大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問140 (生物(第3問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問140(生物(第3問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

多くの動物の卵では、受精すると(a)小胞体に蓄えられているCa2+が放出され、卵の細胞質基質のCa2+濃度が一時的に上昇する。これをCa2+波と呼ぶ。Ca2+波は、受精膜の形成や、卵が発生するために必要な様々な代謝系の活性化(以下、卵の活性化)に必要である。
(b)両生類のイモリや哺乳類のマウス(c)体内受精を行い、受精の際に卵内に進入する精子の細胞質基質のタンパク質によって、Ca2+波が誘起される。イモリでは、(d)精子の細胞質基質に存在する酵素Xが、卵内でCa2+波を誘起することが明らかとなっている。酵素Xは次に示す反応を触媒する酵素で、通常はミトコンドリアにおいてクエン酸を生成しているが、逆方向の反応の触媒も可能である。

下線部(d)に関連して、多くの動物では、1個の卵に進入する精子は1個であるが、興味深いことに、イモリでは多くの場合、複数個の精子が進入する多精が起こる。この場合でも、最終的に卵核と融合する精子の核は1個である。イモリにおける卵の活性化と多精の関係を調べるため、問4の実験1「酵素Xを未受精卵に注入したところ、Ca2+波がみられた。」を発展させ、多数の未受精卵を用いて、卵に注入する酵素Xの量とCa2+波が誘起された卵の割合との関係を調べたところ、図1の結果が得られた。
図1から、相対値の量の酵素XでCa2+波が誘起される確率は、2割であることが分かる。1回当たり相対値1の量の酵素Xを卵に複数回注入したとき、Ca2+波を誘起する確率は毎回同じであるとすると、後の記述a〜dのうち、図1から導かれる考察はどれか。それを過不足なく含むものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、8割以上の卵でCa2+波が誘起されたとき、卵の活性化に十分であるとみなす。

a  5個の精子の進入は、確率的に卵の活性化に十分である。
b  10個の精子の進入は、確率的に卵の活性化に十分である。
c  精子5個分の酵素Xの1回の注入は、卵の活性化に十分である。
d  精子10個分の酵素Xの1回の注入は、卵の活性化に十分である。
問題文の画像
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この過去問の解説 (1件)

01

まず、問題文から与えられている条件を整理しましょう。

図1から相対値1の量の酵素Xを一回注入した時、Ca2+波が誘起される割合は2割。

卵の活性化に十分と考えられるのは、8割以上の確率でCa2+波が起きたとき。

 

一回の注入でCa2+波が誘起される確率は、p=0.2

複数回注入し、一回以上波が起きる確率P=1-(1-p)n

n=注入回数

 

精子5個分

p=0.2,n=5

P=1-(1-0.2)5=1-(0.8)5=1-0.328・・・=0.672=67%

卵の活性化に十分なのは、8割以上なので、これでは不十分ということが分かります。

 

精子10個分

n=10

0.810=0.107・・・

P=1-0.107=0.893=89%

卵の活性化に十分なのは、8割以上なので、これは十分ということが分かります

 

この二つの結果を、四つの選択肢に当てはめてみましょう。

a,5個の精子では、不十分。

b,10個の精子で十分。

c,5個の精子で不十分。

d,10個の精子で十分。となります。

 

このことから、bとdが80%以上で卵の活性化として十分と言えます。

しかし、ここで問題文を改めて見てみましょう。

bは、実際の生物現象に即していて、イモリでは複数の精子が卵に入る場合があり、自然な侵入数で十分に卵を活性化させています。

一方、dは、「一回の操作で10個分の精子を注入」することを意味しています。

したがって、dは正しいとは言えません。

 

よって、bが自然の精子進入を効率的に評価したものとして正しいと言えます。

 

 

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