共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問149 (生物(第5問) 問4)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問149(生物(第5問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

生命の誕生について、物質とエネルギーの両面から考えよう。生物は有機物から構成される。生物は有機物をつくることができるが、地球に誕生した最初の生命体を構成していた有機物は、生物によらずに化学的に生成したに違いない。そのような考え方に基づき、生命に必要な物質が生命の出現以前に生成されていったであろう過程が研究されている。この過程を(a)化学進化という。
他方、生命活動にはエネルギーが必要である。生物におけるエネルギーの獲得は、かつては光合成が全ての基盤になっていると考えられていた。しかし、1977年に、深海底から熱水が噴出する場所で、光合成に依存しない生物群集が発見された。この生物群集の生命活動のエネルギーを支えているのは、(b)化学合成細菌であった。この発見をもとに、一部の研究者は、(c)地球上に誕生した初期の生命体は、化学合成によってエネルギーを得ていた、という仮説を提唱した。この仮説のとおり、初期の生命体が化学合成によって栄養を得ていた独立栄養生物であったにしろ、あるいはそうではなく、体外から栄養を取り入れる従属栄養生物であったにしろ、初期生命体が生まれた後、(d)酸素を発生する光合成生物が現れ、更に(e)酸素を用いて呼吸をする生物が出現することで、地球上の生命は急速に多様化し、繁栄の道をたどっていった。

下線部(d)に関連して、図1は、地球の大気の酸素濃度が歴史的にどのように変化してきたかを、地球上で起きた出来事のおおよその時期とともに示している。この図の時系列の情報を踏まえた、地球と生物の歴史についての考察として適当でないものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 酸素発生をする光合成生物で最初に出現したものは、原核生物であった。
  • 酸素発生をする光合成生物が繁栄し始めてから、大気中の酸素濃度が現在の3割に達するまでには、約20億年かかった。
  • 大気中の酸素濃度が現在の半分程度まで上昇した後に、生物は陸上に進出した。
  • 光合成をする細菌が出現してから、光合成生物が酸素を発生する能力を獲得するまでには、約20億年が必要であった。
  • ミトコンドリアが獲得された時期の大気中の酸素濃度は、現在の1割にも満たなかった。

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この過去問の解説 (3件)

01

資料読解です。

選択肢1. 酸素発生をする光合成生物で最初に出現したものは、原核生物であった。

大前提、『酸素発生をする光合成生物で最初に出現したもの』とは基本的に『シアノバクテリア』のことです。そして、シアノバクテリアは原核生物ですから、正しいといえます。

選択肢2. 酸素発生をする光合成生物が繁栄し始めてから、大気中の酸素濃度が現在の3割に達するまでには、約20億年かかった。

図中の『ストロマトライト』はシアノバクテリアによってつくられたとされる岩石なので、これ以前にシアノバクテリア(酸素発生をする光合成生物)が繁栄していることになります。

あとは大気中の酸素濃度が3割に達するタイミングまでの幅を横軸をもとに考えると正しいとわかります。

選択肢3. 大気中の酸素濃度が現在の半分程度まで上昇した後に、生物は陸上に進出した。

感覚的にも動物の上陸よりも、植物の上陸の方が早いのはわかると思います。

つまり、「生物の上陸」=「植物の上陸」です。

 

図から、現在の大気中酸素濃度は2割。よってその半分は1割で、「植物の上陸」が1割到達以後であるので、この選択肢は正しいといえます。

選択肢4. 光合成をする細菌が出現してから、光合成生物が酸素を発生する能力を獲得するまでには、約20億年が必要であった。

単刀直入にこの選択肢は誤りです。

 

α光合成をする細菌が出現してから、β光合成生物が酸素を発生する能力を獲得するまでには、約20億年が必要であった。』

の文から、βが酸素発生の能力を有することから逆説的にαが酸素発生を伴わない光合成を行うことになります。

 

αの光合成の一つとして有名なのは図中にもあるが硫黄によるものがあります。この反応式も頻出です。

6CO2+12H2S→C6H12O6+6H2O+12S

 

しかし、βは必ず図中の「ストロマトライト」以前に誕生しているので、20億年ものギャップはないとわかります。

選択肢5. ミトコンドリアが獲得された時期の大気中の酸素濃度は、現在の1割にも満たなかった。

ミトコンドリアの細胞内共生は低酸素時代のことで正しいです。

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02

この問題は光合成を行う生物の出現、待機中酸素濃度の変化や陸上進出の時期等を理解していることが重要です。

選択肢1. 酸素発生をする光合成生物で最初に出現したものは、原核生物であった。

酸素発生型光合成を最初に行ったのはシアノバクテリアであり、原核生物であるため正しい選択肢であると言えます。

選択肢2. 酸素発生をする光合成生物が繁栄し始めてから、大気中の酸素濃度が現在の3割に達するまでには、約20億年かかった。

酸素発生型光合成は約27億年前に始まり、酸素濃度が大きく増えるのはそれよりかなり後です。20億年かかったというのは妥当であると考えられます。

選択肢3. 大気中の酸素濃度が現在の半分程度まで上昇した後に、生物は陸上に進出した。

生物の陸上進出にはオゾン層形成と十分な酸素が必要なため、適切であると言えます。

選択肢4. 光合成をする細菌が出現してから、光合成生物が酸素を発生する能力を獲得するまでには、約20億年が必要であった。

無酸素光合成細菌の出現から酸素発生型光合成の出現までは20億年も空いていません。酸素が大気中に多く蓄積するまでに長く時間がかかったため、不適切な選択肢であると言えます。

選択肢5. ミトコンドリアが獲得された時期の大気中の酸素濃度は、現在の1割にも満たなかった。

ミトコンドリアの獲得は酸素濃度が低い時代であったため適切な選択肢であると言えます。

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03

光合成は、原核生物の一部で始まったとされています。最初の光合成は酸素を発生することは出来ませんでした。酸素を発生させる光合成が出現したのは、それから後になってからです。

これをもとに各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 酸素発生をする光合成生物で最初に出現したものは、原核生物であった。

最初に酸素を発生する光合成生物が誕生したのは、約27億年前のシアノバクテリアです。シアノバクテリアは、原核生物のためこの選択肢は正しいと言えます。

 

選択肢2. 酸素発生をする光合成生物が繁栄し始めてから、大気中の酸素濃度が現在の3割に達するまでには、約20億年かかった。

大気中の酸素濃度が現在の3割に達したのは、約24億年前~現在の3割(約6~7億年前)ということで、約15~20億年ほどかかっているので正しいと言えます。

 

選択肢3. 大気中の酸素濃度が現在の半分程度まで上昇した後に、生物は陸上に進出した。

生物の大陸進出時は約5億年前。酸素濃度が現在の半分まで上昇した後なので、正しいと言えます。

選択肢4. 光合成をする細菌が出現してから、光合成生物が酸素を発生する能力を獲得するまでには、約20億年が必要であった。

光合成自体は酸素を出さない形で古くからあったと考えられている。

しかし、酸素を出さない光合成が出現したのは約35億年前。酸素を発生する光合成が出現したのは約27億年前。その差は、約8億年前。

文中の「約20億年」かかった、というのは長すぎるので、誤りとなります。

選択肢5. ミトコンドリアが獲得された時期の大気中の酸素濃度は、現在の1割にも満たなかった。

真核生物が、好気性細菌を取り込んでミトコンドリアを獲得したのは約20億年前です。当時の酸素濃度はかなり低く、現在の1割に満たないと考えられます。

そのため、ミトコンドリアを獲得した時期の酸素濃度が1割に満たないというのは、正しいと言えます。

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