共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問6 (物理基礎(第2問) 問2)
問題文
容器に水と電熱線を入れて、水の温度を上昇させる実験をした。ただし、容器と電熱線の温度上昇に使われる熱量、攪拌(かくはん)による熱の発生、導線の抵抗、および、外部への熱の放出は無視できるものとする。また、電熱線の抵抗値は温度によらず、水の量も変化しないものとする。
図2のように、別の異なる2本の電熱線C、Dを並列に接続して、それぞれを同じ量で同じ温度の水の中に入れた。接続した電熱線の両端に電圧をかけて水をゆっくりと攪拌しながら、しばらくしてそれぞれの水の温度を測ったところ、電熱線Cを入れた水の温度の方が高かった。
このとき、次のア〜ウの記述のうち正しいものをすべて選び出した組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア 電熱線Cを流れる電流が電熱線Dを流れる電流より大きかった。
イ 電熱線Dの抵抗値が電熱線Cの抵抗値より大きかった。
ウ 電熱線Cにかかる電圧が電熱線Dにかかる電圧より大きかった。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問6(物理基礎(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
容器に水と電熱線を入れて、水の温度を上昇させる実験をした。ただし、容器と電熱線の温度上昇に使われる熱量、攪拌(かくはん)による熱の発生、導線の抵抗、および、外部への熱の放出は無視できるものとする。また、電熱線の抵抗値は温度によらず、水の量も変化しないものとする。
図2のように、別の異なる2本の電熱線C、Dを並列に接続して、それぞれを同じ量で同じ温度の水の中に入れた。接続した電熱線の両端に電圧をかけて水をゆっくりと攪拌しながら、しばらくしてそれぞれの水の温度を測ったところ、電熱線Cを入れた水の温度の方が高かった。
このとき、次のア〜ウの記述のうち正しいものをすべて選び出した組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
ア 電熱線Cを流れる電流が電熱線Dを流れる電流より大きかった。
イ 電熱線Dの抵抗値が電熱線Cの抵抗値より大きかった。
ウ 電熱線Cにかかる電圧が電熱線Dにかかる電圧より大きかった。
- ア
- イ
- ウ
- アとイ
- イとウ
- アとウ
- アとイとウ
- 正しいものはない
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題のポイントは2つあります。
1つめはオームの法則です。
電流Iと電圧Vは比例するという法則で、その比例定数が抵抗Rと定められています。
よって電圧(V)=抵抗(R)×電流(I)と表すことができます。
2つめは抵抗で発生する熱量です。
t秒間に発生するジュール熱は 熱量(Q)=電流(I)×電圧(V)×時間(t) で表すことができます。
また電熱線Cと電熱線Dは並列につながれているので電圧は等しく、電流は異なっています(電熱線Cに流れる電流+電熱線Dに流れる電流=全体の電流)。
これらを使うと以下のことがわかります。
電流について
熱量=電流×電圧×時間であり、かつ電圧と時間は電熱線Cも電熱線Dも等しいので、電熱線Cで発生する熱量の方が大きいとき、電熱線Cを流れる電流が電熱線Dを流れる電流より大きいとわかります。
よって選択肢(ア)は正。
抵抗について
電圧=抵抗×電流であり、かつ電熱線Cと電熱線Dの電圧は等しく、電流は電熱線Cの方が大きいので、電熱線Dの抵抗値が電熱線Cの抵抗値より大きいとわかります。
よって選択肢(イ)は正。
電圧について
電熱線Cと電熱線Dは並列につながれているので、電圧は等しいとわかります。
よって選択肢(ウ)は誤。
こちらが正解となります。
電流は「流れる電気の量」、電圧は「電気を流そうとする力」、抵抗は「電気の流れにくさ」と言えます。
これらも踏まえて、各公式や法則を暗記するだけではなくイメージできるようになればと思います。
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02
ジュールの法則
電熱線が発生させる熱量Qは、電流I、電圧V、抵抗R、時間tを用いて
Q=IVt=I2Rt=tV2/R
で表されます。
本問題では直列に繋いでいるため、電圧はCとDで等しい。(IC=ID)
発熱はCの方がDより多い。(QC>QD)
がわかっています。
よって、
Q=IVt
より、電圧が同じなのに熱量がCの方が大きいことから、電流はCの方が大きいことがわかります。
また、
Q=tV2/R
より、電圧が同じなのに熱量がCの方が大きいことから、抵抗はDの方が大きいことがわかります。
よって
ア 電熱線Cを流れる電流が電熱線Dを流れる電流より大きかった。
→Cの方が大きいので正しい
イ 電熱線Dの抵抗値が電熱線Cの抵抗値より大きかった。
→Dの方が大きいので正しい
ウ 電熱線Cにかかる電圧が電熱線Dにかかる電圧より大きかった。
→等しいので誤り
となります。
ジュールの法則
電熱線が発生させる熱量Qは、電流I、電圧V、抵抗R、時間tを用いて
Q=IVt=I2Rt=tV2/R
をどの形でも使えるようにしましょう。
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03
解答 アとイが正しい
解説
ジュール熱の公式 Q=VIt(=RI2t=(V2/R)t)
と オームの法則 V=RI
を利用する問題です。
「QC>QD、VC=VD」→「RC<RD」→「IC>ID」の順にわかります。
加熱前の水温および水の量は等しいため、
水温が高くなった方が温度上昇に使われた熱が多いです(Q=mcΔT)。
また、問題設定より、温度上昇に使われた熱は電熱線で発生した熱すなわち
ジュール熱に一致することに注意します。
Cの水温の方が高くなったため、ジュール熱について QC>QD です。
CとDは並列であるため、電圧は等しくなり(VA=VB)、電流は異なります。
抵抗値Rの大小を比較するために用いるジュール熱の公式は
「Q=(V2/R)t」の形のものが適切で、抵抗値について RC<RD となることがわかります。
加熱時間が等しいことにも注意しましょう。
最後にオームの法則V=RI(変形してI=V/R)により、
IC>ID となることがわかります。
まとめると、
・電流はCの方が大きい ・抵抗値はDの方が大きい ・電圧は等しい
ですから、正しい記述はアイウのうち アとイ となります。
この選択肢が正解となります。
ジュール熱の大小関係と抵抗値の大小関係の対応を考えるとき、
加熱時間と電圧が等しい場合は「Q=(V2/R)t」を用いて比較できます。
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