共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問5 (物理基礎(第2問) 問1)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問5(物理基礎(第2問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

容器に水と電熱線を入れて、水の温度を上昇させる実験をした。ただし、容器と電熱線の温度上昇に使われる熱量、攪拌(かくはん)による熱の発生、導線の抵抗、および、外部への熱の放出は無視できるものとする。また、電熱線の抵抗値は温度によらず、水の量も変化しないものとする。

図1のように、異なる2本の電熱線A、Bを直列に接続して、それぞれを同じ量で同じ温度の水の中に入れた。接続した電熱線の両端に電圧をかけて水をゆっくりと攪拌しながら、しばらくしてそれぞれの水の温度を測ったところ、電熱線Aを入れた水の温度の方が高かった。
このとき、次のア〜ウの記述のうち正しいものをすべて選び出した組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

ア  電熱線Aを流れる電流が電熱線Bを流れる電流より大きかった。
イ  電熱線Bの抵抗値が電熱線Aの抵抗値より大きかった。
ウ  電熱線Aにかかる電圧が電熱線Bにかかる電圧より大きかった。
問題文の画像
  • アとイ
  • イとウ
  • アとウ
  • アとイとウ
  • 正しいものはない

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題のポイントは2つあります。

1つめはオームの法則です。
電流Iと電圧Vは比例するという法則で、その比例定数が抵抗Rと定められています。
よって電圧(V)=抵抗(R)×電流(I)と表すことができます。

 

2つめは抵抗で発生する熱量です。
t秒間に発生するジュール熱は 熱量(Q)=電流(I)×電圧(V)×時間(t) で表すことができます。


また電熱線Aと電熱線Bは直列につながれているので電流は等しく、電圧は異なっています(Aの電圧+Bの電圧=全体の電圧)

これらより以下のことがわかります。

 

電流について

電熱線Aと電熱線Bは直列につながれているので、電熱線Aを流れる電流と電熱線Bを流れる電流は等しくなります。

よって、選択肢(ア)は誤です。


電圧について
熱量=電流×電圧×時間であり、かつ電流と時間は電熱線Aも電熱線Bも等しいので、
電熱線Aの熱量>電熱線Bの熱量であるとき、
電熱線Aにかかる電圧の方が電熱線Bにかかる電圧より大きいとわかります。

よって、選択肢(ウ)は正です。

 

抵抗について
電圧=抵抗×電流なので、流れる電流が等しいとき、抵抗が大きいほど電圧は大きくなります。
Aにかかる電圧>Bにかかる電圧とわかったので、電熱線Aの抵抗値が電熱線Bの抵抗値より大きいとわかります。

よって、選択肢(イ)は誤です。

 

選択肢3. ウ

こちらが正解となります。

まとめ

電流は「流れる電気の量」、電圧は「電気を流そうとする力」、抵抗は「電気の流れにくさ」と言えます。

これらも踏まえて、各公式や法則を暗記するだけではなくイメージできるようになればと思います。

 

 

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02

ジュールの法則

電熱線が発生させる熱量Qは、電流I、電圧V、抵抗R、時間tを用いて

Q=IVt=I2Rt=tV2/R

で表されます。

 

本問題では直列に繋いでいるため、電流はAとBで等しい。(IA=IB

発熱はAの方がBより多い。(QA>QB

がわかっています。

 

よって、

Q=I2Rt

より、電流が同じなのに熱量がAの方が大きいことから、抵抗はAの方が大きいことがわかります。

 

また、

Q=IVt

より、電流が同じなのに熱量がAの方が大きいことから、電圧もAの方が大きいことがわかります。

 

よって

ア  電熱線Aを流れる電流が電熱線Bを流れる電流より大きかった。

→等しいので誤り


イ  電熱線Bの抵抗値が電熱線Aの抵抗値より大きかった。

→Aの方が大きいので誤り


ウ  電熱線Aにかかる電圧が電熱線Bにかかる電圧より大きかった。

→Aの方が大きいので正しい

となります。

まとめ

ジュールの法則

電熱線が発生させる熱量Qは、電流I、電圧V、抵抗R、時間tを用いて

Q=IVt=I2Rt=tV2/R

 

をどの形でも使えるようにしましょう。

参考になった数0

03

解答 ウのみ正しい

 

解説

ジュール熱の公式 Q=VIt(=RI2t=(V2/R)t)

と オームの法則 V=RI

を利用する問題です。

 

「QA>QB、IA=IB」→「RA>RB」→「VA>VB」の順にわかります。

 

加熱前の水温および水の量は等しいため、

水温が高くなった方が温度上昇に使われた熱が多いです(Q=mcΔT)。

また、問題設定より、温度上昇に使われた熱は電熱線で発生した熱すなわち

ジュール熱に一致することに注意します。

Aの水温の方が高くなったため、ジュール熱について QA>QB です。

 

AとBは直列であるため、電流は等しくなり(IA=IB)、電圧は異なります。

抵抗値Rの大小を比較するために用いるジュール熱の公式は

「Q=RI2t」の形のものが適切で、抵抗値について RA>RB となることがわかります。

加熱時間が等しいことにも注意しましょう。

 

最後にオームの法則V=RIにより、 VA>VB となることがわかります。

 

まとめると、

・電流は等しい ・抵抗値はAの方が大きい ・電圧はAの方が大きい

ですから、正しい記述はアイウのうち ウのみ となります。

選択肢3. ウ

この選択肢が正解となります。

まとめ

ジュール熱の大小関係と抵抗値の大小関係の対応を考えるとき、

加熱時間と電流が等しい場合は「Q=RI2t」を用いて比較できます。

参考になった数0