大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問127 (生物(第2問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問127(生物(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

キク科の草本Rには、A型株とB型株とがある。両者は遺伝的な性質や形態が異なり、互いに交雑することがない。A型株は病原菌Pに感染することがあるが、B型株は病原菌Pに対する抵抗性を持ち、病原菌Pには感染しない。
アオバさんとミノリさんは、草本RのA型株とB型株とを高密度で混ぜて栽培した実験1に関する資料を見つけ、このことについて話し合った。

実験1
温室内の2箇所の栽培区画のそれぞれに、草本RのA型株とB型株の芽生えを144個体ずつ混ぜて植えた。片方の区画を健全区、もう片方の区画を感染区とし、感染区では病原菌PをA型株に感染させた。両区の個体を同じ環境条件で育成し、十分に成長させた後、健全区と感染区においてA型株とB型株の個体数と個体の乾燥重量をそれぞれ測定し、図1のように頻度分布としてまとめた。

アオバ:図1を見ると、個体によって乾燥重量が違うね。乾燥重量が大きい個体は小さい個体よりも高い位置に多くの葉を配置して、光をたくさん浴びることができるということだよね。
ミノリ:そうだね。つまり、光は植物の生存に必須の資源なので、個体が重いほど生存に有利になるということが言えるね。
アオバ:だけど、健全区のA型株ではB型株よりも重い個体が多いのに、個体数の差はほとんどないよ。
ミノリ:実験1では1年しか栽培していないからね。個体数が変わらなくても、a個体の大きさが違うので、生産される種子数は変わってくるはずだよ。

二人はさらに文献を調べ、実験1が行われた歴史的背景に関する資料1を見つけ、話し合った。

資料1
1960年代のオーストラリア南東部では、草本Rが外来種として侵入し、深刻な農業被害が発生していた。当時、多くの場所で農作物の脅威となったのはA型株であった。そこで、1971年に病原菌Pを海外から移入してA型株に感染させ、草本Rの防除を図った。しかし、結果として、それまで少数派であったB型株が多くの場所で繁茂し、農業被害を起こし始めた。

アオバ:外来の病原菌を移入する際には、慎重な検討が必要だね。
ミノリ:B型株が繁茂した理由を調べるために、実験1が行われたんだね。
アオバ:b1971年を境にA型株とB型株に何が起こったのか、図1をもとに考えてみようよ。

下線部bに関連して、図1の結果と資料1から導かれる、病原菌の移入前後のオーストラリアにおける草本RのA型株とB型株の状況に関する考察として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 病原菌Pの移入前には、B型株はA型株が繁茂しない日照条件が悪い農地でのみ生存していたため、個体数の増加が抑えられていた。
  • 病原菌Pの移入前には、B型株はA型株との非生物的環境をめぐる競争によって、個体数の増加が抑えられていた。
  • 病原菌Pの移入前には、B型株は同型株どうしの生育場所をめぐる競争によって、個体数の増加が抑えられていた。
  • 病原菌Pの移入後には、B型株はA型株とは異なる生態的地位を占めるようになり、A型株とB型株の両方の個体数が増加した。
  • 病原菌Pの移入後には、B型株は病原菌と相利共生の関係になり、A型株に対する競争力を高め、個体数が増加した。
  • 病原菌Pの移入後には、A型株の多くの個体が病原菌に対する抵抗性を獲得し、B型株へと変化することで、B型株の個体数が増加した。

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