共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問115 (生物(第1問) 問3)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問115(生物(第1問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

個体を構成する様々な細胞は、(a)生体膜に存在するタンパク質を介して情報を受け取り、体内環境を維持する。例えば免疫細胞は、体内に侵入した(b)異物を認識し、排除する。特定の免疫細胞は、異物に含まれるタンパク質の断片と(c)MHC分子(MHC抗原)との複合体を認識して、その異物に特異的な情報を受け取る。

下線部(c)について、ヒトの免疫におけるMHC分子に関する次の記述a~cのうち適当なものはどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

a  MHC分子の遺伝子座は複数あり、それぞれに多くの対立遺伝子が存在するため、2個体間でMHC分子の遺伝子型が全て同じになることはまれである。
b  MHC分子の対立遺伝子はB細胞の分化に伴って再構成されるため、限られた数の遺伝子から膨大な種類の抗体を産生できる。
c  臓器移植において、好中球やマクロファージは、移植された組織由来のMHC分子を非自己として認識するため、拒絶反応が起こる。
  • a
  • b
  • c
  • a、b
  • a、c
  • b、c
  • a、b、c

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この過去問の解説 (3件)

01

MHC分子には、ⅠとⅡの2つのクラスがあります。

クラスⅠ分子は、赤血球を除くほぼ全ての有核細胞に存在しています。そして、異物の情報を抗原として細胞表面に標識し、キラーT細胞へと抗原の情報を提示します。

クラスⅡ分子は、樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞に存在しています。異物の情報を免疫系全体で共有し、ヘルパーT細胞へと異物の情報を提示します。そして、活性化したヘルパーT細胞はB細胞に対して抗体産生を促したり、他の免疫細胞を活性化させたりします。結果として、大量の抗体が産生されます。

 

a : 正しい

複数の遺伝子座にそれぞれの多数の対立遺伝子が存在するMHC分子において、2つの個体が完全に一致する組み合わせを持つ確率は極めて低いといえます。

 

b : 誤り

MHC分子の多様性は、遺伝子の再構成ではなく、遺伝子の多型によるものなので誤りです。

再構成されるのは、抗体の遺伝子です。B細胞の分化の過程で、抗体の可変部を決める遺伝子断片がランダムに組み合わさることで、様々なバリエーションの抗体を作ることが可能になります。

 

c : 誤り

臓器移植における拒絶反応では、移植された組織由来のMHC分子を非自己として認識して攻撃する役割を担うのは、好中球やマクロファージではなく、T細胞です。
 

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02

MHC分子にはクラスⅠ、クラスⅡがあります。

クラスⅠは全ての細胞が持っていてキラーT細胞に提示しています。

クラスⅡは樹状細胞、マクロファージ、好中球などが持っていて、細胞外のタンパク質をヘルパーT細胞に提示しています。

a:これは正しいです。これが根拠になって、臓器移植の大半が拒絶反応を起こします。

b:MHC分子の再構成が抗体産生の多様化に影響しているわけではありません。

c:非自己として認識するのは、好中球やマクロファージではなくT細胞です。

答えはaのみです。

選択肢1. a

正解です。

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03

「MHC分子の遺伝子座は複数あり、それぞれに多くの対立遺伝子が存在するため、2個体間でMHC分子の遺伝子型が全て同じになることはまれである。」の記述のみ適当です。

選択肢1. a

ヒトのMHC分子は多型性が非常に高く、複数の遺伝子座から構成されます。それぞれの遺伝子座には数百~数千種類の対立遺伝子が存在するため、個体間でMHC分子の遺伝子型が同じになることはまれです。

選択肢2. b

MHC遺伝子は生殖細胞系列で固定されており、再構成はおこなわれません。そのため、誤りです。

選択肢3. c

拒絶反応を引き起こすのはT細胞であり、好中球やマクロファージではないため、誤りです。

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