共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問136 (生物(第3問) 問1)
問題文
多くの動物の卵では、受精すると(a)小胞体に蓄えられているCa2+が放出され、卵の細胞質基質のCa2+濃度が一時的に上昇する。これをCa2+波と呼ぶ。Ca2+波は、受精膜の形成や、卵が発生するために必要な様々な代謝系の活性化(以下、卵の活性化)に必要である。
(b)両生類のイモリや哺乳類のマウスは(c)体内受精を行い、受精の際に卵内に進入する精子の細胞質基質のタンパク質によって、Ca2+波が誘起される。イモリでは、(d)精子の細胞質基質に存在する酵素Xが、卵内でCa2+波を誘起することが明らかとなっている。酵素Xは次に示す反応を触媒する酵素で、通常はミトコンドリアにおいてクエン酸を生成しているが、逆方向の反応の触媒も可能である。
下線部(a)の働きに関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問136(生物(第3問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
多くの動物の卵では、受精すると(a)小胞体に蓄えられているCa2+が放出され、卵の細胞質基質のCa2+濃度が一時的に上昇する。これをCa2+波と呼ぶ。Ca2+波は、受精膜の形成や、卵が発生するために必要な様々な代謝系の活性化(以下、卵の活性化)に必要である。
(b)両生類のイモリや哺乳類のマウスは(c)体内受精を行い、受精の際に卵内に進入する精子の細胞質基質のタンパク質によって、Ca2+波が誘起される。イモリでは、(d)精子の細胞質基質に存在する酵素Xが、卵内でCa2+波を誘起することが明らかとなっている。酵素Xは次に示す反応を触媒する酵素で、通常はミトコンドリアにおいてクエン酸を生成しているが、逆方向の反応の触媒も可能である。
下線部(a)の働きに関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- 内部にチラコイドを持ち、ATPを合成する。
- 内部にDNAを持ち、mRNAを合成する。
- タンパク質を細胞外へ分泌(エキソサイトーシス)するための小胞をつくる。
- 内部に分解酵素を含み、細胞内で生じた不要物を取り込んだ小胞と融合して、不要物を分解する。
- リボソームで合成されたタンパク質を取り込み、ほかの細胞小器官への輸送に関わる。
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この過去問の解説 (3件)
01
「この問題は細胞小器官一つ一つの説明ができるかどうか」という至極単純な問いで、それがゆえに正解するには英単語的な暗記が重要となります。
「チラコイド」と聞けば「葉緑体」です。
「チラコイド」を答えさせる問題より、今回のように「葉緑体」の説明としてよく見る単語ですが、「扁平」なんて単語で暗に示唆されるだけで、「チラコイド」さえ書いてくれない選択肢もあるので、必ず教科書や資料集でその形と葉緑体の中でどうなっているかを確認してください。
「内部にDNA」と来ると、核・葉緑体・ミトコンドリアのほぼ三択になります。
同時に『細胞内共生説』も関連事項として押さえておきましょう。
今回は特に後半部分からミトコンドリアと判明します。
「ミトコンドリアのDNA」は進化論や考古学の研究対象として重要で、よく出題されるので補足しておきます。
ミトコンドリアは一般的に母系遺伝されるために、全世界の人間のDNAを集め、遺伝子変化を解明していくと、人類の共通祖先のDNAにたどり着ける可能性があるというものがその研究の核です。遺伝子変化の「置換」や「欠失」、その他の仕組みを確認するついでに、調べてみてください。
結論からいうと、これは「ゴルジ体」の役割です。
タンパク質を細胞外に排出するエキソサイトーシスの仕組みは、記述させられることもあるので体系的に理解しておくのが鍵になります。
体系的にというと難しく感じるかもしれませんが「核→核小胞体→ゴルジ体→細胞膜」という流れと「輸送小胞」と「ゴルジ小胞」で運ばれていくことそれだけです。それだけを動画などを用いて流れで確認してみてください。
「エキソサイトーシス」と反対の動きである「エンドサイトーシス」に欠かせない「リソソーム」という細胞小器官です。
選択肢の通り、主に酵素によって細胞内の環境を整え、細菌の対処をします。エンドサイトーシスでは、細胞内共生と同じ仕組みで陥入したエンドソームと最終的に融合し、エンドソームの取り込んだ物質を酵素により分解します。
正しい選択肢です。
ゴルジ体の説明に記述していますが、その体系的な動きの中にも登場するように膜を持って、物質を運び、膜の融合で物質を届けます。
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02
この問題を解く上では、小胞体の基本機能を理解して押さえることが必要です。
チラコイドやATP合成を行うのは葉緑体であるため不正解です。
DNAやmRNA合成を行うのは核、ミトコンドリアであるため不正解です。
分泌小胞を作るのは主にゴルジ体であるため不正解です。
分解酵素はリソソームが関係するため不正解です。
小胞体の主な機能としては、リボソームで合成されたタンパク質を受け取ること、他の細胞器官へゴルジ体などを輸送することです。そのため最も適切な選択肢となります。
小胞体は、タンパク質の合成後の処理と輸送を中心に行う役割を持っています。
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03
まず、小胞体とは、真核細胞の中にある細胞の小器官の一つで、タンパク質や脂質を合成し、輸送する器官です。
小細胞は、粗面小胞体と滑面小胞体という二種類に分けることが出来ます。粗面小胞体とは、表面にリボソームが付いていて、主にタンパク質を合成し、分泌タンパク質や細胞膜タンパク質を作る役割を担っています。滑面小胞体とは、リボソームが無く、脂質を合成し、カルシウムイオンを貯蔵し、有害物質の解毒を行います。
次に、問題文で挙げられている「オキサロ酢酸+アセチルCoA+H₂O→クエン酸+CoA」についてです。これは、主にミトコンドリアで行われるクエン酸回路の反応のことです。クエン酸回路とは、食べ物のエネルギーを他の物質に変換させることです。このエネルギーを変換させるための場所がミトコンドリアなのです。
「内部にチラコイドを持ち、ATPを合成する」というのは、葉緑体のことです。
チラコイドとは、光合成を行う葉緑体内にある膜構造です。葉緑体の中でチラコイドは、光エネルギーを利用してATPを合成します。
つまり、「オキサロ酢酸+アセチルCoA+H₂O→クエン酸+CoA」は、食べ物から得た炭素を使って、ミトコンドリア内でATPを合成する準備をする場所。
一方、チラコイドは、葉緑体内で、光エネルギーを使って、ATPを合成する場所。
よって、この選択肢は誤りとなります。
「内部にDNAを持ち、mRNAを合成する」というのは、ミトコンドリアのことを指します。
ミトコンドリアは、内部に独自のDNAを持っています。この独自のDNAからmRNAが作られ、タンパク質が合成されます。
しかし、「オキサロ酢酸+アセチルCoA+H₂O→クエン酸+CoA」は、クエン酸回路が始まる起因であり、ATPを合成する準備反応です。
よって、どちらの文もミトコンドリアの特徴を説明しているものですが、あくまでも「オキサロ酢酸+アセチルCoA+H₂O→クエン酸+CoA」は、オキサロ酢酸とアセチルCoAからクエン酸が出来る反応なので、クエン酸回路の説明としては誤っています。
「タンパク質を細胞外へ分泌するための小胞をつくる」のは、ゴルジ体の働きです。
ゴルジ体というのは、粗面小胞体でタンパク質が合成され、合成されたタンパク質は小胞に包まれ、ゴルジ体へ運ばれます。ゴルジ体へ運ばれると、分泌小胞に入って、細胞外へ輸送されます。
この働きは、ゴルジ体のものであり、ミトコンドリアやクエン酸回路とは関係がないので、誤りとなります。
「内部に分解酵素を含み、細胞内で生じた不要物を取り込んだ小胞と融合して、不要物を分解する」というのは、リソソームの働きです。
細胞内で不要になった物質はリソソームと融合し、加水分解酵素で分解され、再利用されます。
よって、この選択肢は誤りとなります。
「オキサロ酢酸+アセチルCoA+H₂O→クエン酸+CoA」は、主にミトコンドリアで行われるクエン酸回路のことです。クエン酸回路とは、食べ物のエネルギーを他の物質に変換させることです。このエネルギーを変換させるための場所がミトコンドリアなのです。
「食べ物のエネルギー」には、タンパク質も含まれます。そして、食べ物のエネルギー(タンパク質を含む)を取り込んだら、細胞が使える形に変換させるために、ミトコンドリア内をぐるぐる回り、その後他の細胞小器官へ輸送されます。
よって、この選択肢は、正しいと言えます。
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