共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問130 (化学(第5問) 問2)
問題文
窒素とH2Sからなる気体試料Aがある。気体試料Aに含まれるH2Sの量を次の式(2)〜(4)で表される反応を利用した酸化還元滴定によって求めたいと考え、後の実験を行った。
H2S → 2H++S+2e−・・・(2)
I2+2e− → 2I−・・・(3)
2S2O32− → S4O62−+2e−・・・(4)
実験 ある体積の気体試料Aに含まれていたH2Sを水に完全に溶かした水溶液に、0.127gのヨウ素I2(分子量254)を含むヨウ化カリウムKI水溶液を加えた。そこで生じた沈殿を取り除き、ろ液に5.00✕10−2mol/Lチオ硫酸ナトリウムNa2S2O3水溶液を4.80mL滴下したところで少量のデンプンの水溶液を加えた。そして、Na2S2O3水溶液を全量で5.00mL滴下したときに、水溶液の青色が消えて無色となった。
この実験で用いた気体試料Aに含まれていたH2Sは、0℃、1.013✕105Paにおいて何mLか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、気体定数はR=8.31✕103Pa・L/(K・mol)とする。
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問題
共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問130(化学(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
窒素とH2Sからなる気体試料Aがある。気体試料Aに含まれるH2Sの量を次の式(2)〜(4)で表される反応を利用した酸化還元滴定によって求めたいと考え、後の実験を行った。
H2S → 2H++S+2e−・・・(2)
I2+2e− → 2I−・・・(3)
2S2O32− → S4O62−+2e−・・・(4)
実験 ある体積の気体試料Aに含まれていたH2Sを水に完全に溶かした水溶液に、0.127gのヨウ素I2(分子量254)を含むヨウ化カリウムKI水溶液を加えた。そこで生じた沈殿を取り除き、ろ液に5.00✕10−2mol/Lチオ硫酸ナトリウムNa2S2O3水溶液を4.80mL滴下したところで少量のデンプンの水溶液を加えた。そして、Na2S2O3水溶液を全量で5.00mL滴下したときに、水溶液の青色が消えて無色となった。
この実験で用いた気体試料Aに含まれていたH2Sは、0℃、1.013✕105Paにおいて何mLか。最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。ただし、気体定数はR=8.31✕103Pa・L/(K・mol)とする。
- 2.80ml
- 5.60ml
- 8.40ml
- 10.0ml
- 11.2ml
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題はヨウ素を用いた酸化還元滴定(ヨウ素滴定)の計算問題です。H2Sを直接滴定するのではなく、過剰なI2を加えてH2Sを酸化し、余ったI2をNa2S2O3で逆滴定するという手順を理解することがポイントです。
①各半反応式を組み合わせて反応式を導く
式(2)と式(3)を組み合わせると、H2SとI2の反応式が得られます。
(2)+(3)より
H2S+I2 → S↓+2H++2I-
H2SとI2は1:1で反応します。
同様に式(3)と式(4)を組み合わせると、I2とNa2S2O3の反応式が得られます。
(3)+(4)より
I2+2S2O32- → 2I-+S4O62-
I2とS2O32-(チオ硫酸イオン)は1:2で反応します。
②加えたI2の物質量を求める
I2の分子量は254なので
0.127g÷254=5.00×10-4mol
③Na2S2O3と反応したI2の物質量を求める
滴下したNa2S2O3の物質量
5.00×10-2mol/L×5.00×10-3L=2.50×10-4mol
I2とS2O32-は1:2で反応するので、Na2S2O3と反応したI2の物質量
2.50×10-4mol×1/2=1.25×10-4mol
④H2Sと反応したI2の物質量を求める
加えたI2の総量からNa2S2O3と反応したI2を引くと、H2Sと反応したI2の物質量が得られます。
5.00×10-4mol-1.25×10-4mol=3.75×10-4mol
⑤H2Sの体積を求める
H2SとI2は1:1で反応するので、H2Sの物質量は3.75×10-4mol。
0℃、1.013×105Paは標準状態なので、気体1molの体積は22.4L/mol。
3.75×10-4mol×22.4L/mol=8.40×10-3L=8.40mL
正解は8.40mLです。
この選択肢が正解です。
H2Sの直接滴定は、H2Sは気体で水溶液中の濃度が不安定であること、終点の検出が難しいことから難しいです。そのため過剰のI2を加えてH2Sを完全に酸化し余ったI2をNa2S2O3で逆滴定する方が精度が高くなります。デンプンはヨウ素デンプン反応で青紫色に呈色させ、終点をわかりやすくする役割があります。滴定の中でも難易度が高く、熟練したテクニックが必要です。
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02
I2の物質量は、
0.127g/254=5.00×10-4mol
式(3),(4)より
I2とS2O3-は1:2で反応するためNa2S2O3と反応するI2の物質量は、
5.00×10-4mol×5.0×10-3L×1/2=1.25×10-4mol
よってH2Sと反応したI2の物質量は3.75×10-4mol
式(2),(3)より
I2とHsSは1:1で反応するため気体試料Aに含まれているH2Sの体積は、
3.75×10-4mol×22.4L/mol=8.40mL
この選択肢が正解です。
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