合物は必ずしも多くなく、植物の成長の制限要因となっている。一方で、現代の農業では、化学合成した無機窒素化合物を窒素肥料として大量に使用している。その結果、農作物の生産量は増え、世界の食糧状況は大きく改善したが、(c)大量の窒素肥料の使用が生態系に影響を及ぼしている。
下線部(b)に関連して、植物の成長と無機窒素化合物の供給量との関係を調べるために、実験1を行った。
実験1 イネを、異なる窒素濃度の培地(硝酸イオンとアンモニウムイオンを含む)で一定期間栽培し、葉の光合成速度と呼吸速度、同じ葉のデンプン量および地上部(葉と茎)の乾燥重量を調べたところ、図1の結果が得られた。
(1)図1から、培地中の窒素濃度が高いと葉の光合成速度が大きいことがわかった。その理由として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
植物は土壌中の無機窒素化合物(硝酸イオンとアンモニウムイオン)を根で吸収し、タンパク質、核酸などの有機窒素化合物に変換する(以下、窒素同化)。植物の成長量(生産量)は、基本的に(a)光合成量と呼吸量によって決まる。(b)生産量は無機窒素化合物の量に依存して増大する。自然の生態系では土壌中の無機窒素化合物は必ずしも多くなく、植物の成長の制限要因となっている。一方で、現代の農業では、化学合成した無機窒素化合物を窒素肥料として大量に使用している。その結果、農作物の生産量は増え、世界の食糧状況は大きく改善したが、(c)大量の窒素肥料の使用が生態系に影響を及ぼしている。
下線部(b)に関連して、植物の成長と無機窒素化合物の供給量との関係を調べるために、実験1を行った。
実験1 イネを、異なる窒素濃度の培地(硝酸イオンとアンモニウムイオンを含む)で一定期間栽培し、葉の光合成速度と呼吸速度、同じ葉のデンプン量および地上部(葉と茎)の乾燥重量を調べたところ、図1の結果が得られた。
(1)図1から、培地中の窒素濃度が高いと葉の光合成速度が大きいことがわかった。その理由として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問129(生物(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
植物による無機窒素化合物の利用と物質生産に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。
植物は土壌中の無機窒素化合物(硝酸イオンとアンモニウムイオン)を根で吸収し、タンパク質、核酸などの有機窒素化合物に変換する(以下、窒素同化)。植物の成長量(生産量)は、基本的に(a)光合成量と呼吸量によって決まる。(b)生産量は無機窒素化合物の量に依存して増大する。自然の生態系では土壌中の無機窒素化合物は必ずしも多くなく、植物の成長の制限要因となっている。一方で、現代の農業では、化学合成した無機窒素化合物を窒素肥料として大量に使用している。その結果、農作物の生産量は増え、世界の食糧状況は大きく改善したが、(c)大量の窒素肥料の使用が生態系に影響を及ぼしている。
下線部(b)に関連して、植物の成長と無機窒素化合物の供給量との関係を調べるために、実験1を行った。
実験1 イネを、異なる窒素濃度の培地(硝酸イオンとアンモニウムイオンを含む)で一定期間栽培し、葉の光合成速度と呼吸速度、同じ葉のデンプン量および地上部(葉と茎)の乾燥重量を調べたところ、図1の結果が得られた。
(1)図1から、培地中の窒素濃度が高いと葉の光合成速度が大きいことがわかった。その理由として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
植物は土壌中の無機窒素化合物(硝酸イオンとアンモニウムイオン)を根で吸収し、タンパク質、核酸などの有機窒素化合物に変換する(以下、窒素同化)。植物の成長量(生産量)は、基本的に(a)光合成量と呼吸量によって決まる。(b)生産量は無機窒素化合物の量に依存して増大する。自然の生態系では土壌中の無機窒素化合物は必ずしも多くなく、植物の成長の制限要因となっている。一方で、現代の農業では、化学合成した無機窒素化合物を窒素肥料として大量に使用している。その結果、農作物の生産量は増え、世界の食糧状況は大きく改善したが、(c)大量の窒素肥料の使用が生態系に影響を及ぼしている。
下線部(b)に関連して、植物の成長と無機窒素化合物の供給量との関係を調べるために、実験1を行った。
実験1 イネを、異なる窒素濃度の培地(硝酸イオンとアンモニウムイオンを含む)で一定期間栽培し、葉の光合成速度と呼吸速度、同じ葉のデンプン量および地上部(葉と茎)の乾燥重量を調べたところ、図1の結果が得られた。
(1)図1から、培地中の窒素濃度が高いと葉の光合成速度が大きいことがわかった。その理由として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- 窒素同化量が増加し、フィトクロムやフォトトロピンの量が増加した。
- 窒素同化量が増加し、ルビスコやクロロフィルの量が増加した。
- 窒素同化に伴って産生されるATPとNADPHの量が増加し、光合成の反応を促進した。
- 窒素同化に伴って産生される有機酸の量が増加し、光合成の反応を促進した。
- 呼吸によってより多くのCO2が放出され、光合成の反応に使われた。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、植物が吸収した窒素が体内でどのような物質の材料となり、その結果として光合成速度にどのような影響を与えているのかについて問われています。
ポイントは、
①窒素はタンパク質や色素の材料になる。
②光合成に関わる重要な物質にも窒素が含まれる。
③窒素が増えると、光合成を行うための装置や酵素が増える。
という3点です。
フィトクロムやフォトトロピンは、光を感知する光受容体です。植物の光に対する反応に関りはしますが、光合成の反応速度を直接高める物質ではありません。
よって、この選択肢は誤りとなります。
ルビスコは、光合成の二酸化炭素固定反応で働く酵素です。また、クロロフィルは、光エネルギーを吸収する色素です。
これらは、いずれも窒素を含む物質です。
窒素供給が増える→ルビスコやクロロフィルを多く合成できる→光合成能力が高まる→光合成速度が大きくなると考えられます。
よって、この選択肢は正しいと言えます。
ATPとNADPHは、光合成の明反応で作られる物質です。窒素同化では、むしろATPとNADPHを利用して窒素化合物を合成します。
したがって、窒素同化によって、ATPとNADPHが増加するという説明は誤りとなります。
有機酸は代謝過程で生じる物質ですが、窒素同化によって直接作られ、光合成を促進するものではありません。
また、光合成速度を高める主な理由は、光合成関連タンパク質や色素が増えることです。
よって、この選択肢は誤りとなります。
実験結果では、窒素濃度が高いほど、呼吸速度も増加しています。しかし、光合成速度の増加はそれだけでは説明できません。
また、植物の光合成に利用される二酸化炭素は主に、葉の気孔から取り込まれるものであり、呼吸で生じた二酸化炭素が主な原因ではありません。
よって、この選択肢は誤りとなります。
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02
植物の培地中の窒素濃度高いことによって、窒素が植物体内でどのような物質の構成成分となるかを実験から得られた結果をもとに考察する問題です。
不適です。
フィトクロムやフォトトロピンは光受容体であり、これによって光合成の反応速度が直接的に早めることはありません。
正解です。
光合成の炭素固定を担う酵素であるルビスコや、光エネルギーを吸収するクロロフィルは窒素を含みます。
培地中の窒素濃度が高いと、これらの物質の合成が盛んになり、光合成能力が高まると考えられます。
不適です。
窒素同化とは硝酸イオンなどを還元してアミノ酸などの有機物に変換する過程であり、その際に直接ATPやNADPHが産生されるわけではありません。
ATPとNADPHはむしろ光合成の明反応(チラコイド膜での電子伝達系)で生成され、窒素同化ではそれらを消費して還元反応が進みます。
不適です。
有機酸は、主に呼吸や代謝経路で生成されるものであり、窒素同化そのものによって直接増加するものではありません。
不適です。
実験結果を見ると培地中の窒素濃度によって呼吸速度は上がっていますが、光合成速度の上昇と比べるとわずかです。
そのため、呼吸で放出されるCO2が光合成速度を上昇させる直接的な要因にはなっていません。
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