大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問133 (生物(第2問) 問4)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問133(生物(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

被子植物の花では、一般にがく片、花弁、おしべ、めしべの4種類の器官(花器官)が形成される。これらの花器官の分化には(b)ホメオティック遺伝子であるA,B,およびCの三つのクラスの遺伝子が必要である。いずれのクラスの遺伝子も、花の発生に必要なほかの遺伝子群の転写を制御する(c)調節タンパク質をつくる。

下線部(b)に関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • 全ての花器官の分化に共通して必要なクラスの遺伝子がある。
  • 全てのクラスの遺伝子の働きを必要とする花器官がある。
  • 全てのクラスの遺伝子は、互いの働きを抑制し合う。
  • ホメオティック遺伝子に変異が生じてその働きが変化すると、花の一部の特徴が別の部分の特徴に転換する。
  • ホメオティック遺伝子がつくるタンパク質の濃度勾配が、花器官の種類を決定する。

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この過去問の解説 (1件)

01

まず、被子植物とは、中心からがく片・花弁・おしべ・めしべと同心円状に並ぶ花のことです。

また、被子植物の花におけるABCモデルとは次のように説明されます。

・がく片→Aクラス遺伝子

・花弁→A+Bクラス遺伝子

・おしべ→B+Cクラス遺伝子

・めしべ→Cクラス遺伝子

これをもとに各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 全ての花器官の分化に共通して必要なクラスの遺伝子がある。

ABCモデルとは、

Aは、がく片と花弁には関与するが、おしべとめしめには関与しない。

Bは、花弁とおしべには関与するが、がく片とめしべには関与しない。

Cは、おしべとめしべには関与するが、がく片と花弁には関与しない。というものです。

 

このように、A遺伝子もB遺伝子もC遺伝子も、がく片・花弁・おしべ・めしべの四種類すべての器官に共通して働いているわけではありません。

なので、ABCモデルでは、がく片、花弁、おしべ、めしべの四種類に共通するクラスは存在しないので、この選択肢は誤りとなります。

選択肢2. 全てのクラスの遺伝子の働きを必要とする花器官がある。

ABC遺伝子とは、

・がく片→Aクラス遺伝子

・花弁→A+Bクラス遺伝子

・おしべ→B+Cクラス遺伝子

・めしべ→Cクラス遺伝子

このように組み分けられます。

いずれの器官も、1つの遺伝子または2つの遺伝子で組み合わさっています。

つまり、全てのクラスの遺伝子の働きを必要とする花器官は存在しないので、誤りとなります。

選択肢3. 全てのクラスの遺伝子は、互いの働きを抑制し合う。

ABCモデルでは、花の同心円状の配置を正しく保つために、

・Aクラス遺伝子は内側(Cの領域)で働かない

・Cクラス遺伝子は外側(Aの領域)で働かない

という関係があります。

もし、Aクラス遺伝子が内側でも働けば、めしべができません。

また、Cクラス遺伝子が外側でも働けば、がく片ができません。

Aクラス遺伝子は外側、Cクラス遺伝子は内側と決まっているのです。

これは、AとCがお互いに働きを抑制し合っているからです。

ここで問題となるのがBクラス遺伝子です。

Bクラス遺伝子は、内側でも外側でもなく、花弁とおしべという中央に位置しています。

Bクラス遺伝子は、Aクラス遺伝子とCクラス遺伝子が決めた領域の中で咲きます。つまり、Bクラス遺伝子は、Aクラス遺伝子とCクラス遺伝子と抑制し合っていないのです。

よって、Aクラス遺伝子とCクラス遺伝子はお互いに抑制しあっているが、Bクラス遺伝子は抑制していないので、「全ての」という部分が誤りとなります。

選択肢4. ホメオティック遺伝子に変異が生じてその働きが変化すると、花の一部の特徴が別の部分の特徴に転換する。

まず、ホメオティック遺伝子とは、体の各部位がどの器官になるかを決める遺伝子のことです。

例えばA遺伝子ががく片、B遺伝子が花弁、C遺伝子がおしべとそれぞれの遺伝子には、各器官の遺伝子が組み込まれています。もし、B遺伝子が動かないと、本来花弁になる部分がおしべになり、おしべになる部分がめしべになる等、器官の配置が置き換わってしまいます。これをホメオティック変異と言います。

よって、ホメオティック遺伝子に異変が生じると、花の一部の特徴が別の部分の特徴に転換するというのは、正しいです。

選択肢5. ホメオティック遺伝子がつくるタンパク質の濃度勾配が、花器官の種類を決定する。

花器官の分化は、ABCモデルで決定します。

・がく片→Aクラス遺伝子

・花弁→A+Bクラス遺伝子

・おしべ→B+Cクラス遺伝子

・めしべ→Cクラス遺伝子

この分化が、花器官のホメオティック遺伝子の種類の組み合わせです。

ホメオティック遺伝子がつくるタンパク質の濃度勾配で種類が決まるのは、ショウジョウバエの体節の位置などです。

よって、この選択肢は誤りとなります。

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