大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問126 (生物(第4問) 問2)
問題文
植物は、(a)光のエネルギーを使って、CO2を有機物に取り込む。このときCO2を有機物に固定する反応段階を担うのは、ルビスコと呼ばれる酵素である。(b)ルビスコは、リブロースビスリン酸(リブロース二リン酸)(以下、RuBP)をCO2と反応させるカルボキシラーゼとして働いてCO2固定を行うが、それと同じ活性部位にRuBPをO2と反応させるオキシゲナーゼ活性も持つ。これらの反応は、葉内のCO2濃度やO2濃度に大きな影響を受ける。
葉の内部には、気孔を通して外気からCO2が入ってくる。(c)気孔の開き具合は葉内のCO2濃度に応じて変わり、その結果として、外気からのCO2流入が調節される。この調節は、ルビスコの反応の効率にも深く関わっている。気孔の形成は、葉の発達過程で、未分化な表皮細胞の一部が孔辺細胞に分化することによって起こる。この(d)孔辺細胞の分化の過程にも、CO2が作用することが知られている。
大気中のCO2濃度は、この100年間、急激に上昇してきている。(e)CO2濃度の上昇は、CO2固定の効率や気孔の制御を通して植物の物質生産に影響を与えると考えられる。
下線部(b)に関連して、ホウレンソウのルビスコのカルボキシラーゼ反応とオキシゲナーゼ反応のそれぞれについて、CO2濃度、O2濃度、および温度の影響が調べられ、図1に示す結果が得られている。図1から導かれる考察として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問126(生物(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
植物は、(a)光のエネルギーを使って、CO2を有機物に取り込む。このときCO2を有機物に固定する反応段階を担うのは、ルビスコと呼ばれる酵素である。(b)ルビスコは、リブロースビスリン酸(リブロース二リン酸)(以下、RuBP)をCO2と反応させるカルボキシラーゼとして働いてCO2固定を行うが、それと同じ活性部位にRuBPをO2と反応させるオキシゲナーゼ活性も持つ。これらの反応は、葉内のCO2濃度やO2濃度に大きな影響を受ける。
葉の内部には、気孔を通して外気からCO2が入ってくる。(c)気孔の開き具合は葉内のCO2濃度に応じて変わり、その結果として、外気からのCO2流入が調節される。この調節は、ルビスコの反応の効率にも深く関わっている。気孔の形成は、葉の発達過程で、未分化な表皮細胞の一部が孔辺細胞に分化することによって起こる。この(d)孔辺細胞の分化の過程にも、CO2が作用することが知られている。
大気中のCO2濃度は、この100年間、急激に上昇してきている。(e)CO2濃度の上昇は、CO2固定の効率や気孔の制御を通して植物の物質生産に影響を与えると考えられる。
下線部(b)に関連して、ホウレンソウのルビスコのカルボキシラーゼ反応とオキシゲナーゼ反応のそれぞれについて、CO2濃度、O2濃度、および温度の影響が調べられ、図1に示す結果が得られている。図1から導かれる考察として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
- カルボキシラーゼ反応とオキシゲナーゼ反応のどちらでも、最大反応速度は温度が高いほうが大きい。
- 通常の大気の下では、オキシゲナーゼ反応速度に対するカルボキシラーゼ反応速度の比は、温度が高いほうが小さい。
- O2は、カルボキシラーゼ反応に対して、基質のCO2と競合する阻害物質(競争的阻害物質)として作用する。
- CO2は、オキシゲナーゼ反応に対して、基質のO2と競合しない阻害物質(非競争的阻害物質)として作用する。
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この過去問の解説 (2件)
01
「CO2は、オキシゲナーゼ反応に対して、基質のO2と競合しない阻害物質(非競争的阻害物質)として作用する。」が不適切な選択肢です。
図1の2つのグラフで、30℃の曲線は15℃よりも上にあり、最大反応速度は温度が高い方が大きいことが分かります。そのため、適切です。
図より、15℃と30℃、それぞれのカルボキシラーゼ反応のグラフの数値を見ると、相対的に30℃の方が低いことが分かります。一方で、15℃と30℃、それぞれのオキシゲナーゼ反応のグラフの数値を見ると、相対的に30℃の方が高いことが分かります。
カルボキシラーゼ反応/オキシゲナーゼ反応の数値は、温度が高いほど、小さくなることが分かります。そのため、適当です。
図1のカルボキシラーゼ反応のグラフより、O2がある場合、カルボキシラーゼ反応速度が低下することが分かります。そのため、CO2とO2において、競争的阻害が起きていると考えられ、適切です。
図1のオキシゲナーゼ反応のグラフより、CO2がある場合、オキシゲナーゼ反応速度が低下することが分かります。そのため、CO2とO2において、競争的阻害が起きていると考えられます。そのため、非競争的阻害ではなく、不適切です。
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02
今回は、図を読み解く事に加えて、文中の把握を怠りなくする必要があります。また、計算する箇所もあるので、本番は時間を考えて取り組んでください。
図1で、温度だけ異なる2組ずつを見比べると全ての組で温度が高い方の最大反応速度が大きい事が分かります。
通常大気の下でのオキシゲナーゼ反応とカルボキシラーゼ反応の反応速度を求めます。注意書きを読むと、通常大気の濃度が書かれています。カルボキシラーゼ反応(30℃、通常大気)=約4.3×107、(15℃、通常大気)=約3×107 オキシゲナーゼ反応(30℃、通常大気)=約1.2×107、(15℃、通常大気)=約0.4×107です。したがって30℃時の4.3/1.2と15℃時の3/0.4を比較して,選択肢が正しい事が分かります。
図1のカルボキシラーゼの反応速度の表を参照します。最初、O2存在時は存在しない時より反応速度が小さいですが、横軸のCO2濃度が高まる程、存在しない時と同じ最大反応速度に近づく事が分かるのでこれは競争的阻害です。
下線部(b)に答えが隠されています。カルボキシラーゼもオキシゲナーゼも同じ活性部位を用いるとあるので非競争的阻害は考えられません。これが誤りであり、正解です。
問題文だけでなく、最初の大問の導入部にヒントがある事があるので、困ったら戻って確認するのがおすすめです。
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