大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問11 (物理基礎(第3問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問11(物理基礎(第3問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、演劇部の公演の一場面を記述したものである。王女の発言は科学的に正しいが、細工師の発言は正しいとは限らないとして、後の問いに答えよ。

王女役と細工師役が、図1のスプーンAとスプーンBについての言い争いを演じている。

王女:ここに純金製のスプーン(スプーンA)と、あなたが作ったスプーン(スプーンB)があります。どちらも質量は100.0gですが、色が少し異なっているように見え、スプーンBは純金に銀が混ぜられているという噂があります。
細工師:いえいえ、スプーンBは純金製です。純金製ではないという証拠を見せてください。

王女は、スプーンBが純金製か、銀が混ぜられたものかを判別するために、スプーンAとBの物理的な性質を実験で調べることにした。

次の文章中の空欄( イ )に入れる語句として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

王女はスプーンAとスプーンBの比熱(比熱容量)を比較するために次の実験を行った。スプーンAとスプーンBを温度60.0℃にして、それぞれを温度20.0℃の水200.0gに入れたところ、以下の温度で熱平衡になった。ただし、熱のやりとりはスプーンと水の間だけで行われるとする。

・スプーンAを水に入れた場合:20.6℃
・スプーンBを水に入れた場合:20.7℃

王女:この結果からスプーンAとスプーンBの比熱は異なっており、スプーンBの方が比熱が( ア )ことがわかります。ですから、スプーンBは純金製ではありません!
細工師:いえいえ、この実験で温度の違いが0.1℃というのは、同じ温度のようなものです。どちらも純金製ですよ。
細工師の主張に対して、もしこの実験における水の量を( イ )にしていれば、あるいは、水に入れる前のスプーンと水の温度差を( ウ )していれば、実験結果の温度の違いをより大きくできたであろう。しかし、王女はそこまでは気が付かなかった。
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この過去問の解説 (1件)

01

解答 半分

 

解説

「もしこの実験における水の量を( イ )にしていれば、

(中略)実験結果の温度の違いをより大きくできた」の穴埋め問題です。

 

スプーンの質量(A,B共通): ms 水の質量: mw

スプーンの比熱: csA, csB 水の比熱: cw

スプーンを入れる前の水の温度: Tw

水に入れる前のスプーンの温度: Ts

熱平衡後のスプーン及び水の温度: TA,TB

とします。

 

Aについて、公式「Q=mcΔT」と熱量の保存より、

(スプーンAが失った熱量)=(水が得た熱量)

mscsA(Ts-TA)=mwcw(TA-Tw) …(★)

(Ts-TA) : (TA-Tw) = mwcw : mscsA

となり、

「温度の異なる2物体を接触させたとき、熱平衡後の温度は

変化前の両者の温度を熱容量の逆比に”内分”した値になる」

と言えます(数直線上にTw,TA,Tsをかいてみましょう)。よって

(TA-Tw)

=(Ts-Tw)・{mscsA/(mwcw+mscsA)}

=(Ts-Tw)/{(mwcw/mscsA)+1}

となり、ここで a = mwcw/mscsA とおいて、

(TA-Tw)=(Ts-Tw)/(a+1) …①

となります((★)を直接変形して①を得ても構いません)。

 

この問題では、

a = mwcw/mscsA 

= (Ts-TA)/(TA-Tw

= 39.4/0.6 

= 394/6

≒ 50 (大雑把な計算でよい)

となることに注意して①より、

・aが2倍になると(TA-Tw)はほぼ半分になります。

・aが半分になると(TA-Tw)はほぼ2倍になります。

 

同様に考えて、

b = mwcw/mscsB とおいて、

(TB-Tw)=(Ts-Tw)/(b+1) …②

となります。この問題では、

b = 39.3/0.7 ≒ 50 (大雑把な計算でよい)

となることに注意して②より、

・bが2倍になると(TA-Tw)はほぼ半分になります。

・bが半分になると(TA-Tw)はほぼ2倍になります。

 

水の量すなわちmw

2倍になったときはa,bが2倍となり、

半分になったときはa,bが半分となるため、

TB-TAを大きくするには後者が適しています。

 

よって答えは 半分 となります。

選択肢2. 半分

この選択肢が正解となります。

まとめ

この問題は結局のところ、

「水の熱容量をもっとスプーンの熱容量に近づけるべきだった」

ということを言っています。

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