共通テスト(理科) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問34 (生物基礎(第1問) 問2)

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問題

共通テスト(理科)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問34(生物基礎(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

細胞と遺伝子の働きに関する次の文章を読み、後の問いに答えよ。

全ての生物は、(a)細胞を基本単位として活動している。細胞は生物固有の全遺伝情報である(b)ゲノムを持ち、ゲノムに存在する(c)遺伝子が発現することで、細胞の働きが維持されている。遺伝子の本体は、(d)肺炎を引き起こす肺炎双球菌(肺炎球菌)を用いた実験により明らかになった。

下線部(b)、(c)に関連して、ゲノムや遺伝子に関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • ゲノムのDNAに含まれる、アデニンの数とグアニンの数は等しい。
  • ゲノムのDNAには、RNAに転写されず、タンパク質に翻訳もされない領域が存在する。
  • 同一個体における皮膚の細胞とすい臓の細胞とでは、中に含まれるゲノムの情報が異なる。
  • 単細胞生物が分裂により2個体になったとき、それぞれの個体に含まれる遺伝子の種類は互いに異なる。
  • 細胞が持つ遺伝子は、卵と精子が形成されるときに種類が半分になり、受精によって再び全種類がそろう。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題でおさえるべきは以下2点です。

 

・体のどの細胞にもゲノム(全遺伝子情報)を持っていて、すい臓、肝臓などおのおの必要な情報(遺伝子)を読み取って形成されています。

・またこのゲノムには余白(翻訳されない領域)もたくさんあります。

 

 

選択肢1. ゲノムのDNAに含まれる、アデニンの数とグアニンの数は等しい。

これは誤りです。

DNAのパーツ(塩基)には

・アデニン(A)

・チミン(T)

・グアニン(G)

・シトシン(C)

 

があり、AとT、GとCの組み合わせで必ずペアになっています(これをシャルガフの規則と呼びます)。

ゆえに組み合わせの異なるアデニン(A)とグアニン(G)の数は等しくなりません。

選択肢2. ゲノムのDNAには、RNAに転写されず、タンパク質に翻訳もされない領域が存在する。

これは正解です。

ちなみに人間のゲノムの約98%は翻訳されない領域といわれています。

 

 

選択肢3. 同一個体における皮膚の細胞とすい臓の細胞とでは、中に含まれるゲノムの情報が異なる。

これは誤りです。

皮膚の細胞もすい臓の細胞も、元は一つの受精卵が細胞分裂をして増えたものなのでその中に含まれるゲノムの情報は同じです。

 

選択肢4. 単細胞生物が分裂により2個体になったとき、それぞれの個体に含まれる遺伝子の種類は互いに異なる。

これは誤りです。

単細胞生物(例えばアメーバ)の分裂は遺伝子を複製して行われるのでそれぞれの遺伝子情報の種類は全く同じものになります。

選択肢5. 細胞が持つ遺伝子は、卵と精子が形成されるときに種類が半分になり、受精によって再び全種類がそろう。

これは誤りです。

卵と精子が形成されるときに半分になるのは「種類」ではなく「量」です。

 

まとめ

ゲノム・・・レシピ本

遺伝子・・・料理のレシピ

 

体の中の細胞は同じレシピ本(ゲノム)を持っていて、各細胞によって料理のレシピ(遺伝子)を読むページが違います。

またレシピ本に目次などの読むことのないページがあるように、ゲノム(全遺伝子情報)にも読まない余白のページ(翻訳されない領域)がある、というようなイメージをすると覚えやすいです。

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02

まず、ゲノムとは、「その生物が持つ遺伝子情報の1セット全体」のことです。ある生物がもつ全DNA配列の総体(1組分)のことで、DNAの他にもタンパク質を作る遺伝子や調整領域、イントロン、繰り返し配列なども含まれます。これらをすべてまとめて「ゲノム」と言います。

 

一方、遺伝子とは、その設計図の中の「タンパク質を作る部分」を指します。

選択肢1. ゲノムのDNAに含まれる、アデニンの数とグアニンの数は等しい。

DNAの塩基配列では、A(アデニン)はT(チミン)とペア。G(グアニン)はC(シトシン)とペア。とそれぞれ相補的に結合します。

よって、DNAの塩基で、「AとGが等しい」というのは誤りとなります。

 

選択肢2. ゲノムのDNAには、RNAに転写されず、タンパク質に翻訳もされない領域が存在する。

ゲノムには、実際に遺伝子を作る部分と、遺伝子を作る際に使われない部分、調整の部分があります。

なので、RNAにもタンパク質にも翻訳されない領域があるというのは、正しいと言えます。

選択肢3. 同一個体における皮膚の細胞とすい臓の細胞とでは、中に含まれるゲノムの情報が異なる。

体の細胞は、基本的に同じ設計図を持っています。違うのは、どの部分の情報を使っているかです。

なので、皮膚の細胞とすい臓の細胞で、中に含まれているゲノムの情報が異なるというのは誤りとなります。

使っているゲノムの情報が異なっているだけで、中に含まれているゲノムの情報自体は同一です。

選択肢4. 単細胞生物が分裂により2個体になったとき、それぞれの個体に含まれる遺伝子の種類は互いに異なる。

分裂の際に、遺伝子は複製されているので、遺伝子の情報は同一です。

なので、単細胞生物が分裂しての、互いに同一の遺伝子を持っていることになります。

よって、この選択肢は誤りとなります。

選択肢5. 細胞が持つ遺伝子は、卵と精子が形成されるときに種類が半分になり、受精によって再び全種類がそろう。

半分になるのは染色体のセット数です。

遺伝子の種類が半分になるわけではないので、誤りとなります。

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03

ゲノムや遺伝子について、正しく理解しましょう🧬

選択肢1. ゲノムのDNAに含まれる、アデニンの数とグアニンの数は等しい。

ゲノムのDNAに含まれる、アデニンの数とグアニンの数は等しくありません。

したがって、不正解です。

選択肢2. ゲノムのDNAには、RNAに転写されず、タンパク質に翻訳もされない領域が存在する。

ゲノムのDNAには、RNAに転写されず、タンパク質に翻訳もされない領域(非コード領域)が存在します。

したがって、正解です。

選択肢3. 同一個体における皮膚の細胞とすい臓の細胞とでは、中に含まれるゲノムの情報が異なる。

体細胞は全て同じゲノムの情報を持っています。

したがって、不正解です。

選択肢4. 単細胞生物が分裂により2個体になったとき、それぞれの個体に含まれる遺伝子の種類は互いに異なる。

細胞生物が分裂により2個体になったとき、それぞれの個体に含まれる遺伝子の種類は同じです。

したがって、不正解です。

選択肢5. 細胞が持つ遺伝子は、卵と精子が形成されるときに種類が半分になり、受精によって再び全種類がそろう。

細胞が持つ遺伝子は、卵と精子が形成されるときに染色体の数が半分になります。

遺伝子の種類は減らないため、不正解です。

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