共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問126 (生物(第2問) 問1)
問題文
キク科の草本Rには、A型株とB型株とがある。両者は遺伝的な性質や形態が異なり、互いに交雑することがない。A型株は病原菌Pに感染することがあるが、B型株は病原菌Pに対する抵抗性を持ち、病原菌Pには感染しない。
アオバさんとミノリさんは、草本RのA型株とB型株とを高密度で混ぜて栽培した実験1に関する資料を見つけ、このことについて話し合った。
実験1
温室内の2箇所の栽培区画のそれぞれに、草本RのA型株とB型株の芽生えを144個体ずつ混ぜて植えた。片方の区画を健全区、もう片方の区画を感染区とし、感染区では病原菌PをA型株に感染させた。両区の個体を同じ環境条件で育成し、十分に成長させた後、健全区と感染区においてA型株とB型株の個体数と個体の乾燥重量をそれぞれ測定し、図1のように頻度分布としてまとめた。
アオバ:図1を見ると、個体によって乾燥重量が違うね。乾燥重量が大きい個体は小さい個体よりも高い位置に多くの葉を配置して、光をたくさん浴びることができるということだよね。
ミノリ:そうだね。つまり、光は植物の生存に必須の資源なので、個体が重いほど生存に有利になるということが言えるね。
アオバ:だけど、健全区のA型株ではB型株よりも重い個体が多いのに、個体数の差はほとんどないよ。
ミノリ:実験1では1年しか栽培していないからね。個体数が変わらなくても、a個体の大きさが違うので、生産される種子数は変わってくるはずだよ。
下線部aに関連して、実験1の健全区において、A型株とB型株が生産した種子数の総計は、それぞれ約2000個と約200個であった。個体の乾燥重量が同じであれば、A型株とB型株とが生産する種子数は互いに等しいとするとき、草本Rの個体の乾燥重量と個体当たりの種子生産数との関係を表す近似曲線として最も適当なものを、図2中の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問126(生物(第2問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
キク科の草本Rには、A型株とB型株とがある。両者は遺伝的な性質や形態が異なり、互いに交雑することがない。A型株は病原菌Pに感染することがあるが、B型株は病原菌Pに対する抵抗性を持ち、病原菌Pには感染しない。
アオバさんとミノリさんは、草本RのA型株とB型株とを高密度で混ぜて栽培した実験1に関する資料を見つけ、このことについて話し合った。
実験1
温室内の2箇所の栽培区画のそれぞれに、草本RのA型株とB型株の芽生えを144個体ずつ混ぜて植えた。片方の区画を健全区、もう片方の区画を感染区とし、感染区では病原菌PをA型株に感染させた。両区の個体を同じ環境条件で育成し、十分に成長させた後、健全区と感染区においてA型株とB型株の個体数と個体の乾燥重量をそれぞれ測定し、図1のように頻度分布としてまとめた。
アオバ:図1を見ると、個体によって乾燥重量が違うね。乾燥重量が大きい個体は小さい個体よりも高い位置に多くの葉を配置して、光をたくさん浴びることができるということだよね。
ミノリ:そうだね。つまり、光は植物の生存に必須の資源なので、個体が重いほど生存に有利になるということが言えるね。
アオバ:だけど、健全区のA型株ではB型株よりも重い個体が多いのに、個体数の差はほとんどないよ。
ミノリ:実験1では1年しか栽培していないからね。個体数が変わらなくても、a個体の大きさが違うので、生産される種子数は変わってくるはずだよ。
下線部aに関連して、実験1の健全区において、A型株とB型株が生産した種子数の総計は、それぞれ約2000個と約200個であった。個体の乾燥重量が同じであれば、A型株とB型株とが生産する種子数は互いに等しいとするとき、草本Rの個体の乾燥重量と個体当たりの種子生産数との関係を表す近似曲線として最も適当なものを、図2中の選択肢のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)
01
草本Rの個体の乾燥質量と種子生産数(=植物の大きさとその植物が作る種の数)の関係についての問題です。
【乾燥質量と種子生産数の関係】適切なグラフは④
図1の健全区を見ましょう。
※ざっくり計算するため、A型株・B型株の総個体数はそれぞれ100とします。
図1には、個体の乾燥重量(=植物1つの大きさ)ごとの個体数が示されています。
B型株は0~1.0gの範囲にはぼすべての個体が入っていることが分かります。また、A型株は2.0g以上の個体もあり、B型株より大きいことがうかがえます。
B型株の1.0g以下の個体に注目します。B型株は1.0g以下の100個体で200個の種子をつくります(1個体あたり2個の種子)。
次にA型株を見てみます。A型株も種をつくる能力は一緒なので、1.0g以下の個体では1個体あたり2個の種をつくると考えられます。図から、1.0g以下の個体は大体60(各棒グラフの個体数をざっくり足した値です)なので、作る種子は150個(60×2にA型の方が大きい個体が多いことを考慮して概算)ぐらいと計算できます。
A型株は全部で2000個の種子をつくるので、残りの1850個は1.0~2.0gの間の個体が作っていると考えられます。1.0~2.0gの個体数は大体40なので、1個体あたり46個ぐらい種を付けることになります。0~1.0g間の種子の数と比べると20倍以上ありそうです。
以上の状況から、草本Rは小さい個体(0~1.0g)の時はちょっとしか種をつくらず、大きい個体(1.0~2.0g)になるほど急激にたくさんの種を付けると想像できます。
これをグラフで考えると、重量が大きくなると急に種子の数が上昇する④のグラフが近いといえます。
よって答えは④のグラフです。
※問題文がやや読み取りづらいので、1つ1つ理解していきましょう。
【問題文で押さえておきたい事項】
・「草本Rには、A型株とB型株とがある。」
⇒草本RはA型とB型の2種類ある。
・「健全区のA型株ではB型株よりも重い個体が多いのに、個体数の差はほとんどない」
⇒A型はB型より大きくなることが多い。草本Rの全体数に対し、A型とB型は半々で生える。
・「健全区において、A型株とB型株が生産した種子数の総計は、それぞれ約2000個と約200個」
⇒A型株は2000個、B型株は200個の種をつくる(個体数は同じ)。
・「個体の乾燥重量が同じであれば、A型株とB型株とが生産する種子数は互いに等しい」
⇒A型とB型は種をつくる能力は同じ。
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02
この問題では、図で与えられた乾燥重量とその個体数から各株の平均の乾燥重量を出すのが良いと思います。
A型株では、大体1gのとこに個体数のピークがありますよね。生物の成長や個体数などは正規分布に従うことが多いのでピークが平均値だと考えて大きく外れることはありません。
なのでA型株の平均乾燥重量は約1gで1個体の平均種子数は20個もないくらいだとわかります。
この時点で、この点を通るのが④しかないので、答えは④とわかります。
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03
個体の乾燥重量が同じであれば、A型株とB型株とが生産する種子数は互いに等しいため、種子数の違いは重量によって決まります。
A型株の種子数は約2000個、B型株の種子数は約200個です。
図1の健全区に注目すると、A型株は重い個体が多く、B型株は軽い個体が多いことが分かります。
つまり、乾燥重量が重いほど種子数が多く、乾燥重量が軽いほど種子数が少なくなります。
また図1より、乾燥重量と種子数は比例関係にないことが分かります。
以上より、緩やかな右肩上がりをしている曲線が正解です。
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