共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問153 (生物(第5問) 問2)
問題文
ショウジョウバエでは、タンパク質XのmRNAは、(a)母性因子の遺伝子(母性効果遺伝子)(以下、母性遺伝子)から転写され、卵の後端の細胞質に蓄えられる。卵が産みだされると、このmRNAからタンパク質Xが翻訳され、発生を開始した卵(以下、胚)の後端から前方の領域にかけて(b)タンパク質Xの濃度勾配が生じ、タンパク質Xの濃度が一定以上になった領域に腹部が形成される。
下線部(b)に関連して、ショウジョウバエの前後軸の形成に関わる母性因子のなかには、濃度勾配を形成するものがある。次の記述a〜cのうち、濃度勾配を形成する母性因子の特徴として適当なものはどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
a タンパク質の濃度の違いによって、細胞に異なる応答を引き起こす。
b タンパク質が胚の全域に均一に分布した後、濃度勾配が生じる。
c 胚において、核分裂だけを起こしている時期に、タンパク質の濃度勾配が生じる。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問153(生物(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
ショウジョウバエでは、タンパク質XのmRNAは、(a)母性因子の遺伝子(母性効果遺伝子)(以下、母性遺伝子)から転写され、卵の後端の細胞質に蓄えられる。卵が産みだされると、このmRNAからタンパク質Xが翻訳され、発生を開始した卵(以下、胚)の後端から前方の領域にかけて(b)タンパク質Xの濃度勾配が生じ、タンパク質Xの濃度が一定以上になった領域に腹部が形成される。
下線部(b)に関連して、ショウジョウバエの前後軸の形成に関わる母性因子のなかには、濃度勾配を形成するものがある。次の記述a〜cのうち、濃度勾配を形成する母性因子の特徴として適当なものはどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
a タンパク質の濃度の違いによって、細胞に異なる応答を引き起こす。
b タンパク質が胚の全域に均一に分布した後、濃度勾配が生じる。
c 胚において、核分裂だけを起こしている時期に、タンパク質の濃度勾配が生じる。
- a
- b
- c
- a,b
- a,c
- b,c
- a,b,c
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、濃度勾配がいつ、どのようにできて、何のためにあるのかを問う問題です。
a : 濃度勾配をつくる母性因子は、場所によって濃度が違います。
その濃度差によって細胞に異なる反応を起こさせます。つまり「濃い場所では腹部になる」「薄い場所では別の構造になる」のように、位置情報として働きます。
よってaは正しいと言えます。
b : 問題文では、mRNAが卵の後端に蓄えられ、そこからタンパク質Xが作られるため、後端で濃く、前方へ行くほど薄い勾配ができます。
胚全体に均一に分布した後には勾配は生まれません。
よってbは誤りと言えます。
c : ショウジョウバエの初期胚では、細胞質分裂より先に核分裂が進み、多核の状態になります。
この時期に母性因子タンパク質の濃度勾配ができ、前後軸の位置情報を与えます。
よってcは正しいと言えます。
したがって、過不足なく含む選択肢はaとcになります。
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02
a,bについてショウジョウバエに関する母性因子は三種類ありその拮抗性と濃度勾配により、前方と後方で違った組織が形成されます。よってaが正しくbは誤りです。
またショウジョウバエは核分裂を細胞質分裂より先に起こし、多核細胞の単細胞生物時代を経験します。よってCが正しいです。
前述した母性因子三種類の名称と拮抗性、そして分裂の過程と様相は確認しましょう。
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03
ショウジョウバエの代表的な母性因子にビコイドとナノスがあります。ビコイドは前方に、ナノスは後方に存在し、それぞれ反対側に向かって濃度勾配を形成します。
a:正しい。濃度の違いによって細胞の応答が変わり、主に頭部,胸部、腹部に分かれます。
b:誤り。タンパク質は最初、前方か後方の一方にだけ存在しています。
c:正しい。核分裂だけが起きている時期は、細胞質分裂まだされていないのでタンパク質は自由に移動できます。
正解です。
ビコイド,ナノスに加えて余裕があればハンチバック、コーダルについても調べてください。
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