大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問72 (物理(第1問) 問2(2))
問題文
次の文章中の( ア )・( イ )に入れる語の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
図2のような理想気体の状態変化のサイクルA → B → C → Aを考える。
A → B:熱の出入りがないようにして、膨張させる。
B → C:熱の出入りができるようにして、定積変化で圧力を上げる。
C → A:熱の出入りができるようにして、等温変化で圧縮してもとの状態に戻す。
サイクルを一周する間、気体の内部エネルギーは( a )。
この間に気体がされた仕事の総和は( ア )であり、気体が吸収した熱量の総和は( イ )である。
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問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問72(物理(第1問) 問2(2)) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章中の( ア )・( イ )に入れる語の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
図2のような理想気体の状態変化のサイクルA → B → C → Aを考える。
A → B:熱の出入りがないようにして、膨張させる。
B → C:熱の出入りができるようにして、定積変化で圧力を上げる。
C → A:熱の出入りができるようにして、等温変化で圧縮してもとの状態に戻す。
サイクルを一周する間、気体の内部エネルギーは( a )。
この間に気体がされた仕事の総和は( ア )であり、気体が吸収した熱量の総和は( イ )である。
- ア:正 イ:正
- ア:正 イ:0
- ア:正 イ:負
- ア:0 イ:正
- ア:0 イ:0
- ア:0 イ:負
- ア:負 イ:正
- ア:負 イ:0
- ア:負 イ:負
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この過去問の解説 (2件)
01
解答 ア:正 イ:負
解説
「この間に気体がされた仕事の総和は( ア )であり、
気体が吸収した熱量の総和は( イ )である」の穴埋め問題です。
反時計回りの熱サイクルがされる仕事は正です(補足参照)。
熱力学第一法則より ΔU = Q + Wされた であり、
サイクル一周で ΔU = 0 なので、
Q = - Wされた となり、 Q < 0 と言えます。
よって答えは ア:正 イ:負 となります。
【補足】
反時計回りのとき、
右に向かう曲線(今回でいうA→B)が
左に向かう曲線(今回でいうC→A)より下側にあるため、
|膨張時の仕事(する仕事)|<|圧縮時の仕事(される仕事)|
となります。
この選択肢が正解となります。
熱サイクルの仕事の符号は、
・反時計回り=圧縮時の仕事の方が大きい=仕事をされる
・時計回り=膨張時の仕事の方が大きい=仕事をする
と覚えておくと早く処理できます。
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02
この問題は、理想気体のサイクルにおける熱力学第一法則の理解を問うものです。 状態 A から出発して A→B→C→A と一周して元の状態に戻るため、全行程を通した内部エネルギーの変化量 ΔU は 0 になります。 したがって、第一法則 Q=ΔU+Wout(Q:吸収熱量、Wout:気体が外部へした仕事)より、サイクル全体では Q=Wout が成立することを念頭に置くのがポイントです。
仕事もされて熱も吸収したら、内部エネルギーが激増してしまい、元の状態 A に戻れません。
仕事をされた分だけ熱を捨てないと元の温度に戻れないため、熱の出入りが 0 ということはあり得ません。
このサイクルは反時計回りのため、上側を通る「圧縮過程(C→A)」でされた仕事の絶対値が、下側を通る「膨張過程(A→B)」でした仕事の絶対値を上回ります。 気体は差し引きで外部から正味の仕事を「された」ことになるため、(ア)は正と判断できます。 もし時計回りであれば「した仕事」の方が大きくなり、された仕事の総和は「負」になりますが、本問はその逆です。 グラフが囲む面積の「回転方向」に注目することが、符号を決定する最大の鍵となります。
サイクルを一周すると温度が元に戻るため、内部エネルギーの変化量 ΔUは0になります。熱力学第一法則 ΔU=Q+Win(Win:された仕事)に当てはめると、0=Q+(正の値) となるため、Q は負と決まります。 つまり、外部から仕事をされた分だけ熱を外へ放出(=吸収した熱量は「負」)しなければ、元の状態には戻れません。
往路(A→B)と復路(C→A)でグラフの高さが異なるため、仕事が相殺されて0になることは絶対にありません。
往路(A→B)と復路(C→A)でグラフの高さが異なるため、仕事が相殺されて0になることは絶対にありません。
往路(A→B)と復路(C→A)でグラフの高さが異なるため、仕事が相殺されて0になることは絶対にありません。
「吸収した熱量が正(熱をもらった)」としていますが、これはエンジン(熱機関)の動きであり、今回のグラフとは逆です。
熱を吸収せずに外部へ仕事をすることは、エネルギー保存則(第一法則)に矛盾します。
これは一般的な「熱機関(ボイラーなど)」の符号です。本問は反時計回りなので、正味では「仕事をされている」ため、この逆になります。
サイクルを一周したとき、ΔU=0 なので「吸収した熱量の総和(イ)」は「外部へした仕事の総和」と等しくなります。 本問は反時計回りのサイクルのため、正味の仕事は「された」状態(ア:正)であり、第一法則から熱量は正味で「放出」した(イ:負)と考えがちですが、日本語の「正・負」の定義に注意しましょう。 大学受験では、「P-V グラフの囲む面積=仕事」の理解と、「時計回りなら外部へ仕事をする(熱機関)、反時計回りなら外部から仕事をされる(冷凍機)」という法則をセットで暗記しておくのが鉄則です。 また、等温線と断熱線の傾きの違い(断熱変化の方が急であること)は頻出事項なので、必ず自力で描けるようにしておきましょう。
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