大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問150 (生物(第6問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問150(生物(第6問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

宮沢賢治が「サムサノナツハオロオロアルキ」と詠んだ夏場の低温による凶作では、10℃を上回る温度でも、イネのa種子が形成されにくくなる。その原因は、b低温では成熟した花粉が正常に形成されないことにある。この現象を調べるため、cイネの花のおしべが分化してから花粉が成熟するまでの約20日間の発生の過程を調べたところ、表1の結果が得られた。成熟した花粉が正常に形成されない現象は、d表1の発生段階のどこかが低温において進行しなくなっていることが原因と考えられる。
他方、冬場の低温においては、0℃以下になると細胞内の水が凍結し、生じた氷の結晶により細胞が破壊されることがある。しかし、e徐々に温度が低下した場合には、植物は凍結による細胞の破壊を回避できることがある。

表1
発生段階Ⅰ おしべが分化する
発生段階Ⅱ 葯(やく)の見かけが完成し、葯の中が花粉母細胞で満たされる
発生段階Ⅲ 減数分裂により、花粉母細胞から花粉四分子が形成される
発生段階Ⅳ 花粉四分子がばらばらになる
発生段階Ⅴ 花粉管細胞と雄原細胞が形成される
発生段階Ⅵ 花粉が成熟する

下線部eに関連して、植物が0℃を大きく下回るような低温での凍結をどのように回避しているかを調べるため、実験2を行った。

実験2
実験室でよく栽培されるシロイヌナズナの植物体を、通常の生育温度である23℃から急速に-15℃に温度を下げて数時間処理すると、23℃に戻してもすぐに枯れてしまった。しかし、あらかじめ生育温度を通常の23℃から2℃に下げて3日間栽培して寒さに慣らしてから-15℃の低温処理を数時間行った場合、植物は枯れずに生き続けることができた。また、-15℃にさらされても生き残った植物の細胞内の糖やアミノ酸の量は、通常に生育させた植物に比べて増えていた。

この実験の結果から、細胞内の糖やアミノ酸を増やすことが、凍結による細胞の破壊を回避するために有効であると考えた。この考えが正しいかどうかを調べるために追加すべき実験として適当でないものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • まず-15℃で数時間処理し、次いで2℃に移して3日後に糖やアミノ酸の量を測定する。
  • -15℃での処理による細胞の破壊の程度を、あらかじめ2℃での栽培をする場合としない場合とで比較する。
  • 2℃で3日間栽培する前後で、糖やアミノ酸の量を比較する。
  • 増えた糖やアミノ酸の合成に関わる酵素の遺伝子が働かなくなるようにした株が、-15℃の低温処理に対して弱くなるかどうかを調べる。
  • 増えた糖やアミノ酸の合成に関わる酵素の遺伝子を過剰に働くようにした株が、-15℃の低温処理に対して強くなるかどうかを調べる。

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