共通テスト(理科) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問133 (生物(第3問) 問1)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(理科)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問133(生物(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

眼の発生と視覚に関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

脊椎動物において、(a)視覚器である眼は頭部の左右にあり、左右対称の構造をしている。ある発生段階の胚では、図1に示すように、前脳から側方に突出した眼胞が左右の頭部外胚葉に接触する。このとき、頭部外胚葉と脳、眼胞の間には間充織(かんじゅうしき)が存在している。その後、眼胞と接した(b)頭部外胚葉は水晶体に、眼胞は網膜になる。水晶体は、眼に入った光が網膜に像を結ぶのに必要であり、(c)網膜の視神経で生じた信号は、視神経の細胞体から伸びた軸索によって、脳の視覚の中枢へ伝わる。

下線部(a)に関連して、ヒトの視覚に関する記述として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
問題文の画像
  • 視神経の軸索の束が眼球から出る場所には、視細胞が分布しない。
  • ヒトは眼が頭部前面についており、眼が頭部側方についている哺乳類と比べて立体視できる範囲が狭い。
  • 視神経は、網膜の色素細胞層に隣接している。
  • 近距離に焦点を合わせるときには、毛様筋(毛様体の筋肉)が弛緩(しかん)する。
  • 交感神経の作用によって、瞳孔が収縮する。
  • 桿体(かんたい)細胞では、ロドプシンの量が減少すると、光刺激に対する感度が下がる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、ヒトの視覚に関する様々な知識を問う問題です。

選択肢1. 視神経の軸索の束が眼球から出る場所には、視細胞が分布しない。

正解です。

 

網膜には、桿体細胞と錐体細胞という2種類の視細胞があります。

これらが光を受け取ると、その情報は神経細胞を経由して視神経へ送られます。

そして、多数の神経細胞の軸索が集まって一本の束となり、眼球の後方から出ていきます。

視神経が眼球から出る場所は、視神経乳頭と呼ばれ、この部分には、視細胞を配置するスペースがなく、視細胞が存在しません

この場所に当たった光は感じることができず、この見えない部分を盲斑(盲点)といいます。

したがって、「視神経の軸索の束が眼球から出る場所には、視細胞が分布しない」という記述は正しいです。

選択肢2. ヒトは眼が頭部前面についており、眼が頭部側方についている哺乳類と比べて立体視できる範囲が狭い。

不適です。

 

ヒトの眼は頭部前面についています。

左右の眼で見える範囲が大きく重なるため、両眼で同じものを異なる角度から見ることができます。

この左右の眼で見える像のわずかな違いを利用することで、物体までの距離や奥行きを正確に判断する立体視が可能になります。

 

一方、ウマやウサギなど、眼が頭部の側方についている哺乳類は、広い範囲を見渡すことができます。

しかし、左右の眼で見える範囲の重なりは小さいため、立体視できる範囲は狭くなります。

 

したがって

「ヒトは眼が頭部前面についており、眼が頭部側方についている哺乳類と比べて立体視できる範囲が狭い。」

という記述は誤りです。

選択肢3. 視神経は、網膜の色素細胞層に隣接している。

不適です。

 

網膜は、外側から内側(眼球の中心側)へ向かって、いくつかの層が重なってできています。

外側には色素細胞層があり、その内側に桿体細胞・錐体細胞といった視細胞があります。

さらに内側には双極細胞や神経節細胞があり、神経節細胞の軸索が集まって視神経となります。

つまり、視神経は網膜の最も内側(眼球の中心側)に位置しており、色素細胞層とは隣接していません。

選択肢4. 近距離に焦点を合わせるときには、毛様筋(毛様体の筋肉)が弛緩(しかん)する。

不適です。

 

水晶体の厚さは、毛様筋とチン小帯によって調節されています。

近くのものを見るときには、毛様筋が収縮します。

すると、チン小帯の張りがゆるみ、水晶体は弾性によって厚くなります。

水晶体が厚くなることで光の屈折が大きくなり、近くのものに焦点を合わせることができます。

したがって、「近距離に焦点を合わせるときには、毛様筋が弛緩する。」という記述は誤りです。

選択肢5. 交感神経の作用によって、瞳孔が収縮する。

不適です。

 

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

交感神経は、運動時や緊張時など、体を活動しやすい状態にするときに働きます。

交感神経が働くと、瞳孔は拡大します。

瞳孔が大きくなることで、眼に入る光の量が増え、周囲の状況を把握しやすくなります。

 

一方、副交感神経は、休息時やリラックスしているときに働きます。

副交感神経が働くと、瞳孔は収縮します。

したがって、「交感神経の作用によって、瞳孔が収縮する。」という記述は誤りです。

選択肢6. 桿体(かんたい)細胞では、ロドプシンの量が減少すると、光刺激に対する感度が下がる。

正解です。

 

網膜の桿体細胞には、視物質であるロドプシンが含まれています。

ロドプシンは、光を受け取ることで分解され、その情報が神経に伝えられることで視覚が生じます。

桿体細胞では、このロドプシンの量が多いほど弱い光にも反応しやすくなり、光刺激に対する感度が高くなります。

逆に、ロドプシンの量が減少すると、光を受け取る分子が少なくなるため、弱い光への反応が低下し、光刺激に対する感度は下がります。

したがって、「桿体細胞では、ロドプシンの量が減少すると、光刺激に対する感度が下がる。」という記述は正しいです。

参考になった数0