大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問73 (物理(第1問) 問2(2))

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問73(物理(第1問) 問2(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の問いに答えよ。

図3のように、斜面をもつ台をストッパーで水平な床に固定し、斜面上に質量mの物体を置いたところ物体は静止した。
次に、斜面上に観測者を立たせてストッパーを外した後に、台を図4のように、右向きに大きさaの加速度で動かしたところ、物体は斜面上をすべることなく台と一体となって運動した。次の文章の空欄( ア )・( イ )に入れる語句の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

台とともに運動する観測者には、物体に水平方向( ア )向きに大きさmaの慣性力がはたらいているように見える。また、物体が斜面から受ける静止摩擦力の大きさは、台が固定されていたときと比較して( イ )。
問題文の画像
  • ア:左  イ:増える
  • ア:左  イ:減る
  • ア:右  イ:増える
  • ア:右  イ:減る

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この過去問の解説 (3件)

01

解答 ア:左  イ:増える

 

簡潔な解説

加速度的に上昇中のエレベーターで体が重く感じるのと同様、

この問題の状況では擬似的に左方向に重力が強くなったように

感じます。もともと鉛直下向きの重力があって、それとの合力を考えると、

斜面を引きずり下ろそうとする力は強まっており、それと釣り合うように

摩擦力も強くなっています。

 

詳細な解説

 

アの解説

「台とともに運動する観測者には、物体に水平方向( ア )向き

に大きさmaの慣性力がはたらいているように見える。」

の穴埋め問題です。

 

慣性系から見て加速度aで動く立場から見ると、

質量mの物体には-maの慣性力が働いて見えます。

aは右向きであるため、-maは左向きです。

 

よって答えは ア: 左 となります。

 

 

イの解説

「物体が斜面から受ける静止摩擦力の大きさは、

台が固定されていたときと比較して( イ )。」

の穴埋め問題です。

 

斜面の傾きをθ、重力加速度の大きさをgとします。

台固定時の静止摩擦力Nは、斜面方向の力の釣り合いより

N=mgsinθ

となります。

一方、台とともに動く観測者から見て静止摩擦力N'は、

斜面方向の力の釣り合いより

N' = mgsinθ + macosθ 

となり、

N' > N

とわかります。

 

よって答えは イ: 増える となります。

選択肢1. ア:左  イ:増える

この選択肢が正解となります。

まとめ

慣性系から見て加速度aで動く立場から見ると、

質量mの物体には-maの慣性力が働いて見えます。

加速中のエレベーターでイメージをつかみましょう。

 

これは、

擬似的に重力加速度-aが発生する

と考えると理解しやすいです。

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02

「慣性力」とは、加速している観測者が物体を見たときに

あたかも働いているかのように見える力のことです。

 

この大きさは物体の質量mと観測者の加速度aを用いて

maと表され、

その向きは観測者の加速度の向きと反対になります。

 

よって(ア)の答えは観測者の加速の方向と反対のです。

 

 

また、物体は台から滑り落ちていないので、

「台(もしくは台の上にいる観測者)から見ると、物体は静止している」

といえます。

物体が静止しているならば、力がつり合っているので、

・重力

・台から受ける垂直抗力

・静止摩擦力

・慣性力

の4つの剛力が0になります。

 

ストッパーがあるときには台が静止しているため慣性力が0です。

ストッパーをなくしたことで左向きの慣性力がはたらき、

それとつりあうように、右向きの力を増やすよう静止摩擦力は増加します

よって(イ)の答えは増えるです。

選択肢2. ア:左  イ:減る

慣性力を含めた

・重力

・台から受ける垂直抗力

・静止摩擦力

・慣性力

のつり合いを考えてみましょう。

選択肢3. ア:右  イ:増える

慣性力の向きは、観測者の加速度と逆向きになります。

選択肢4. ア:右  イ:減る

慣性力の向きは、観測者の加速度と逆向きになります。

 

まとめ

観測者が加速していているときは、

観測者の加速の向きと逆の向きに慣性力がはたらきます。

 

慣性力も含めて力のつり合いを考えられるようにしましょう。

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03

慣性力は左向きで、静止摩擦力は増えます

 

慣性力とは、観測者の加速度と逆向きに働く「見かけの力」 のことです。

例:電車が発車すると、中の乗客は進行方向と逆向きに力を受ける。

そのため、右向きな加速度に対して、左向きに慣性力が働きます。

 

物体に新たに左向きの慣性力が加わると、

重力のみのときと比べて、斜面に平行下向き成分は増えます。

(左向きの力は斜面に平行下向きと鉛直上向きに分解できるため)

したがって、斜面に平行下向き成分とつり合っている静止摩擦力も増えます

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